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2874 ヨコレイ

東証P
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.2 0.72 2.29 58.29
時価総額 621億円
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ヨコレイ Research Memo(4):2022年9月期は増収、営業利益増益。ノルウェー養殖事業の非連結化が奏功


■業績動向

1. 2022年9月期の連結業績
横浜冷凍<2874>の2022年9月期の連結業績は、売上高が前期比4.0%増の115,257百万円、営業利益が同65.9%増の4,252百万円、経常利益が同81.0%増の4,999百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.0%減の3,317百万円となった。売上高・営業利益・経常利益は揃って前期を上回る好業績となった。特に営業利益は食品販売事業の収益性が向上したことにより、大幅な増益となった。前期に赤字の主因となったノルウェーのサーモン養殖事業の非連結化によって、食品販売事業のセグメント利益が大きく伸びたことが主因である。加えて、適切な在庫管理などをはじめとする量から質への変革を着実に実行し、利益を積み上げた。親会社株主に帰属する当期純利益は減益となったが、これは、前期にあったノルウェー養殖事業再編に伴う特別利益2,646百万円がなくなったことが主因であり、前期の反動である。

2022年9月期は売上高・各利益ともに期首業績予想を超過した(売上高は期首予想比7.7%増、営業利益は同14.9%増、経常利益は同21.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.5%増)。一方で、2022年5月に公表した修正業績予想に対しては、冷蔵倉庫事業の取扱量増加によるコスト増加、食品販売事業のウクライナ情勢によるカニ相場の下落などを受け、各利益未達となった。

a) 冷蔵倉庫事業
冷蔵倉庫事業の売上高は前期比6.2%増の30,045百万円、セグメント利益は同7.9%増の6,447百万円となった。冷蔵倉庫事業に関してはコロナ禍の影響が薄れ、段階的に経済活動が再開するなかで荷動きが回復したことが業績を押し上げた。入庫量・出庫量が前期を上回ったことによって、保管料(荷物の種別、量、保管期間に応じて顧客から徴収する料金)と荷役料(荷物の入出荷作業に伴い顧客から徴収する手数料)が増加した。保管料が同5.1%増の14,858百万円、荷役料が同6.0%増の6,505百万円となった。利益に関しては、エネルギー価格の高騰や通関事業拡大による通関チャージ増加などのコスト増加要因を売上の伸びでカバーした。

同事業は安定した業績を挙げてきており、同社利益創出の柱となっている。今後も冷蔵倉庫に対するニーズは堅調に推移することが予想され、安定した業績を上げていくものと弊社は見ている。

b) 食品販売事業
食品販売事業の売上高は同3.3%増の85,157百万円、セグメント利益は1,324百万円(前期は302百万円の損失)となった。食品販売事業では、水産品と農産品が増収増益、畜産品が減収増益となった。畜産品が減収となったのは、在庫状況の適正化など利益重視の事業運営へ転換(量から質への変革)する構造改革によって、外食向け畜産品の取り扱いが減少したためである。しかし収益性の向上によって、増益を達成した。水産品に関しても中期経営計画の各施策が着実に実行されたことにより、増収増益を達成した。水産品においては、中期経営計画の重点施策の1つである産地事業者や海外パートナーとの連携が進んだ。特にホフセスグループとのノルウェーサーモンの取引を強化したことにより、国内量販店や外食等への販売が拡大した。これを受け、水産品の売上高は前期比20.4%増の68,110百万円と急伸した。ノルウェーサーモンは品質が高く、顧客から高い評価を受けていると言う。ウクライナ情勢によるカニ相場の下落、中国ロックダウンによるデマレージ費用の増加など利益下押し要因もあったものの、増収でカバーした。農産品に関しては、主力のイモ類は前期並みの推移となったものの、キャベツの取り扱いが拡大し、増益に貢献した。

同事業は同社全体の売上の中心となっている事業である。一方で、利益率に関して、前期・前々期は低い水準が継続してきた。これは主にノルウェーサーモン養殖事業の影響によるものである。養殖事業は気候変動、寄生虫、市場価格などの外部環境の影響を受けやすく、利益に影響を与える時期が続いていたが、今後は同事業の収益性が高まってくるものと弊社は見ている。その理由として、ノルウェーサーモンの養殖事業を非連結化したこと、顧客のニーズに沿った適正仕入れや正確な在庫管理など、量から質への変革が着実に進んでいることが挙げられる。同事業の収益性が高まることによって、連結ベースの利益率も高まっていくものと弊社は見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《NS》

 提供:フィスコ

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