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2016年01月12日16時04分

アドバネクス Research Memo(3):市場の成長性が高い自動車、医療などの事業領域に注力


■事業戦略

アドバネクス<5998>は、各業界のトップメーカーを顧客として、開発段階から技術打合せをする、強固な信頼関係に基づく長期取引をしている。国内の取引先は、約730社あり、製品種類は年に約11,700種類となり、年間販売個数はおおよそ25億個となる。現在市場別売上高で最大の自動車向けは、2000年に新規参入を決意し、2001年より受注活動が活発となった。ただし自動車向けは、実績を重視することから新規参入は容易ではなく、また、製品サイクルが長いなど、受注から量産まで数年かかることが普通である。同社も自動車分野の本格化には相当な時間を要し、主力事業になり始めたのは2012年頃であった。下請け的なサプライヤーではなく、それまでOA機器メーカーとの取引で培った提案力などを発揮した。自動車のエレクトロニクス化が進展したことが、自動車部品メーカーが新規参入者と取引を開始することを促進した。現在では、世界で1、2位を争うドイツ系及び日系自動車部品メーカーと取引をしている。

○“グローバルニッチ”のブルーオーシャン戦略
同社は、これまで多くのオンリーワン製品によりトップシェア製品を輩出してきた。それらの中には、国内にとどまらず、世界でもトップシェアを築いたものがある。1971年に海外に進出しており、アメリカ、ヨーロッパ、アジアに数多くの生産・販売拠点を展開している。このため、自動車や医療機器などの分野で、グローバル展開をし、タイムリーな供給を求める世界的な規模のメーカーのニーズに応えることができる。また、現地の拠点が顧客ニーズを汲み取り、量産化技術をグループ企業が連携して開発することも強みとなっている。自社の競争力が強く、市場の成長性が高い、自動車、医療、住設、インフラに事業領域を注力領域とする事業戦略をとっている。

同社は、競合が多くなく、自社の強みが発揮される市場を重点的に開拓するブルーオーシャン戦略を取っている。日系の大手ばねメーカーは、シャシばねなど大型製品を得意としており、精密ばね分野で同社との直接的な競合は少ない。同社の競合先は、500から700社あると言われている中小零細メーカーになる。これらの企業は、おおむね海外に進出する体力がない。また、自動車向けは、一度採用されれば、その車種の生産が続く限り安定的、継続的な部品供給が求められるとともに、人命にかかわることもあるため厳格な品質管理が要求される。また、継続的なコスト削減が求められる。すなわち、グローバル市場では、低価格で少量生産をする国内中小ばねメーカーは競合先となりえず、グローバル展開をしている日系大手ばねメーカーとは市場を棲み分けることになる。

○加工工法の転換
同社は、顧客が抱える問題にソリューション(解決策)や価格以外のメリットを提供してWin-Winの関係を構築している。企画・開発段階で、顧客ニーズが従来にない形状や技術的な課題の解決を求めるときは、新たな製造方法を考案する。工数の削減や品質の安定という工程設計に関するニーズには、顧客の工程を解析し、改善策を提案する。また、海外での量産や海外工場への納入に関する要望には、顧客量産拠点に近い同社の工場に生産を移管して対応している。

新たな製造方法に関しては、従来工法と比べて顕著なメリットがある上、品質、機能、量産化で遜色がないことが求められる。同社は、従来から有するフォーミング加工に深絞り加工を得たため、提案力が増した。特に、高コストの切削加工から両加工工法への転換は、複雑な形状を低コストで作れるだけでなく、短納期で大量生産できるというメリットをもたらす。フォーミング加工は、自動車向け戦略製品で、売上拡大のけん引車として期待され、埼玉工場の主力製品となる「インサートカラー」に用いられる。また、深絞り加工は、燃費・安全性向上のための自動車の電子化に伴い需要が急増しているセンサー用途に引き合いが急増している。

○中期経営計画“Breakthrough to 2020”
2015年2月に、2015~2019年度をカバーする中期経営計画“Breakthrough to 2020”を発表した。中期経営計画のテーマは、「金属加工総合メーカーへの挑戦」であり、その取り組みは(1)エリア戦略:グローバルビジネス拡大に向けた積極投資、(2)市場戦略:自動車向けを加速、医療・インフラを第3の柱に育成、(3)製品戦略:規格品ビジネスを積極展開、(4)M&A:小規模でもとがった技術を持つ企業と、販路拡大に寄与する企業をターゲットにする、の4つである。最終年度となる2020年3月期の数値目標として、連結売上高35,000百万円、営業利益4,000百万円としている。5年間のCAGRは、売上高が13.7%、営業利益が41.2%となる。売上高営業利益率は、2015年3月期の3.7%(第一化成含まず)から11.4%の高水準を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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