貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7011 三菱重工業

東証P
4,083円
前日比
+35
+0.86%
PTS
4,099.8円
20:32 12/05
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
59.6 5.51 0.59 11.10
時価総額 137,746億円

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明日の株式相場に向けて=「高市+維新」トレードで電撃浮上する株

 きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比605円高の4万8277円と大幅続伸。3連休明けとなった14日に1241円安という波乱に見舞われたが、前日ときょうと合わせ1400円以上の上昇となり、公明党の連立離脱と米中対立の先鋭化を嫌気した売りの集中砲火から完全に立ち直った格好である。もちろん、ここから先も政局を絡めた売り方の揺さぶりが波状的に続く可能性はあるのだが、前週末からここまでの経緯を見る限り自民党にとって“塞翁が馬”の故事成語そのままの展開となっている。

 自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表が前日に会談を行い、16日に政策協議をスタートさせることで合意。最大のヤマ場となる首相指名選挙で吉村氏は、この政策協議がまとまれば高市氏に投票すると明言した。市場関係者からは「(どんでん返しがあるかもしれず)まだ安心できない」という声も一部で聞かれたが、高市氏はきょうグラス駐日大使と党本部で会談し、今月27~29日の日程で調整を進めているトランプ米大統領の来日に向けて意見を交わしたことが伝わっており、こうなると高市新首相誕生へのレールは既に引かれていると考えてよさそうだ。

 公明党の連立離脱で国民民主党が自民党との連立に難色を示し、野党集結で玉木新首相誕生というシナリオはどうやら絵に描いた餅に終わりそうだ。小泉―維新の組み合わせは想定されるパターンだったが、高市政権と維新の連携は正直意外性がある。国民民主に秋波を送っているようにみせてからの電光石火の切り返し。果たしてこのウルトラCを誰がお膳立てをしたのか、松井一郎氏と旧安倍派の人脈が機能したようにも推察されるが、それは置くとして、予想外の急展開であることは間違いなく、立憲民主党の野田代表もテレビメディアのインタビューに対し、野党3党首による会談(野田、玉木、藤田)のすぐ後に、まさか維新の吉村代表が上京して高市氏と会談するというケースは考えていなかったと答えている。この日は早速というべきか、維新の「副首都構想」に絡む銘柄に物色の矛先が向いた。いわゆる大阪に本拠を構える企業群。阪急阪神ホールディングス<9042>、近鉄グループホールディングス<9041>、南海電気鉄道<9044>、京阪ホールディングス<9045>といった 鉄道不動産関連のほか、関西系土木大手の奥村組<1833>、高松コンストラクショングループ<1762>、大末建設<1814>、淺沼組<1852>などが値を飛ばした。小型で値動きの軽い南海辰村建設<1850>はストップ高まで買われる場面があった。

 ここで改めてマークしたい銘柄は、今年7月以降に当欄で継続注目してきたイトーヨーギョー<5287>である。マンホールなどのコンクリート2次製品を手掛け、ライン導水ブロックを中心とした道路関連製品で実績が高く、国家的な課題となっている下水道インフラや電柱埋設でも関連有力株に位置付けられるが、同社もまた大阪に本社を置いている。株価は9月26日に戻り高値1648円をつけてからは調整を余儀なくされているが、株式需給面では10月に入ってから貸株市場を経由した空売りが高水準のまま積み上げられた状態にあり、急速な買い戻しによって株価に浮揚力が加わる展開も想定される。

 このほか、イトヨーギョだけでなく下水道インフラ関連には調整十分の銘柄が多く、いったん点火すれば燎原の火のごとく横に広がるケースも考えられる。株価400円台で値ごろ感のある土木管理総合試験所<6171>をはじめ、日本ヒューム<5262>、大盛工業<1844>、旭コンクリート工業<5268>、日本鋳鉄管<5612>などに投資マネーが食指を動かす可能性を念頭に置いておきたい。

 また、今回の自民党と維新の連立の可能性を含めた協力体制構築の中で、維新側は連立の条件として12の政策を提示していることも伝わっている。そのなか、防衛装備移転三原則の運用指針(5類型)撤廃などを外交安全保障政策として挙げており、三菱重工業<7011>のほか、その傘下の放電精密加工研究所<6469>、三菱製鋼<5632>などに注目。更にエネルギー政策として原発再稼働の推進も掲げている。原発周辺では助川電気工業<7711>が高市トレードによる鮮烈な上げ足を披露し、既に観賞用の領域に入っているが、このほか東京電力ホールディングス<9501>などの電力株や日本製鋼所<5631>、中小型株では日本ギア工業<6356>、IMV<7760>などにも目を配っておきたいところだ。

 あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示される。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。後場取引終了後には全国信用組合大会で内田日銀副総裁が挨拶を行う予定。なお、この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にユーソナー<431A>が新規上場する。海外では7~9月期マレーシア国内総生産(GDP)速報値のほか、米国では9月の鉱工業生産・設備稼働率などにマーケットの耳目が集まる。なお、個別ではアメリカン・エキスプレス<AXP>の7~9月期決算発表が行われる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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