J-オイルミルズ Research Memo(3):為替も想定範囲内で推移、油糧価格は下げ止まりから反転の兆し
■業績動向
(1) 2016年3月期の第2四半期累計(2015年4月?9月期)の業績動向
J-オイルミルズ<2613>の2016年3月期の第2四半期(2015年4月?9月期)累計の売上高は92,595百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益1,549百万円(同60.2%減)、経常利益1,792百万円(同56.1%減)、四半期純利益964百万円(同64.3%減)と減収減益になった。期初の会社計画に比べても、計画を下回る結果であった。
利益が大幅に減少した要因としては、円安及びミール(油糧)価格の低下による油脂コストの上昇と前年度からの製品価格の低下である。対策として油脂製品価格の値上げを断行したが、希望どおりの水準までその成果が出ていないことなどがあげられる。
(2)通期の見通し
2016年3月通期の計画は、2015年11月5日に下方修正された。売上高189,500百万円(当初計画比8,300百万円減)、営業利益3,500百万円(同3,500百万円減)、経常利益4,000百万円(同3,500百万円減)、当期純利益2,400百万円(同2,100百万円減)が見込まれている。下期だけに限ると、前年同期比においても上期との比較においても、営業利益及び当期純利益は回復する見込みだ。大豆や菜種の相場価格は安定しており、為替も想定の範囲内で推移している。ミール(油糧)価格は下げ止まりから反転の兆しがあり、年初からの油脂製品の値上げ努力も一定の成果が上積みされるもようだ。また、その他事業の業績向上もプラス材料だ。
(3)財務状況
2015年9月末の財務状況は健全である。総資産残高は前期末(2015年3月)比3,469百万円減の153,613百万円となった。主な減少は、受取手形及び売掛金が1,906百万円、原材料及び貯蔵品が1,794百万円である。
一方、負債は前期末比2,644百万円減少し、74,797百万円となった。主な増加は、有利子負債で2,190百万円である。主な減少は、支払手形及び買掛金3,927百万円である。
経営指標では、流動比率、自己資本比率、有利子負債比率において安全性を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
《HN》
提供:フィスコ