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3967 エルテス

東証G
787円
前日比
-2
-0.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
31.7 1.86
時価総額 47.8億円
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エルテス Research Memo(1):2018年2月期は増収ながら先行投資の影響により減益決算


■要約

エルテス<3967>は、「リスクを解決する社会インフラの創出」をミッションに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを展開している。主力の「ソーシャルリスク関連サービス」は、SNSやブログ、検索サイトなどWeb上の様々なメディアに起因するリスクに対するソリューションを提供するものである。インターネットの普及やデジタルデバイスの進化により、利便性の向上と引き換えに様々なリスク(不適切な投稿等に伴う風評やネット炎上等)が顕在化するなか、ソーシャルメディアの監視から緊急対応、その後の対応まで、顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより高成長を実現。最近では、情報漏えいなどを検知する「内部脅威検知サービス」への展開などにより、新たな成長軸も立ち上がってきた。

データ解析技術とコンサルティング力に強みがあり、有力ブランドを持つ大手企業を中心に累計650社を超える導入実績を誇る。また、2017年8月には戦略子会社を設立し、需要拡大が予想されている「イベント安全サービス」の本格展開に向けた体制構築に着手するなど、いよいよ今後の事業拡大に向けた体制や道筋が具体的な形になってきた。

1. 2018年2月期決算の概要
連結決算へと移行した2018年2月期の業績は、売上高が前期(単体)比16.6%増の1,608百万円、営業利益が同60.9%減の71百万円と増収ながら新規事業への先行投資の影響等により減益となった。売上高は、主力の「ソーシャルリスク関連サービス」のうち注力する「ソーシャルリスクモニタリングサービス」が既存顧客からの継続受注と新規顧客からの受注により大きく伸びた。また、新規事業である「内部脅威検知サービス」についても、ログ管理ソフト会社とのアライアンス効果等により、まだ小規模ながら順調に立ち上がってきた。ただ、更なる成長に向けた営業組織体制変更により、一時的に営業活動が停滞したことで売上高は計画に届かなかった。一方、損益面では、成長継続のための新規事業投資や規模拡大に向けた経営基盤構築(会計システム、オフィス移転等)により営業減益となった(ただし、先行費用は想定内)。したがって、試行錯誤の1年となった前期実績を総括すれば、定量面では伸び悩んだものの、定性面では新規事業の進捗などで一定の成果を残したと言える。

2. 2019年2月期の業績予想
2019年2月期の連結業績予想(修正後※)について同社は、売上高を前期比11.9%増の1,800百万円、営業利益を同39.5%増の100百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「ソーシャルリスクモニタリングサービス」による顧客数の積み上げや単価向上が増収に寄与する見通しである。また、順調に立ち上がってきた「内部脅威検知サービス」についても、データソースの拡充やユーザビリティの向上等により需要拡大に対応していく計画である。損益面では、新規事業への先行費用が継続するものの、増収により増益を確保するとともに、営業利益率も5.6%(前期は4.5%)に改善する見通しである。

※2018年7月12日付で親会社株主に帰属する当期純利益を期初予想の60百万円から40百万円に減額修正している。


なお、2019年2月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期(単体)比7.7%増の411百万円、営業利益が17百万円(前年同期は8百万円の損失)と増収増益となった。投資先企業に対する減損(投資有価証券評価損)を特別損失に計上したが、その部分を除けば、順調な滑り出しと評価しても良いだろう。

3. 成長戦略
今後も、IoTやブロックチェーン、仮想通貨、自動運転など、新しいテクノロジーが出るたびに、新たなデジタルリスクの発生が予想されるが、それらのデジタルリスクに対応する形で事業領域の拡張を目指す方向性である。すなわち、あらゆるデータの形態を選ばずに収集し、独自のリスク分析アルゴリズムをベースに各ソリューションを提供する「Eltes Data Intelligence構想」を掲げている。加えて、デジタルリスクから派生する新たな社会課題(テロ対策、電子政府化、金融犯罪等)の解決にも貢献していく方針である。

弊社では、デジタル化の進展に伴う新たなリスク対策ニーズの拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会的リスクの高まりなど外部環境が一段と追い風となるなかで、他社に先行して優位性を構築してきた同社にとって、中長期的にも高い成長率を維持していくことは可能であるとみている。新規事業の進捗を含め、今後の具体的なソリューション実績や案件の広がりをフォローするとともに、他社との連携やM&Aなど外部リソースの活用にも注目したい。

■Key Points
・2018年2月期は増収ながら新規事業への先行投資により減益決算
・「内部脅威検知サービス」など新規事業の進捗には一定の成果
・2019年2月期は引き続き顧客数の積み上げや単価向上などにより増収増益を見込む
・今後も、テクノロジーの発展に伴う様々なデジタルリスクに対応する形で事業領域の拡張を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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