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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3480 ジェイ・エス・ビー

東証P
2,816円
前日比
+148
+5.55%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.4 1.83 2.17 6.48
時価総額 614億円

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ジェイ・エス・ビー Research Memo(8):強固な経営基盤を構築し、次期ステージの発展につなげる(2)


■中長期の成長戦略

2. 成長戦略
(1) 不動産賃貸管理事業
ジェイ・エス・ビー<3480>では、上記の経営目標を達成するための成長戦略として、まず不動産賃貸管理事業においては、学生マンションの収益力向上を目指して以下の3点を実施する。

第1に、戸数増加とともに利益重視を目指す。すなわち、地域別・物件のグレード別の募集賃料見直しなどによる既存物件の利益率向上や、競争力の高い新規物件開発による管理戸数増加、土地・収益物件への積極投資などを行う。この計画について、2020年10月期第2四半期時点での同社による進捗評価(A~E)はAと、おおむね計画どおりに推移している。

特に、自社物件開発では、戦略的エリアで独自のノウハウを投入した新規物件開発が可能であり、売却・投資回収後の借上転化によって競争力の高い借上物件が増加することになる。最近の自社開発事例としては、2020年3月運営開始の学生会館Uni E'meal 徳島住吉は、徳島大学、徳島文理大学、四国大学に近接し、家具・家電、食事付き、インターネット・Wi-Fi環境完備でオートロック・防犯カメラ等セキュリティ設備も充実し、全138室である。また、同じく2020年2月運営開始の学生会館Uni E'meal 金沢工大前 Part2も同様の設備を有し、金沢工業大学(扇が丘キャンパス)、金沢工業大学大学院、石川県立大学などが近接し、全99室である。

さらに、高付加価値の学生マンション展開では、リニューアルによる物件開発として学生会館8flag(エイトフラッグ)(宮城県仙台市)や学生会館Uni E?mealつくば春日(茨城)、新地域への展開として 学生会館 ディークレスト秋田駅前などの事例がある。

加えて、2019年8月に子会社化した東京学生ライフグループ3社(東京学生ライフ、湘南学生ライフ、ケイエルディ)は、主に学生を対象とした賃貸マンションの管理・運営を主力事業として、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の首都圏地区を中心に約1,500戸を管理・運営している。同社では、未出店エリアへの事業拡大や未提携の教育機関との関係構築等のシナジー効果を期待している。

第2に、自社学生マンションブランドの差別化及びサービス品質の向上を図る。すなわち、食育・健康の観点から健全な食生活をサポートする食事付きマンションの開発や、留学生をターゲットとするビジネスモデルの確立を目指す。この計画についても、同社の進捗評価はAと順調である。

サービス品質を向上させた新規物件開発としては、大学との連携による展開となる、2020年1月運営開始の学生会館Campus terrace Waseda(東京)で、同社では初の早稲田大学推薦の学生寮となる。早稲田キャンパス、戸山キャンパス、西早稲田キャンパスに近接し、インターネット・Wi-Fi環境完備、オートロック・防犯カメラ等、設備やセキュリティも充実し、全82室である。RA(レジデント・アシスタント)を導入し、日本人学生や外国人留学生向けに、入居者交流行事の運営や生活相談、生活指導を行っている。また大手デベロッパーとの連携としては、住友商事<8053>との協業による学生会館classy BASE経堂(東京)、三菱地所レジデンス(株)との協業によるSKY GRANDE多摩センター駅前(東京)、三井不動産レジデンシャル(株)との協業による学生会館Campus terrace Kindaimae(大阪)などの事例がある。

さらに、ブランド差別化として、学生サポートの拡充に注力する。具体的には、就職支援セミナーの開催や食生活サポートの一環として菜園プロジェクトを実施している。また2020年7月にはスタイルガーデンを傘下に収め、ビジネススクール、インターンシップ、キャリア支援を通じて、入居学生を中心にスキルアップの機会を提供する計画だ。さらに、留学生をターゲットとするビジネス拡充では、2018年11月には中国のUhomesとの業務提携を行い、中国人留学生に対する学生マンション紹介事業としては、学生マンション業界における日本企業初の業務提携となった。留学生向けマンションの地域・コミュニティづくりへの貢献としては、2020年2月に運営開始したロイヤル周船寺南(福岡県福岡市)では、外国人留学生と日本人学生が入居する混在型シェアハウスであり、入居者間の交流や留学生との国際交流をコンセプトとしている。

またJR東日本グループと取り組む国際シェアハウス事業「シェアリエットS東小金井(東京)」は、外国人留学生と日本人学生が入居する混在型シェアハウスであり、流しそうめん大会や新春餅つき大会等の交流イベントを実施し、またウェルカムBBQには近隣住民も参加するなど、地域・コミュニティづくりにも貢献している。これらの活動が評価されて、(公財)日本デザイン振興会が運営する2019年グッドデザイン賞「地域・コミュニティづくり」部門賞を受賞した。こうした事例を、社内のノウハウとして共有していると言えるだろう。

第3に、企画開発・賃貸営業・メンテナンス各部門の一層の連携を行う。すなわち、メンテナンス事業の営業強化とともに、賃貸営業部門・メンテナンス部門と協力した案件情報収集・営業強化を推進する考えだ。同社による進捗評価はBであり、三位一体による物件企画開発や仲介責任・管理責任による24時間365日の入居者アフターサービスを継続課題として認識している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《EY》

 提供:フィスコ

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