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3726 フォーシーズHD

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フォーシーズ Research Memo(4):第1四半期は減収となるも、インバウンドの復活により卸売事業が伸長傾向


■業績動向

1. 2023年9月期第1四半期の業績概要
フォーシーズHD<3726>の2023年9月期第1四半期の連結業績は、売上高463百万円(前年同期比29.0%減)、営業損失71百万円(前年同期は53百万円の損失)、経常損失70百万円(同52百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失72百万円(同48百万円の損失)となった。各セグメントの営業スタイル特性に合わせた施策を推進した結果、通販事業及び卸売事業はセグメント利益を確保、衛生コンサルティング事業はセグメント損失を計上したものの予測どおりの着地となった。一方、リテール事業は予測を大幅に上回るセグメント損失を計上した。上場維持費等の管理部門経費は、合併及びセグメント変更により人権費が増加し前年同期より拡大しているものの、コスト削減等の効果もあり予測より改善した。

2. セグメント別概要
各セグメントに共通する商品販売部門を含めた管理部門では、コンセプトにマッチした商品開発のスピード化や原価の低いOEM商品の開発、コスト削減プロジェクトを推進している。2023年9月期第1四半期のブランド別の商品開発実績としては、「フェヴリナ」で1商品、「Aroma Bloom」で8商品を新たに展開した。原価率改善のため、特に「Aroma Bloom」ブランドのOEM商品の開発に注力しており、開発した商品は通販事業、卸売事業、リテール事業それぞれで展開している。コスト削減としては、通販事業を中心に受注・配送・在庫の管理業務を担うフルフィルメント課で、RPAツール「BizRobo!」を導入した。自社EC及びモール出店の売上集計や売上以外で生じた在庫変動の随時反映など7つの業務を自動化し、課内の従業員1人当たりの時間外労働を50%削減した。

セグメント別の概要は以下のとおりである。

(1) 通販事業
売上高は153百万円(前年同期比26.6%減)、セグメント利益は39百万円(同4.6%減)となった。2022年9月期に引き続きWeb広告への過剰投資を抑制し、CPAの改善施策を推進しているため、新規顧客の獲得が伸び悩んだ。一方、施策の効果によりセグメント利益率は前年同期の19.8%から25.7%に改善した。トピックスとしては、コールセンター市場の需要の高まりを背景に、2022年12月よりアウトバウンドの架電代行サービスを開始した。同社のコールセンター部門は10年以上勤務する社員が多く在籍しており、スキンケア商材の売上が月400万円以上となるなど、高い営業力を有する。電話オペレーターの強力な営業力を最大限に活用することで、同事業の拡大を目指す。

(2) 卸売事業
売上高は89百万円(前年同期比24.7%減)、セグメント利益は17百万円(同186.2%増)となった。SNSによる認知、プロモーション活動が売上拡大に寄与したことに加え、インバウンドの復活によりドラッグストア等での国内売上が伸長傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が残り海外展開の進捗が計画より遅れたことなどにより、前年同期比では減収となった。ただし、SNSによる認知、プロモーション活動による売上拡大が寄与し、セグメント利益は大幅な増益となった。トピックスとしては、「ヨドバシ・ドット・コム」で同社全ブランドの取り扱いを開始した。

(3) リテール事業
売上高は202百万円(前年同期比34.5%減)、セグメント損失は23百万円(前年同期は2百万円の損失)となった。また、2022年9月期より収益性の低い店舗の計画的な閉店を行った結果、「Aroma Bloom」店舗は10店舗閉店し、関東を中心に27店舗(2022年12月末時点)となった。利益面では、減収に加え販管費(主にバックオフィスの人件費)の縮小が進まず、損失幅が拡大した。トピックスとしては、2022年11月に新コンセプトショップ「ららぽーと海老名店」をオープンした。「エイジング」「ウォーム」「バリア」「バランス」「リラックス8スリープ」にエリアを分け、テーマごとにアイテムを展開している。また、原価率改善のため、秋冬に向け「温活」をテーマとしたOEM商品(ハーブティー、バスソルト、ボディオイル、ボディクリーム)を新発売した。このほかにも、ワークショップの開催などのイベントを積極的に行っている。これらの施策により原価率は改善し、客単価も向上している。

(4) 衛生コンサルティング事業
売上高は18百万円(前年同期比32.0%増)、セグメント損失は5百万円(前年同期は14百万円の損失)となった。空間除菌デバイス販売で順調に売上が伸び、大幅な増収となった。経済産業省が推進する「IT導入補助金2022」で「IT導入支援事業者」に採択され、認知度が上がったことも売上拡大に寄与した。利益体制も改善しており、損失幅は縮小した。

3. 財務状況
2023年9月期第1四半期末の資産合計は、前期末比42百万円減の1,411百万円となった。流動資産は同45百万円減の1,130百万円となったが、主に商品及び製品が82百万円増加した一方で、現金及び預金が146百万円減少したことによる。

固定資産は同3百万円増の281百万円となったが、主に有形固定資産が9百万円、投資その他の資産が2百万円それぞれ増加した一方で、無形固定資産が8百万円減少したことによる。有形固定資産の増加は、2022年11月にオープンした新コンセプトショップ「ららぽーと海老名店」に関連したものである。負債合計は同7百万円増の1,007百万円となった。流動負債は同42百万円増の747百万円となったが、主に買掛金が64百万円、ポイント引当金が2百万円それぞれ増加したことによる。固定負債は同34百万円減の260百万円となったが、主に長期借入金が29百万円、繰延税金負債が2百万円、資産除去債務が4百万円それぞれ減少したことによる。純資産合計は同49百万円減の404百万円となった。この結果、自己資本比率は28.2%(前期末は30.9%)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

《NS》

 提供:フィスコ

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