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4372 ユミルリンク

東証G
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ユミルリンク Research Memo(5):2023年12月期第2四半期も主力のメールサービスがけん引


■業績動向

1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
ユミルリンク<4372>の2023年12月期第2四半期の業績は売上高が前年同期比2.9%増の1,132百万円(うちストック売上が1,107百万円、スポット売上が24百万円)、営業利益が同11.4%増の269百万円、経常利益が同11.3%増の269百万円、四半期純利益が同11.4%増の186百万円となり、売上高・営業利益ともに上期として過去最高業績を更新した。営業利益は、収益性の高いサブスクリプションサービスの売上が順調に積み上がり、売上高の伸びを上回った。

サービス別では、主力の「Cuenote(R) FC」が好調を維持し、売上高は前年同期比9.1%増の972百万円となった。DX・オンラインシフトやアフターコロナ、DXの推進をはじめとする外部環境の追い風により、高可用性への評価から金融・電力、高い配信性能への評価からメディア・人材サービスなど、同社がメインターゲットとするエンタープライズ企業への新規導入が進んだ。デジタルマーケティングの普及に加えて、アフターコロナを前提とした経済・社会活動へと状況が変化していくなかで、メッセージ送信数が順調に増加基調を辿り、過去最高を記録したことも業績の拡大に寄与した(2023年3月は76億通、2023年6月は72億通)。また月次解約率を前年同期比0.01%減の0.43%と引き続き低く抑えた。これにより、契約当たりの平均利用額は前年同期比2.5%増の94千円、2023年12月期第2四半期末時点のMRRは前年同期比末9.5%増の161百万円、第2四半期単独のストック売上は同9.5%増の479百万円とそれぞれの指標が順調に拡大した。なお、SaaSビジネスの多くは顧客から月額利用料を徴収するサブスクリプションモデルを採る。送信数などにより料金プランが数パターンあり、Eコマースやデジタルマーケティングが普及するなかで、高価格帯の料金プランに移行する傾向にある。

「Cuenote(R) SMS」「Cuenote(R) Auth」は、SMSの有用性が市場に認識されたことでニーズが好調に推移したものの、特定顧客の配信減少などの影響により売上高は前年同期比27.7%減の130百万円となった。特定顧客の配信減少により、2023年12月期第2四半期の契約当たりの平均利用額は前年同期比53.3%減の92千円、2023年12月期第2四半期末時点のMRRは同60.6%減の24百万円、第2四半期単独のストック売上は同35.1%減の68百万円となった。ただ、特定顧客以外の一般顧客のストック売上(第2四半期単独)は、前年同四半期比43.9%増となった。デジタルコンテンツやIP(知財)保有企業、ネットバンキングなどの認証利用が増加したことが寄与した。特定顧客以外の新規顧客が足元では順調に拡大している。行政・自治体向け「Cuenote(R) SMS for LGWAN」、双方向SMSにおける送信者番号共通化への対応、Webhook機能の追加など、新規サービス・機能を順調にリリースしており、下期から2024年12月期の業績に寄与してくることが見込まれる。なお同社は特定顧客に過度に依存しすぎることをリスク要因として認識しており、引き続き顧客基盤の分散化を図る。

期初の業績予想に対する進捗率は、売上高で47.2%、営業利益で46.9%、経常利益で46.9%、当期純利益で46.9%となった。SMSが想定よりも進捗が遅れたものの、メールサービスが想定を若干上回る進捗となったことを受け、連結ベースの業績としてはおおむね想定どおりの進捗を見せている。

同社は、新たに非代替性トークン(NFT)、ウェブ3.0分野で事業を展開する米国LEVVELS Inc.にSMS配信サービスが導入された事例を公開した。LEVVELSは、仮想通貨取引所を運営する韓国Dunamu & Partners Inc.と、K-popアーティストが所属するHYBEの合弁会社として2022年1月に設立された。グローバルにビジネスを展開するなかでビジネス拡大の足がかりとして「Cuenote(R) SMS」の導入を決定したと言う。LEVVELSはHYBEに所属するK-POPアーティストを活用し、NFTの技術を用いた商品の開発・販売を行う「MOMENTICA」を運営している。コスト削減や既存システムとのシームレスな連携が可能な技術力を主因に、海外との取引実績や契約や法務など、複数の要件を同社が満たしたためだ。上記のように特定顧客以外にも新規顧客は順調に拡大しており、同社は今後も「Cuenote(R) SMS」の新規顧客獲得に注力する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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