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6310 井関農機

東証P
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前日比
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単位
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PER PBR 利回り 信用倍率
58.5 0.34 2.90 8.28
時価総額 238億円
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決算発表予定日

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井関農 Research Memo(8):2023年12月期は増収及び営業増益を見込む


■今後の見通し

1. 2023年12月期の業績見通し
井関農機<6310>の2023年12月期の連結業績に関しては、売上高が前期比5.9%増の176,500百万円、営業利益が同27.3%増の4,500百万円、経常利益が同6.3%増の4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同36.9%減の2,600百万円を見込んでおり、期初の想定から変更はない。国内事業に関しては、2023年4月に実施した価格改定前の駆け込み需要反動の影響が残る懸念はあるものの、ボリュームゾーンの新型トラクタであるBFシリーズ及び大型農機の拡販に注力していく。海外事業に関しては、欧州事業が引き続き好調を維持することが想定され、けん引役となりそうだ。利益面に関しては、国内・海外の増収及び価格改定による売上総利益の増加に加えて、販売会社の収支構造改革やPT ISEKIインドネシアを中心とした最適生産体制の構築など、構造改革と経営効率化をさらに推し進めることにより、収益性を高めていく。

2. 国内事業
国内に関しては、価格改定の影響が下半期においても残ることが想定されるものの、10年ぶりのモデルチェンジを行い7月から本格販売を開始した中型トラクタ「BFシリーズ」と大型機の拡販に注力していくことにより、業績を拡大させていく。BFシリーズは前述のとおり顧客からの評価が高く、新規契約が順調に推移している。また、大型機に関しても足元で生産遅延の問題が解消している状況であり、期末に向けて売上が積み上がっていくことが期待される。その他、アイガモロボに対する顧客からの評価も好調であるという。アイガモロボを中心に、関連商材の拡販に注力し、環境保全型スマート農業の提案力を引き続き強化していく。

これらにより、農機製品の売上高は前期比11.9%増の52,500百万円、作業機・部品・修理収入の売上高は同4.3%増の43,800百万円を見込んでいる。2023年12月期上半期においては生産遅延などの影響を受け、機会損失が発生した。期末に向けては顧客のニーズに確実に対応し、業績に取り込んでいく構えだ。加えて、「ビジネスモデル転換」の1つとして付帯サービスの業績拡大に注力するなかで、メンテナンス収入は期末に向けても堅調に推移することが予想される。

3. 海外事業
海外事業に関しては期末に向けて、アセアン市場、東アジア市場の軟調な推移が予想されるものの、引き続き欧州市場がけん引役となる見通しだ。

欧州市場に関しては、期末に向けて引き続き好調な事業環境が継続する見通しだ。そのなかで、ISEKIフランス、ISEKIドイツを中心とした販売・サービスの強化、ボリュームゾーンである乗用モーアのHVO燃料に対応した新商品の推進強化、電動モーアの量産化への取り組みなどに注力していく。北米市場に関しては、コンパクトトラクタ市場の調整局面が継続するなかで、パートナーであるAGCOでは無金利ローンの月数を増やすなどの各種販売促進施策を積極的に実施している。市場の好転と営業施策の推進により、期末に向けて業績を回復させていく構えだ。アセアン市場のタイに関しては、2023年上半期は干ばつなどの影響を受け業績が低調に推移したものの、畑作向け販売の強化、既存販売店エリアの拡大、新規販売店開拓などの各種施策を実行しており、業績の堅持を目指す。インドネシアに関しては、政府入札以外の収益源多様化に向けて現地販売代理店の体制強化を実施していく。東アジア市場に関しては、中国で排出ガス4次規制対応商品の順次市場投入などを実施していく方針だ。

これらにより、北米の売上高は前期比3.6%減の18,800百万円、欧州が同4.4%増の26,200百万円、アジアが同9.3%増の9,400百万円を見込んでいる。特に欧州においては、前期にサプライチェーンの効率化と販売体制の強化が進み、海外売上高過去最高を更新した。期末に向けても引き続き好調に推移し、海外売上高過去最高をさらに更新することが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《AS》

 提供:フィスコ

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