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4386 SIGグループ

東証S
485円
前日比
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.5 1.41 2.89
時価総額 28.8億円
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決算発表予定日

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SIGG Research Memo(1):「社会を変革するITイノベータ」を目指す独立系システムインテグレーター


■要約

SIGグループ<4386>(旧SIGが2021年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)は「社会を変革するITイノベータ」を目指す独立系システムインテグレーターである。

1. システム開発事業とインフラ・セキュリティサービス事業を展開
システム開発(システム企画提案・開発・構築・運用までの総合的なサービスを提供)と、インフラ・セキュリティサービス(ITインフラソリューションとセキュリティサービスを一元的に提供)を展開している。売上高構成比は概ねシステム開発事業が8割弱、インフラ・セキュリティサービス事業が2割強で推移しているが、インフラ・セキュリティサービス事業の売上高構成比が上昇傾向である。顧客は大手企業が中心である。システム開発事業では地方自治体や電力会社などへの基幹システム系の導入実績が多数あり、創業以来30年の積み重ねで幅広い業種・業態の導入ノウハウを蓄積している。顧客のシステムニーズに応える技術と実績をベースとして、幅広い業種・業態にソリューション提供できることを特徴・強みとしている。

2. 2023年3月期は増収増益で着地
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.2%増の5,418百万円、営業利益が同3.6%増の391百万円、経常利益が同16.8%増の457百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.1%増の301百万円だった。売上面では、需要が高水準に推移したことに加え、単価アップや高利益率案件へのシフトに注力したことも奏功して、システム開発事業、インフラ・セキュリティサービス事業とも好調に推移した。営業利益は、コロナ禍における労働環境の改善のためのオフィス増床や人件費の増加などがマイナス要因だったが、増収効果で小幅ながら増益を確保した。経常利益と親会社株主帰属当期純利益は、営業外収益で持分法投資利益が増加して2桁増益だった。事業別の売上高はシステム開発事業が同7.2%増の3,994百万円、インフラ・セキュリティサービス事業が同19.5%増の1,423百万円だった。

3. 2024年3月期はのれん償却などで減益予想だが保守的
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比20.0%増の6,500百万円、営業利益が同19.6%減の315百万円、経常利益が同21.3%減の360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.1%減の220百万円としている。売上面はシステム開発事業、インフラ・セキュリティサービス事業とも好調に推移し、子会社化した(株)アクト・インフォメーション・サービスも寄与して大幅増収(事業別売上高の計画はシステム開発事業が同21.3%増の4,840百万円、インフラ・セキュリティサービス事業が同16.8%増の1,660百万円)だが、利益面は人事評価制度改正に伴う人件費の増加、M&Aに伴うのれん償却額の増加、管理コストの増加などの影響で減益予想としている。ただしEBITDA(=営業利益+のれん償却額+減価償却費)は同1.4%減の438百万円と、微減益にとどまる予想としている。全体として会社予想は保守的な印象が強く、増収効果や生産性向上効果などに加えて、アクト・インフォメーション・サービスの連結効果なども勘案すれば、会社予想に上振れの可能性があるだろうと弊社では考えている。

4. 長期ビジョン達成に向けて当面はM&Aを活用した体制構築・規模拡大を優先
長期ビジョンでは「ありたい姿」として、企業のビジネス変革(DX)を支援し、企業の外部CIO(Chief Information Officer=情報システム責任者)として成長に貢献するITトータルソリューションカンパニーを掲げている。長期ビジョンの達成に向けたロードマップとしては、2024年3月期までを大量のDX案件へ対応できる体制構築を目指す第1フェーズ、2027年3月期までをITトータルソリューションカンパニーへの飛躍を目指す第2フェーズ、そして2030年3月期までを企業の外部CIOとして企業成長に貢献することを目指す第3フェーズと位置付けている。なお上述の2024年3月期連結業績予想の売上高は6,500百万円、営業利益は315百万円であり、第1フェーズの目標値に対して売上高は超過達成、営業利益は未達の見込みとなっている。当面はM&Aを活用した体制構築や規模拡大を優先させる方針だ。

5. アナリストの視点
同社は、第1フェーズの目標は既存事業のオーガニック成長とM&Aへの取り組みにより達成可能見込 、第2フェーズと第3フェーズの目標達成に向けてはM&A戦略を積極推進する方針としており、2020年10月に(株)アクロホールディングスを持分法適用関連会社とし、2022年4月に(株)Y.C.O.を完全子会社化、2023年3月にアクト・インフォーメーション・サービスを完全子会社化するなどM&A・アライアンス戦略を活発化させている。そしてY.C.O.のソリューションに、(株)SIGの技術力やアクロホールディングスの対応力を融合し、新たな顧客への展開を目指す方針なども打ち出している。当面はM&Aに伴うのれん償却が利益圧迫要因となるが、市場環境は良好であり、中長期的にはソリューション力のさらなる向上などM&Aによるシナジー効果が期待できるだろう。2030年3月期に売上高300億円を目指す意欲的な長期ビジョンの達成に向け、戦略を着実に推進することによって成長ポテンシャルは大きいだろうと弊社では評価している。

■Key Points
・独立系のシステムインテグレーターで幅広い業種・業態にソリューション提供できることが強み
・2023年3月期は増収増益で着地
・2024年3月期はのれん償却などで減益予想だが保守的
・当面はM&Aを活用した体制構築や規模拡大を優先
・市場環境は良好であり、M&A効果で成長ポテンシャルは大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《AS》

 提供:フィスコ

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