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4936 アクシージア

東証P
923円
前日比
+12
+1.32%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
42.5 2.57 2.17 7.30
時価総額 232億円
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決算発表予定日

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アクシージア Research Memo(1):2023年7月期業績は売上高100億円を突破。各利益で過去最高達成


■要約

アクシージア<4936>は、Made In Japanの高・中価格帯の化粧品・サプリメントの企画・製造を行い、主に中国市場でのEコマース(以下、EC)で販売する成長性の高い化粧品会社である。主力ブランドは「AXXZIA(アクシージア)」と「AGtheory(エイジーセオリー)」であり、それぞれ目元ケア製品「エッセンスシート」と美容サプリメント「AGドリンク」のヒーロープロダクツ(ヒット商品)化に成功している。創業10年目にあたる2021年2月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場し、2022年4月の同市場区分再編に伴いグロース市場へ移行、2023年2月にプライム市場へ昇格した。

1. 2023年7月期の連結業績概要
2023年7月期の連結業績については、売上高は11,341百万円(前期比38.0%増)、営業利益1,899百万円(同16.3%増)、経常利益1,902百万円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,330百万円(同19.2%増)となり、売上高で初めて100億円を超え、各利益においても過去最高を達成した。事業環境としては、主戦場である中国市場において、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)対策の都市封鎖などゼロコロナ政策下におけるロックダウンや、政策転換後の新型コロナ罹患者の爆発的増加など必ずしも追い風ではなかった。売上高については、予算に基づいた広告投下を積極的に行ったことや「Douyin(抖音)」(以下、「Douyin」)における売上急拡大などにより増収となった。日本国内ではユイット・ラボラトリーズの子会社化による寄与とともに、インバウンド需要の回復により、リテール売上が同約3.25倍の771百万円と拡大した。ブランド別では、「AGtheory」ブランドが2023年4月に行った商品リニューアルが奏功し同105.4%増の5,950百万円と大きく伸びたほか、第3のヒーロープロダクトを目指す「ザ ホワイト ドリンク」が牽引する育成分野では同72.5%増の1,408百万円と全社の成長に寄与した。売上総利益は増収効果に加え、原価率の低減などにより、前期比43.8%増となった。販管費は、ブランド知名度向上及び販売基盤拡大のための広告宣伝を予算に基づき先行的に実施したほか、支払手数料の増加(「Douyin」等の売上拡大に伴って増加)などにより同53.5%増となった。結果として販管費が増加したものの、売上総利益の増加が上回り、営業利益は前期比16.3%増、計画比で4.5%超の増益となった。

2. 2024年7月期の業績見通し
2024年7月期の売上高は13,000百万円(前期比14.6%増)、営業利益2,400百万円(同26.3%増)、経常利益2,300百万円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,635百万円(同22.9%増)を予想する。売上高の成長ペースはやや落ちるものの2ケタ成長、収益性を高めることで各利益で20%以上の成長を見込む。売上高については、順調な中国ECの事業拡大を軸としつつ、中国以外の地域にもバランス良く展開し、持続的な成長を図る。主要市場である中国では、ALPS処理水の海洋放出による不買運動激化が懸念されるものの、足元での影響は軽微である。費用・投資面においては、ユイット・ラボラトリーズ八ヶ岳工場におけるアクシージア製品の生産量増加、上海子会社における中国EC運営の内製化、自社物流センター設立による物流費の抑制などに取り組み、収益性の向上を進める。結果として、営業利益率が前期比1.7ポイント上昇し、18.5%となる計画である。

同社はこれまで中国EC市場のECプラットフォームの多様化に伴い急成長を遂げてきた。しかし中国EC市場に過度に依存する売上構成は、中国経済の動向や各種規制変化などの外部環境が急変するリスクも伴う。新たな中期経営計画では、この点を踏まえて、地域的な分散やバランスを重視する戦略にシフトした。また、各種効率化の施策を重層的に進め、収益性の向上に本腰を入れる点も評価できる。進行期の売上高計画(14.6%増、前期は38.0%)、営業利益計画(26.3%増、前期は16.3%)は安定成長期に入ったフェーズの計画として十分達成可能であると、弊社では考えている。

3. 成長戦略・トピックス
同社は2024年7月期を初年度とし、2026年7月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表した。2026年7月期(最終年度)の売上高計画は17,500百万円、3年間の年平均成長率は15.6%とし、これまでよりも成長ペースを落とし、成長持続性を重視した。営業利益計画は最終年度に3,350百万円、3年間の年平均成長率は20.8%とし、利益の拡大ペースを上げ営業利益率で19.1%を目指す。中長期VISIONとしては、「現行事業のオーガニックな成長に加え、M&Aや成長投資により成長を加速させ、中長期的に時価総額1,000億円突破を目指す」とした。成長戦略の基本方針としては、中国ECの展開強化・成長推進に加え、さらなる事業・収益基盤の多様化に向け、日本国内及び第3市場(中国、日本以外の地域)への展開を強化することが主眼となる。そのための手段として、M&A・アライアンスも引き続き推進する。

4. 株主還元策
同社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識し、2023 年7月期より成長投資余力の確保と株主還元の両立を意識した経営を実践するため、継続的かつ安定的に配当を行うことを基本方針としている。この方針の下、原則として配当性向は30%前後を目安とする。2023年7月期は1株当たり14.0円とし、配当性向は27.0%となった。2024年7月期は1株当たり20.0円(第2四半期末10.0円、期末10.0円)、配当性向は30.7%を予想する。なお、同社は株主優待制度も実施しており、毎年7月末日時点で100株以上保有している株主に対し、保有株式数に応じた同社製品を贈呈している。

■Key Points
・2023年7月期の連結業績は売上高で100億円を突破、各利益でも過去最高を達成。主力の中国ECでは「Douyin」チャネル急拡大、国内売上は子会社連結とインバウンド回復が寄与
・成長持続性と収益性向上を目指す中期経営計画を発表。中国市場以外(日本国内及び第3市場)への展開も強化
・2023年7月期の配当は1株当たり14.0円、配当性向は30.7%

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SO》

 提供:フィスコ

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