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2928 RIZAPグループ

札証A
408円
前日比
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PTS対象外銘柄
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.25 520
時価総額 2,269億円
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RIZAP-G Research Memo(1):chocoZAP事業に戦略投資する中計が進行中


■要約

RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の経営理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業 66社を擁するまでに成長した。同社を率いるのは、創業者で現 代表取締役の瀬戸健(せとたけし)氏である。株式上場の契機となった商品「豆乳クッキーダイエット」、2011年の自身のダイエット成功体験から着想したボディメイクの「RIZAP」「どろあわわ」「美顔器」などヒット商品を多数有する美容通販事業をはじめ、「RIZAP GOLF」など多くの新規事業を成功に導き、その手腕は高く評価されている。現在は、2022年9月に発表した中期経営計画の下、営業利益30,000百万円(2026年3月期)を目指し、新規事業「chocoZAP」事業への先行投資などを推進中である。2006年札幌証券取引所アンビシャスに株式を上場している。

1. 業績動向
2024年3月期第1四半期の売上収益は38,725百万円(前年同期比2.6%増)、営業損失2,864百万円(前期は286百万円の損失)、税引前四半期損失3,384百万円(前期は593百万円の損失)、親会社に帰属する四半期損失3,325百万円(前期は862百万円の損失)と中期経営計画のとおりに積極投資を行っている。RIZAP関連事業では、2022年9月より新規事業「chocoZAP」を本格展開しており、第1四半期においても大きく進捗した。店舗数は月間約80店の出店ペースで増えており、2023年6月末には720店に達した。会員数も順調に伸びており、2023年6月末時点の会員数は55万名超、9月末には83万名を突破し、ブランド開始から約1年で、国内フィットネスジムにおいて、日本一の会員数を達成した。この会員数は年商ベースでは約290億円規模に相当する。chocoZAP事業の業績への影響により、ヘルスケア・美容事業セグメントの売上収益は12,792百万円(前年同期比 31.0%増)、営業損失は3,016百万円(前年同期は778百万円の損失)となった。なお、ライフスタイル事業セグメント、インベストメント事業セグメントともに減収減益となった。

2. 業績見通し
2024年3月期の売上収益は180,000百万円(前期比12.1%増)、営業損失4,500百万円(前期は4,505百万円の損失)、税引前当期損失6,200百万円(前期は6,641百万円の損失)、親会社に帰属する当期損失9,000百万円(前期は12,733百万円の損失)と、増収とともに収益の改善を予想する。売上収益に関しては、chocoZAP事業における新規出店及び会員基盤増加により、大幅な増収を見込む。中期経営計画では、2024年3月期のRIZAP関連事業(ボディメイク、chocoZAP、RIZAP GOLF等)の売上収益は前期比で倍増の38,000百万円、営業損失で2,200百万円(前期は3,600百万円の損失)と損益の改善を見込んでいる。同社では、2024年3月期も引き続き既存事業の収益成長による持続的成長に向けた経営基盤の構築を目指す。具体的には、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化による固定費の削減、不採算店舗の高収益業態への転換や統廃合などを進める。さらに、資産流動化施策の推進、周辺事業の売却、及びグループ全体の財務管理体制の強化等により、事業活動に必要な資金を確保するための施策を講じる計画である。chocoZAP事業の展開が計画を上回って推移しており、売上収益予想を上回る可能性もあると弊社は考えている。利益面では営業損失を見込むものの、期末に向けて黒字化する店舗の割合が増えるため、収益は改善に向かうと想定している。

3. 成長戦略・トピック
同社は2026年3月期を最終年度とする中計経営計画(2022年9月発表)を推進中である。中核となる戦略は、新規事業chocoZAPへの経営資源集中であり、最終年度までに総額50,000百万円の成長投資を実施し、新たな収益の柱を育成する。経営数値目標としては、3年後の2026年3月期に営業利益で30,000百万円を目指す。この内訳としては、RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)で営業利益17,700百万円、その他既存事業は経営合理化を継続することで営業利益14,000百万円としている(調整額1,700百万円)。最初の2年間(2023年3月期、2024年3月期)は先行投資期間、その後の2年間は投資回収期間と位置付ける。RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)に限定すれば、先行投資期間の2年目にあたる2024年3月期(進行期)は売上収益で38,000百万円と前期比で倍増するものの、出店や広告宣伝などへの投資が先行するために営業損失2,200百万円を計画する。3年目の2025年3月期からは黒字転換し営業利益7,600百万円を計画する。chocoZAP事業への投資50,000百万円の内訳としては、店舗内設備・内装・ トレーニングマシン等の有形資産に20,000百万円、アプリ・システム開発、マーケティング、 DX人材の採用・育成等の無形資産に30,000百万円を予定する。資金調達の方針としては、既存事業の営業キャッシュ・フローに加え、銀行等からの借入、ノンコア資産の流動化などで調達する計画であり、既に2023年8月に長期借入金及び資本性劣後ローンによる資金調達(6,750百万円)を実施している。

■Key Points
・トレーニングジム業界に革新をもたらすコンビニジム「chocoZAP」が急成長
・2024年3月期第1四半期は、増収及び損失計上。chocoZAP事業への投資により、ブランド開始から約1年で日本一の会員数を達成
・2023年6月末の純資産比率は22.6%と積極投資を行うなかで一定水準を維持。今期以降は、chocoZAP事業の黒字化に伴い改善見込み
・2024年3月期は売上収益180,000百万円、営業損失4,500百万円を予想。chocoZAP事業への先行投資の効果が出始め大幅増収、損失は改善見込み
・chocoZAP事業への戦略投資を行う中期経営計画で、2026年3月期の営業利益30,000百万円を目指す。ネイルやホワイトニングなど運動以外の新サービスを全店導入開始

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SO》

 提供:フィスコ

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