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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3680 ホットリンク

東証G
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ホットリンク Research Memo(5):新サービスの開発や事業拡大に向けた先行投資により、成長スピードは加速


■今後の見通し

1. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比25.0%増の3,229百万円、営業利益が同33.0%減の84百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同79.1%減の29百万円と増収減益を見込んでいる。クロスバウンドサービス事業に対する旺盛なニーズに対応すべく、営業体制の強化を進めていくほか、SaaSサービスにおける新製品開発費用など戦略的投資を積極的に行うため、営業利益は一旦減益に転じるものの、売上成長スピードは加速する見通しだ。とりわけ、クロスバウンドサービス事業では中国市場をターゲットとした消費財メーカーからのプロモーション支援ニーズが拡大しており、前期比で3倍超の売上成長が見込まれる。売上総利益率が前期の46.9%から41.6%へ低下するが、これは昨今のソーシャルメディアデータの価値向上に伴う仕入原価の上昇を織り込んだことが主因となっている。為替前提レートは105円/ドルと前期の113円/ドルから円高水準で見ている。

2. 事業別売上見通し
(1) SaaSサービス
SaaSサービス事業は前期比横ばい水準を見込んでいる。ソーシャル・ビッグデータを経営に活用する企業が大企業から中堅企業まで広がりを見せ始めており、「クチコミ@係長」の契約件数は増加が見込まれる。一方で、着メロ・着うたサービスの減収やレコナイズのサービス停止による減収となる見通しだ。なお、ソーシャルリスクモニタリングツールの「e-mining」については、現在、AI技術を活用した新製品の開発を進めており、同製品のリリース時期次第では売上げの上積みが期待される。AI技術によりネット上での炎上を未然に防ぐコンサルティングサービスを自動化するサービスとなる。従来は、ソーシャルメディアに書き込まれる口コミ情報を人海戦術によってモニタリングしていた。既に、試験版の導入が2018年に入って始まっており、今後の運用状況をみながら製品としての完成度を高めていく。

Instagramを活用したソーシャルメディア運用支援ツール「BuzzSpreader」については、TwitterやFacebookなど主要SNSにも連携先を広げ、分析・運用・広告管理・投稿管理といったソーシャルマーケティングに必要な機能を一気通貫で提供するソーシャルメディア総合運用支援ツールへと進化させるべく開発に着手しており、一旦、サービスを停止している。同製品が開発できればSNSを使った販促支援の効果が一段と強化されるほか、グローバルに拡販できることになり、期待は大きい。製品の完成時期としては2020-2021年頃を目標としている。

また、2017年12月より配信を開始した「CutChaTV」は、1件当たり約30百万円のサービスとなるためターゲット顧客は大企業が中心となる。第1弾として、日清フーズ(株)の早ゆでパスタの認知度向上を狙ったSNSドラマを(株)BS-TBSと共同制作し、TwittterやFacebookで配信した。累計視聴回数は第6話終了時点(全13話)で470万回を突破しており、一定の認知度向上効果は得られたものと見られる。現在、新たに複数社と交渉中で受注が決まれば売上げに貢献する見通しだ。

ホットリンク<3680>では新サービス等の開発強化を進めていく予定で、現在約30名の開発人員を今後1~2年で10~20名増員していく方針となっている。

(2) ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業では、Effyisの業績が105円/ドル前提でも前期比2ケタ増収増益と引き続き好調に推移する見込みとなっている。ソーシャル・ビッグデータの取扱量が既存顧客で年々増加しているだけでなく、新規顧客も増加していること、また、当第1四半期においても新たにグローバル規模での大手SNS企業1社とデータアクセス権契約を締結したことが増収増益要因となる。今回の契約によって、ほぼ全世界のSNSユーザーをカバーしたことになり、ソーシャル・ビッグデータの流通企業として盤石の基盤を確立したと言える。営業利益率は2017年12月期で11%となっており、今後も同社の業績をけん引する事業の1つとして注目される。

(3) クロスバウンドサービス事業
クロスバウンドサービス事業の売上高は前期比3倍以上の伸びを見込んでいる。特に、「トレンドPR」や「トレンドEKKYO」といった中国向けプロモーション支援サービスの成長が期待できる。前述したように、「トレンドPR」では2017年のサービス開始以降、20件程度の案件を手掛けてきたが、いずれもプロモーション効果が発揮され、顧客企業の商品の売上増に貢献しており、リピート受注につながっている。

同社ではこうした成功事例と活発なニーズを受けて、新たに中国向け越境ECに取り組む、あるいは今後取り組む企業に対してプロモーション支援と合わせて、EC販売支援やカスタマーサポート、物流サポートまで含めたトータルソリューションサービス「トレンドEKKYO」のサービスを2017年12月より開始した。中国の大手マーケットプレイスに店舗を出店するだけで、販売を伸ばすのは簡単なことではなく、ユーザーへの認知度と消費意欲を高めるための適確なプロモーション施策が重要であり、ソーシャル・ビッグデータの収集・分析力で他の追随を許さない同社の強みとなっている。同サービスではECモール外で商品の認知度を高め、ECモール内ではLIVE配信による集客支援を実施、モール内の人気店舗で商品を取り扱うことで販売増につなげていく流れとなる。

サービス料金はその内容でだが、500万円から対応可能となっている。なお、「トレンドPR」はPDCA1回で固定料金だったが、「トレンドEKKYO」では販売実績に応じた手数料収入も入り、ヒット商品等が生まれれば業績面でプラス貢献してくるため期待度は大きい。日本から中国への越境EC市場は2016年の1兆366億円から2020年には1兆9,053億円と年率16%成長が見込まれている。中国でのプロモーション支援サービスで高い実績を積み上げ始めた同社の成長余地も大きいと弊社では見ている。

なお、トレンドExpressでは現在、5名体制で営業活動を行っているが、需要に対して人的リソースが圧倒的に不足しており、2018年中に20名体制まで増強したい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MW》

 提供:フィスコ

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