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明日の株式相場に向けて=半導体周辺の金鉱脈に眠る株

 週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比354円高の3万9347円と反発。新年度入りとなった前週の日経平均は週間で差し引き1377円の下落と大きく値を崩したが、上げ下げのリズムとしては3月26日以降約2週間にわたって、高い日と安い日が交互に繰り返されている。一方的なリスクオフの流れが形成されているわけではなく、たまたま下げる時に深押しが続いたことで水準が切り下がった。これは例年この時期お馴染みの需給事情であり、年度替わりの初っ端に機関投資家の益出しの動きが顕在化することによる影響が大きい。そして、4月第2週以降は海外投資家の新規の買い需要などで盛り返すケースが少なくない。過去10年間を振り返って4月の日経平均は月足で高く引けたことが6回、つまり6勝4敗で勝ち越している。

 前週末5日の日経平均は先物主導で781円安と急落を強いられたが、心理的にそのリスクオフの源泉となっていたのが日本時間の同日夜に発表が予定されていた3月の米雇用統計だ。今は米雇用に関する数字が強いほど株式市場にとってはマイナスに作用しやすい。FRBによる早期の利下げ期待が剥落するためだが、今回の統計についてもマーケットは前週前半の早い段階から気を揉む状況にあった。

 実際フタを開けてみると、非農業部門の雇用者数は予想を10万人あまり上回る30万人と高水準だったのだが、ネガティブサプライズとはならずNYダウなど主要3指数はいずれも反発した。市場では、平均時給の伸び率が前月比でプラス0.3%、前年比でプラス4.1%と市場予想と合致したことで不安心理が後退したという解説だったが、これは株価上昇を見たうえでの後講釈的な色合いが強い。伸び率が鈍化したとはいえ、前年対比で4%の賃金上昇はサービス価格のインフレの沈静化を示唆しているとは言えない。

 ただし、株式需給面では事前に売り建てていた投資家が多かったことが、手仕舞い売りならぬ「手仕舞い買い」いわゆるショートカバーを促し、全体相場に浮揚力が働いた。今回はこれまでのFRB高官の相次ぐタカ派的な発言によって、「6月利下げ開始及び年内3回の利下げ」という分厚いコンセンサスが大分薄められてきた後の雇用統計発表、というところがミソであった。したがって、おそらくは内容に関係なく、イベント通過という時点で株価はリバウンドする公算が大きかったともいえる。もっとも、今週以降これを契機に素直に戻りトレンドに転じるかどうかは定かではない。今週は10日に3月の米消費者物価指数(CPI)発表(日本時間夜9時半)を控えるが、10日はSQ週の魔の水曜日でもあり売り方が暗躍しやすい。当面は不安定な地合いを覚悟しておく必要がある。

 そうしたなか、物色対象としてはエネルギー関連 半導体関連という対極的なセクターを同時並行的にマークしておきたい。金市況をはじめとするコモディティ価格上昇を背景に引き続き住友金属鉱山<5713>や松田産業<7456>などの株価に目を配りつつ、人気が再燃している半導体関連株の一角からも視線が外せない。

 日の丸半導体ラピダスへの国策支援が一段と浮き彫りとなっているが、直近6日土曜日にアップされた株探トップ特集「半導体沸騰相場の号砲鳴る! 天空を翔ける『ラピダス関連5銘柄』」でも紹介されたソシオネクスト<6526>が全上場企業のなかで売買代金断トツとなる人気で大きく上値を伸ばしている。また、小型株のジェイ・イー・ティ<6228>はストップ高カイ気配に張り付いた。やはり半導体やAI関連銘柄への注目度は他の業態と一線を画す。野村マイクロ・サイエンス<6254>の押し目も拾い場となっている感触だ。このほか半導体関連では、部材や素材関連に着目。シリコンウエハー大手のSUMCO<3436>、フォトレジスト首位の東京応化工業<4186>、半導体装置向け真空シールで圧倒的シェアを有するフェローテックホールディングス<6890>など。また、半導体用特殊ガスで高実績を誇り、ラピダスが構築する半導体サプライチェーンを舞台に商機が現実味を帯びてきた日本酸素ホールディングス<4091>もチェックしておきたい。

 あすのスケジュールでは、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札が予定される。また、3月の消費動向調査、3月の工作機械受注額(速報値)が開示。海外では3月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が発表されるほか、米3年物国債の入札も予定される。なお、フィリピン、インドネシア市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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