貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4477 BASE

東証G
327円
前日比
+41
+14.34%
PTS
324円
23:22 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5,450 2.86 21.18
時価総額 378億円
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ユミルリンク Research Memo(3):メッセージングソリューションで顧客のデジタルマーケティングを支援(1)


■会社概要

1. 会社概要
ユミルリンク<4372>は、「価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す」という企業理念の下、1999年に創業した。事業領域は、スマートフォンの登場によって近年成長が著しいデジタルマーケティング市場となる。そのなかでも特に同社はメールマーケティングとSMSマーケティングの領域において、大規模・高速配信などの強みを持つ「CuenoteR FC」、国内キャリア直収型を強みとする「CuenoteR SMS」、顧客が作成したメールの大規模・高速配信に特化したサービスを提供する「CuenoteR SR-S」、Webアンケートシステム・フォームを簡単に作成することができる「CuenoteR Survey」を提供しているほか、災害時にメールやSMSなどで従業員の安否を確認する「CuenoteR 安否確認サービス」などのサービスも展開し、顧客のデジタルマーケティング及びDXを支援している。2022年5月には先述のとおり、本人確認機能を簡単に実装することができる「CuenoteR Auth」を新たに市場に投入した。顧客ニーズや市場環境を適切に把握し、不正転売などを防ぎたい顧客ニーズに対応した格好だ。顧客ニーズを的確に捉え、順調に業績を拡大して2021年9月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした(2022年4月より東証グロース市場)。

同社の強みの1つである「大規模なメールを高速、正確、効率的に配信すること」を可能にしている要因は、2002年にサイバーエージェント<4751>のグループ会社になったことが大きく関係している。ネット広告・メディア事業を展開する同社の下、メールの大規模・高速配信を可能にするための性能向上に注力してきた。こうした努力と経験が高速化に特化した設計思想と並列処理言語を使用した独自の送信プログラムを設計し、確実かつ効率的にメールやSMSを顧客に届けることを可能にしている。

2. 同社を取り巻く事業環境
インターネット、スマートフォン、企業のDX推進などによってデジタルマーケティングの重要性が増大し、同社が事業を行う市場は今後も拡大していくことが予想される。総務省の令和3年版情報通信白書では、D2C(ダイレクトトゥコンシューマー:自ら開設したウェブサイトなどを通じて消費者に直接商品やサービスを販売する方式)の拡大が言及されている。BASE<4477>が提供するネットショップ作成サービスにおける累計ショップ開設数は、2020年2月の90万店から2022年3月には170万店に膨らんだ。

上記の白書は主にコロナ禍のなかで生活者の行動がどう変化したかに焦点をあてたものではあるものの、コロナ禍が収束した後もデジタル化の流れが後退することはなさそうだ。同白書によると、回答者の28.4%が「コロナ禍収束後にもインターネットショッピングを利用したい」と回答している。また、情報通信機器(スマートフォンやPC)の世帯保有率は9割を超えており、今後もスマートフォンやPCを使ってオンラインショッピングなどの活動が行われることが予想される。

こういった時代の流れのなかで、メールマーケティングやSMSマーケティングに対する顧客のニーズも底堅く推移すると見て問題ないと弊社は考えている。同社を取り巻く事業環境の見通しは明るいと言えるだろう。

3. 事業内容
同社の事業領域は、スマートフォンの登場によって近年成長が著しいデジタルマーケティング市場だ。そのなかでも特にメールマーケティングとSMSマーケティングの領域において、大規模・高速配信などの強みを持つ「CuenoteR FC」、国内キャリア直収型を強みとする「CuenoteR SMS」、顧客が作成したメールの大規模・高速配信に特化したサービスを提供する「CuenoteR SR-S」、Webアンケートシステム・フォームを簡単に作成することができる「CuenoteR Survey」を提供しているほか、災害時にメールやSMSなどで従業員の安否を確認する「CuenoteR 安否確認サービス」も展開している。また、2022年5月には簡単にユーザー認証を行うことができる「CuenoteR Auth」を新たにリリースしている。これらのプロダクトによって、顧客のデジタルマーケティング活動及びDXを支援している。

ビジネスモデルに関しては、他のSaaS型ビジネスを展開している企業と同じくサブスクリプションモデル(顧客から月額利用料などの形で定期的に料金を徴収するモデル)を採用し、安定的に収益が上がる仕組みを構築している。組織面については、同社人員の20%強が営業人員として活躍している。電話営業や対面営業の形で同社のサービスを販売している状況だ。また、サービスを販売した後も充実したサポート体制や定期的なアンケートで顧客満足度の向上を図り、解約率の低減につなげている。具体的なサービスは以下のとおり。

(1) CuenoteR FC
見栄えの良いメールを簡単に作成したい、大量のメールを正確かつ高速に配信したい、メールマーケティングの効果やデータ分析を行いたいなどのニーズを持った顧客に対し同サービスを提供している。画像などの挿入を容易にし、デザイン性の高いメールを簡単に作成できる「HTMLメールエディター」、メールの効果を測定できる「ABテスト」、メールの開封率などを分析できる「開封・クリックカウント」などの機能を備える。

(2) CuenoteR SMS
国内キャリアとの直収方式により高い到達率を誇るSMS(ショートメッセージサービス)配信システム。携帯電話やスマートフォンの電話番号を利用して個人認証や自社サービスの販促情報などを送ることができる。国内全キャリアとの直接接続が実現する90%の高い開封率やメール配信で培った大規模・高速配信技術の活用などを武器に積極的に事業を展開している。

(3) CuenoteR SR-S
大規模・高速配信を可能にするメールリレーサーバー。顧客が作成したメールを高速かつ効率的に配信することに特化したサービスを提供している。

(4) CuenoteR Survey
プログラミングの知識がなくともデザイン性の高いアンケートを簡単に作成できるクラウドサービス。設問形式をマトリックス機能(縦と横、2つの軸を持つ表タイプの質問形式)をはじめとする複数タイプから選択できたり、ドラッグアンドドロップで設問順を変更できたりするなど、簡単な操作で質の高いアンケートフォームを作成できる点が魅力だ。また、同社の他のサービス(「CuenoteR FC」など)と組み合わせた利用もでき、例えば、メールにアンケートを添付して送信するなどの使用法が考えられる。

(5) CuenoteR 安否確認サービス
自然災害などの発生時における社員の安否確認、災害情報の発信など、企業の事業継続計画(BCP)を支援するサービスを提供している。2022年4月には従来のメールによる安否確認に加えて、SMSを利用した安否確認への対応も開始した。これにより、顧客企業はメール・SMSの複数手段を利用したより確実な安否確認を実施することが可能になる。

(6) CuenoteR Auth
SMSとIVR(Interactive Voice Response:コンピューターによる音声自動応答システム)を利用したセキュアなユーザー認証をAPI連携で簡単に実装できるサービスを提供している。同サービスを導入することによって顧客は自社でシステムの開発を行うことなく、「確認コードの生成」「SMS・IVRによる確認コードの通知」「認証画面の表示及び認証処理」「認証結果の取得」など一連のプロセスを簡単に実行できるようになる。脆弱性診断をはじめとする高いセキュリティ体制、開発が容易なAPIの採用といった特徴も有している。今後はSMS・IVRによる認証に加えて、メールなど対応可能なチャネルを順次拡充していく方針だ。ECの普及によって顕在化してきた不正転売防止のニーズに対応したものであり、今後の成長が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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