2437 シンワアート JQ 15:00
341円
前日比
+7 (+2.10%)
比較される銘柄: ジオネクストシスロケニッコウトラ
業績: 今期予想
サービス業
単位 100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.2 1.21 2.05

銘柄ニュース

戻る
2015年10月19日16時47分

シンワアート Research Memo(7):15/5期は増収も商品在庫の評価減等が利益を圧迫し営業減益


■決算動向

(2) 2015年5月期決算の概要

2015年5月期の業績は、売上高が前期比112.8%増の2,948百万円、営業利益が同42.6%減の77百万円、経常利益が同56.8%減の52百万円、当期純利益が同84.9%減の16百万円と大幅な増収ながら減益決算となった。また、2015年1月9日付けで増額修正した会社予想に対しても、売上高が79.1%、営業利益が25.3%と大きく未達となった。

主力のオークション関連事業がおおむね堅調に推移する一方で、再生可能エネルギー関連事業の本格稼働が大幅な増収に寄与した。ただ、損益面では、オークション関連事業において、自主ルールに基づく商品在庫の評価減※等が利益を圧迫したことで想定を下回る営業減益となった。加えて、銀行借入の金利上昇リスクをヘッジする目的で導入したデリバティブ商品の評価損(約12百万円)も利益の足を引っ張った。
※シンワアートオークション<2437>では、商品在庫を取得してから一定期間が経過するごとに簿価を機械的(市場評価額に関わらず) に切り下げる会計上のルールを自主的に適用している。

なお、増額修正後の会社予想を下回ったのは、修正時点において、グリーン投資減税による需要拡大が追い風となる中で、完工物件が期初予想を大幅に上回る見通しとなったことから一旦は増額修正に踏み切ったものの、電力会社の都合により系統連系が延期になったことから、結果として増額修正部分に見込み違いが生じたことによるものである。一方、商品在庫の評価減についても、自主ルールに基づくものであり、実際の市場評価を反映したものではなく、また直ちに資本流出を伴うものではない。したがって、減益決算及び計画未達の結果については、同社業績の先行きに懸念を抱かせるものではないとみていいだろう(むしろ、商品在庫の評価減により利益を出しやすい体質になったとの見方もできる)。

貸借対照表については、総資産が仕掛品(太陽光発電施設の開発案件)や有形固定資産(大型太陽光発電施設の自社保有分)の増加により前期末比17.0%増の3,660百万円に膨らんだ一方、自己資本がほぼ横ばいで推移したことから財務基盤の安定性を示す自己資本比率は48.5%(前期末は57.1%)に低下した。また、資本効率を示すROEは、利益率の低下により1.0%(前期末は7.5%)に落ち込んだ。

各事業の概要は以下のとおりである。

a)オークション関連事業は、売上高が前期比4.5%減の1,140百万円、セグメント利益が同96.0%減の5百万円となった。売上高ではわずかな減収となったものの、本来の業績の規模を示す取扱高(落札総額)では前期比3.3%増の4,440百万円と堅調に推移した。特に、主力となる高価格帯の近代美術オークションでは、落札平均価格がほぼ横ばいながら、出品数が増加したことにより取扱高は順調に拡大している※。一方、損益面では、利益率の高い在庫商品の取り扱いが少なかったことによる粗利益の減少や自主ルールに基づく商品在庫の評価減が利益を圧迫したことで想定を下回る減益になった。
※前期に比べて開催回数が1回分多かったが、1回当たりの出品数で見ても増加している。

なお、同社がプラットフォーム構想として、積極的に取り組んでいる在庫商品については352百万円(前期末比109百万円減)と減少しており、評価減(約100百万円)による影響を考慮してもほぼ横ばいで推移している。インフレ期待が高まる中で、売却する側がタイミングを見定めていることで出物が少ないことが影響している模様であり、しばらくはその動向を見守る必要があるとみられる。

b)前期(2015年5月期)より本格稼働した再生可能エネルギー関連事業は、売上高が1,807百万円(前期は190百万円)、セグメント利益が75百万円(前期は1百万円の赤字)と大きく伸長した。グリーン投資減税による需要拡大を追い風として、太陽光発電施設の販売が大型1基(前期ゼロ)、小型64基(前期は10基)と順調に拡大した。一方、業績予想(増額修正後)を下回る結果となったのは、電力会社の都合により系統連系が延期になったことから、その分を補完するために販売計画の変更を余儀なくされ、販売台数ではほぼ計画線を確保したものの、販売価格の低下など販売条件が想定よりも悪化したことが影響した。

加えて、売却予定であった大型2基のうち1基を自社保有に方針転換したことも業績修正の原因となった。ただ、こちらは発電施設の売却による一時的な利益の獲得にかわって、今後の売電収入による安定収益を確保したものとして捉えることができる。

c)その他事業は、売上高が0.3百万円(前期は0.8百万円)、セグメント損失が3百万円(前期は12百万円の損失)となった。診療報酬ファクタリング事業は、資金調達の遅れや再生可能エネルギー事業への優先的な資金配分により投資機会を見送る状況が続いている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

【関連記事・情報】

日経平均