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6461日本ピストンリング

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日ピストン Research Memo(5):世界の主要自動車メーカーに幅広く供給


■事業概要

4. 主要取引先
日本ピストンリング<6461>は、トヨタ自動車をはじめとする世界の主要な自動車メーカーに幅広く製品を供給しており、売上高の10%を超える特定の自動車メーカーに依存していないことが特徴だ。また、欧米の大手自動車メーカーや中国のローカル自動車メーカーへの供給も増加基調である。


非自動車エンジン事業では新製品開発を推進
5. 新製品事業
同社は非自動車エンジン事業の売り上げ拡大に向けて、産業機器分野や医療分野を中心に新製品開発を推進している。

産業機器分野では、自動車の電動パワーステアリングやスカラーロボットのボールネジ循環駒として、産業機器向けメタモールドの拡販を推進している。さらに、形状自由度や材料自由度の優位性を生かして、CASE※関連部品、ロボット、センサー、医療分野へ展開する方針である。

※CASEは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語である。


医療分野では、2014年10月に歯科インプラント事業を譲り受けて医療機器製造販売業許可を取得した。これを生かして2020年9月には放射線科医療機器の輸入販売を開始、2021年4月には口腔内スキャナーの販売を開始したほか、医療用新材料チタンタンタル合金「NiFreeT」の具体的案件に向けた技術検討も開始した。「NiFreeT」は、ニッケルフリー・非磁性で生体適合性の高い医療用新材料として、歯科用スクリュー、ガイドワイヤ、カテーテル補強材などへの応用が期待され、早期の製品化・事業化を目指している。また2022年1月には、救急・災害用医療機器専門商社のノルメカエイシアを子会社化した。

2022年9月には、MIM(Metal Injection Molding)工法による、外科用インプラントの標準規格ASTM-F2885に準拠した医療用チタン合金新材料(チタン6アルミニウム4バナジウム)の開発に成功した(注:詳細は後述の成長戦略の欄で紹介)。

6. リスク要因・収益特性と課題・対策
リスク要因としては、景気変動・感染症・災害などの影響による自動車生産台数の減少がある。ただしグローバル自動車市場は、新興国における自動車普及の進展などで中期的に拡大基調であり、同社にとっては当面の自動車生産台数の増減よりも、世界的な脱炭素化の流れを背景とする中長期的な環境規制の影響(エンジンの低燃費化、ガソリンエンジンの減少、新たなクリーン燃料エンジン、自動車のEV化など)がリスク要因となる。同社はEV化が一気に進む可能性は低いと想定し、ガソリンエンジンのさらなる低燃費化や新たなクリーン燃料エンジンへの対応など、自動車エンジンの進化に向けた技術開発を推進するとともに、徐々に進むEV化の流れも踏まえて、新製品事業の売上の拡大も推進する方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YI》

 提供:フィスコ

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