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6890 フェローテク

東証S
2,950円
前日比
+61
+2.11%
PTS
2,940円
22:12 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.2 0.66 3.39 123
時価総額 1,390億円
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決算発表予定日

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フェローテク Research Memo(9):2025年3月期以降は再び成長路線へ(2)


■中長期の成長戦略

3. 2026年3月期の目標
フェローテックホールディングス<6890>は、2026年3月期の目標を発表した。以下、その概要である。

(1) セグメント別数値目標
2026年3月期におけるセグメント別売上高目標は、半導体等装置関連が235,600百万円(2023年3月期実績132,194百万円)、電子デバイスが93,390百万円(同53,024百万円)、その他が31,010百万円(同25,590百万円となっている。

半導体等装置関連では、グローバル生産体制の拡充、自動化等を着実に進めており、需要回復時には急速な売上拡大が見込める。主な増設・増強は、常山(石英製品、金属加工、シリコンパーツ等)、マレーシア(金属加工、石英製品、セラミックス)、石川(セラミックス)、岡山(CVD-SiC)など。

電子デバイスでは、パワー半導体基板の四川工場設立による増産体制を着実に進めており、2024年には生産本格化見通しである。

(2) カテゴリー別売上高目標
2026年3月期における各カテゴリー別の売上高目標は、半導体マテリアル(石英製品、セラミックス、シリコンパーツ、CVD-SiC等)が117,100百万円(2023年3月期比49.4%増)、半導体サービス(部品洗浄、石英坩堝、再生ウエーハ等)が53,430百万円(同200.2%増)、半導体金属・装置(真空シール、金属加工、蒸着装置等)が65,070百万円(同80.7%増)、電子デバイス(サーモモジュール、パワー半導体基板、センサ、磁性流体)が93,390百万円(同76.1%増)、その他(刃物、クリーニング、その他製造装置等)が31,010百万円(同21.1%増)で、半導体等装置関連のみの合計売上高は、235,600百万円(同78.2%増)である。

(3) 主な戦略製品の状況と見通し
a) 半導体マテリアル:需要は旺盛、生産能力を増強中
半導体前工程製造装置市場は、2024年3月期は調整局面の予想だが、中長期での市場成長の見方は不変。2026年3月期以降の市況拡大を見越し、各製品の生産能力拡大を継続する。

石英製品:マレーシア・熊本に新工場を建設
セラミックス: マレーシア・石川に新工場建設
※CVD-SiCは岡山、常山(新工場)、シリコンは常山で拡大予定

b) 石英坩堝
2023年3月期の売上高は前期比85.3%増、2024年3月期も前期比311.2%増の見通し。太陽電池市場の導入量拡大、及びウェーハサイズの大口径化に対応した石英坩堝の大口径化のトレンドが顕著となり、銀川工場での生産能力増強投資を推進中。2026年3月期には、2023年3月期実績比で、約8.9倍の売上規模を目標としている。 同社の調べでは、太陽電池ウェーハサイズ別市場シェアは、2021年には210mm以上が13.0%、182~210mmが27.0%であったが、2023年にはそれぞれ35.0%、59.0%へ上昇したもようで、この傾向は今後も続くと予想される。

c) パワー半導体基板
世界的に自動車のEV化が進むなかで、IGBTなどのパワー半導体の需要は強く、同社のパワー半導体基板の需要も当面は強いと予想される。2023年3月期は前期比136.2%増となったが、2024年3月期も前期比180.0%増の見通しで成長は持続する。これに対応して、四川省内江に新工場を竣工された。さらに東台のパワー半導体基板工場は生産能力を拡大中で2025年3月期以降も増収の見通し。

現在、上海・東台工場のDCB基板月産能力は110万枚だが、160万枚へ増設予定。またAMB基板も20万枚から45万枚へ増産を計画中。高耐熱・高強度のDPC基板も、光通信やパワーLED製品等への展開を強化している。世界的な消費電力抑制気運から、DCB基板はさらに需要拡大の見込みで、車載用途で、AMB基板も一定水準の売上規模になると予想されている。同社では、2026年3月期の売上高48,930百万円(2023年3月期比で約2.4倍)を見込んでいる。

DCB基板 (Direct Copper Bonding):材質はアルミナセラミックス
AMB基板 (Active Metal Brazing):材質は窒化ケイ素
DPC基板 (Direct Plated Copper): 材質はアルミナセラミックス等メタライズ(Ni等)

4. グローバル戦略の強化
(1) 東南アジア:マレーシア新拠点
2022年4月にマレーシアケダ州クリム・ハイテクパーク内(ペナン島近隣)に製造子会社 Ferrotec Manufacturing Malaysiaを設立した。新工場を建設中で、2023年11月頃竣工予定。東南アジア顧客に密着した事業展開(石英製品・セラミックス・金属加工/組立等)を進める。

(2) 日本:石川増強、熊本新拠点
中長期での需要拡大が見込まれる半導体製造装置関連部材「ファインセラミックス」「マシナブルセラミックス」の増産を石川エリアで対応中。既に2022年11月に第2工場が竣工、第3工場も用地を確保し、2024年半ばに竣工予定。

またシリコンアイランド」九州の熊本県大津町に生産拠点を新設予定(2024年6月竣工予定)で、 半導体マテリアル製品、装置部品洗浄の事業展開を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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