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4245 ダイキアクシス

東証S
705円
前日比
-19
-2.62%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.5 0.99 3.40 41.38
時価総額 96.4億円
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決算発表予定日

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ダイキアクシス Research Memo(4):家庭用浄化槽ではパイオニア的存在


■会社概要

a)環境機器関連事業
環境機器関連事業は、合成樹脂製浄化槽の製造・販売からコンクリート製の大型排水処理施設の設計・施工・維持管理を手掛ける。個人住宅のし尿・生活排水から産業排水、地域集落排水の処理をカバーし、多岐にわたる用途に対応している。排水処理関連機器だけでなく、地下水の飲料化の上水事業、使用した上水を再利用する中水事業にもかかわっている。同事業の売上高構成は、販売が約2割、設計・施工が約5割、メンテナンス等が3割弱となっている。子会社4社と協業して、メンテナンスサービス体制を構築している。

○家庭用浄化槽ではパイオニア的存在、大手ハウスメーカーが採用
ダイキアクシス<4245>は、1964年から浄化槽の開発を始めた。1976年に、業界で初めてFRP(繊維強化プラスチック)製浄化槽のJIS認定工場になるなどパイオニア的な存在である。2006年6月には、ISO90001の認定を取得し、品質管理体制も強化している。2014年1月に、公益財団法人・日本環境協会エコマーク事務局が主催する“エコマークアワード2013”で、同社製品の「XE型浄化槽」は業務提携している大栄産業(株)製品と「プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を共同受賞した。浄化槽では、エコマーク第1号となった。

受賞した家庭用合併浄化槽(5人用)の「XE型浄化槽」は、自動車1台分の大きさに収まる超コンパクト設計で、素材にはプラスチックの中でも比重が軽く、リサイクルが可能なポリプロピレンを用いた。ブロワの必要風量もわずかで、クラス最小の消費電力を実現した。環境省の定める省エネ基準のマイナス46%を達成するなど、環境性能や先進性に優れる。従来品に比べ総容量を約85%までに削減したことで、軽トラックでの運搬も可能になり、掘削土量も抑えられることから、現場の作業軽減とコスト削減に貢献する。また、メンテナンス作業を容易にする設計となっている。

同製品は、大手ハウスメーカーが採用。また、ケニアやオマーンなどから引き合いが寄せられ、輸出実績もできた。「XE型浄化槽」のヒットにより工場の稼働率も上がり、収益性の改善に寄与した。

○稼ぎ頭の排水処理システムではメンテナンスを含む一貫体制が強み
家庭用合併処理浄化槽が環境機器関連事業の売上構成比で約1割であるのに対し、マンション、地域集落、食品加工工場、病院、電機、メッキ加工工場の排水処理を行う排水処理システムは6割を占める。

同社の強みは、排水処理施設に関する設計、製造、施工、販売、メンテナンスの一貫体制をとっていることにある。メンテナンス業務により顧客との継続的なコンタクトが可能になり、改修・増設工事の受注にも結び付く。また、現場で収集したユーザーニーズを、研究開発にフィードバックしている。メンテナンスは、専属部門が24時間監視やスポット対応など顧客ニーズに合わせたサービスを提供できるよう体制を整えている。自社グループが設計・施工したものはもとより、他社の手掛けた設備・施設でも対応する。2014年12月期のメンテナンス収入は、前期比3.3%増の3,606百万円、環境機器関連事業売上高の23.6%を占めた。

○業務提携により物流などの効率化を図る
環境機器関連事業の営業網は、北は北海道から南は鹿児島までの全国主要都市をカバーしている。生産は、愛媛県の松山工場や津島工場、信州工場(長野県)、福島工場(福島県)の4ヶ所で行われ、納品先に近い工場から出荷される。加えて、2008年に業務提携した大栄産業(本社:愛知県知多郡美浜町)のネットワークを活用し、運用の効率化を図っている。大栄産業は、生産拠点を愛知県(2ヶ所)、北海道、大分県、鹿児島県の5ヶ所に持つ。両社は、相手先ブランドで製造し、製品を相互供給することで、お互いの販売先に近い生産拠点から出荷する仕組みを構築し、物流コストを削減している。

同社は、松山本社と東京本社の二本社体制とし、松山本社に西日本営業本部と関西営業本部、東京本社に東日本営業本部を配し、5つの支店(東北、高松、広島、高知、福岡)、14の営業所(福島、埼玉、茨城、千葉、長野、静岡、名古屋、岡山、山口、徳島、東予、今治、熊本、鹿児島)及び出張所・事務所より構成されている。

生産体制としては、見込生産、受注生産および受注組立の生産形態となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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