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2216 カンロ

東証S
2,715円
前日比
-15
-0.55%
PTS
2,715.1円
10:13 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.1 2.60 2.65 3.87
時価総額 416億円
比較される銘柄
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なとり
決算発表予定日

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カンロ Research Memo(5):上期好調で2018年12月期通期業績予想を上方修正


■業績動向

3. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の業績見通しについて、カンロ<2216>は2018年12月期第3四半期より非連結となるため、2018年12月期の業績予想は個別業績のみを開示している。売上高22,500百万円(前期比5.6%増)、営業利益860百万円(同8.0%減)、経常利益900百万円(同10.0%減)、当期純利益920百万円(同105.7%増)を見込んでいる。同社は上期好調を受け、通期業績予想を期初業績予想に対して売上高で1,000百万円、営業利益で240百万円、経常利益で260百万円、当期純利益で190百万円の上方修正をした。

同社の下期の重点施策は主力ブランドの更なる売上拡大に加え、飴が大型新商品の発売、グミが既存ブランドの強化と新グミ製造ライン稼働に向けた準備、原価低減策として飴製造ラインの効率化??である。具体的には、40年ぶりに変更した新しいCIに合わせ、2018年秋に「カンロ飴」を60年ぶりにリニューアルする。「素材を活かす」研究開発により調味料(アミノ酸)に頼らず美味しくなった「カンロ飴」に加え、「金のミルク」で培った香料や着色料を使わない素材を生かした製法の「ミルクのカンロ飴」、「のど飴」で培ったハーブに関するノウハウを駆使した「ハーブのカンロ飴」を投入し、「カンロ飴」のブランド再生を図る。また、のど飴のパイオニアとしてのノウハウを生かした「健康のど飴ドクタープラス」も発売する。123種類のハーブエキスの中からのど飴に最適な「ホップエキス」を採用、商品化に当たっては口腔衛生分野で先進的な研究をしている鶴見大学と共同開発も行った。

グミでは、足元好調な「カンデミーナ」や「ピュレグミ」など既存商品に新シリーズを投入するほか、小袋タイプなどコンビニエンスストア専用商品の他販路への横展開も進める計画である。さらに、やや停滞気味であった「ジュレピュレ」については、ジュレを30%アップして味わいを濃厚にするとともにパッケージを刷新するなど、リニューアルによって巻き返す方針である。しかし、もともとグミはボトルネックの傾向が強まっていたため、足もとで能力増強計画を進めており、「ジュレピュレ」の強化やグミの自己差別化は2019年12月期以降を見据えた展開となりそうだ。

なお、新グミ製造ラインは松本工場(長野県松本市)に27億円を投じて新設される。現在グミを製造している朝日工場(長野県朝日村)と合わせ生産能力を2倍に引き上げ、若い女性を中心に人気がある「ピュレグミ」のほか新タイプのグミも開発する計画である。グミはヘルシーなイメージがある上、世代的に広がる余地を大きく残している。このため、今後も需要が拡大すると見られており、同社はグミを成長事業として位置付けている。新グミ製造ラインは、2019年12月期早々には本格稼働させる計画である。

以上のような戦略により、同社は2018年12月期の売上高を、飴で前期比8億円、グミで同4億円の増収を目指す。また、主力ブランドの売上拡大によるスケールメリットに加え、製造ラインの効率化、工場集約、合理化投資といった原価低減策によって売上総利益率の改善を維持する方針だ。一方販管費は、支店の看板替えなど新CI向け費用30百万円を下期に残しているためややプッシュ気味になる見込みで、営業減益が予想されている。しかし、こうした一時費用(通期110百万円予定)を含まない実力ベースの予想営業利益は970百万円となり、実質増益ということができる。なお、2018年12月期業績予想が上方修正されたが、主力ブランド商品の売上好調、売上増加とひかり製菓吸収合併による製造原価の低減、品質向上策による歩留改善などが想定以上に進展したことが要因である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

 提供:フィスコ

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