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7447 ナガイレーベン

東証P
2,328円
前日比
-49
-2.06%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.9 1.80 2.58 0.80
時価総額 832億円
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星医療
決算発表予定日

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ナガイレーベン Research Memo(5):全地域で増収を達成する計画


■業績動向

(2) 2016年8月期の連結業績予想

ナガイレーベン<7447>の2016年8月期の通期連結業績は、売上高が前期比2.2%増の16,500百万円、営業利益が同0.0%の4,814百万円、経常利益が同4.3%減の4,869百万円、当期純利益が同0.3%増の3,237百万円が見込まれている。記述のように第1四半期の結果は減収・減益となったが、ある程度予想された範囲内であったことから、会社は通期の予想を変えていない。

会社が予想を変えていない理由は、まず第1四半期の減収の1つの要因が一部大口案件のずれ込みであったことから、第2四半期以降にこれらを取り返せると見ているため。また不透明要因であった2016年春からの診療報酬改訂は本体が0.49%アップとなったことから、同社の事業環境としては少なくともマイナスにはならないこと、加えて一部製品については既に主要顧客に対して値上げの交渉を始めており、徐々にだが値上げが浸透することで利益率は改善すると予想しているからである。したがって第1四半期の結果は上記のように減収・減益となったが、通期の予想については現時点では大きく懸念する必要はなさそうだ。

売上高については、主力のヘルスケアウェア、ドクターウェアに高付加価値の新製品を投入することで市場を活性化し、ずれ込んでいる大型の更新需要を確実に取り込むことと新規物件の獲得を目指す。加えて患者ウェアや手術ウェアの順調な拡大などによって増収を見込んでいる。また、地域別では中部日本以西でのシェアアップにも引き続き注力し、通期では全地域で増収を達成する計画となっている。

売上総利益率は46.0%(前期46.6%)へ低下する予想だが、海外生産比率の上昇によるプラス要因がある一方で、マイナス要因として原材料・加工賃の上昇による影響、為替レートの影響などを見込んでいる。依然として円安によるコストアップが懸念されるが、事前に先物予約を行っていることからマイナスの影響が一気に具現化してはいない。しかし過去2年間に比べて先物予約の効果が徐々に薄まりつつあるのも事実だ。海外生産比率のアップやドル建て預金による円安ヘッジも効果は小さくなっている。そのため会社は、「コストアップに対する社内努力も限界になりつつあり、そろそろ値上げを検討する時期になっている」と述べていたが、既に一部で値上げ交渉を開始している。値上げを浸透させるのは容易ではないが、同社の市場シェアが高いこと、製品に対する信頼性が高いこと、多くの競合他社が既に製品値上げを実施していることなどを考えれば、徐々にだが値上げが受け入れられる可能性は高そうだ。

販管費では、会社創立100周年関連の残りの費用などが見込まれることから、2,776百万円(前期比2.1%増)を予想している。経常利益については、前期に営業外収益で計上した為替差益(226万円)がはく落するとの前提から前期比では減益の予想となっている。ただし期末の為替レートが前期末よりもさらに円安水準にあれば、減益幅は想定より小さくなる可能性もあり、場合によっては前期比で増益となる可能性もある。また、前期に計上した特別利益(亀戸研究所の売却益30百万円)が今期は発生しないが、税制改正による法人税等の実効税率の低下により、当期純利益は前期比で増益が予想されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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