タケダ機械:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
担当 織田 真由美
| ●タケダ機械 <6150> [東証S] レーティング:NEUTRAL(2025/4/21)→ NEUTRAL ◆鉄骨加工機の3大メーカーの一角 ◆受注弱含みやコスト増加が重荷となり2期連続減益見通し ◆大阪IRで引き合い活発化だが、業績寄与は来期か |

出所:タケダ機械、ブルームバーグ、今村証券
◆会社概要…鉄骨加工機大手
建設用鉄骨加工機(形鋼加工機)が主力。鉄骨加工機では大東精機(非上場)、アマダマシンツール(アマダ <6113> [東証P]子会社)と並び、3社で市場をほぼ独占する。中小型鋼を対象とする加工機に特化し、カスタマイズに強みがある。
◆業績…需要低迷
2025年5月期連結決算は減収減益。都市部の再開発や国土強靱化基本計画によるインフラ補強などが建設需要を支える一方、建設コストの増加や人手不足が足かせとなり建設需要が低迷、鉄骨需要量も減少した(資料1参照)。

この影響を受けて顧客である中小のファブリケーターの投資意欲が減退し需要が減少、売上高は前の期に比べて5億7300万円(10.5%)減収の48億9000万円と、想定を6億円強下回り、4期ぶりの減収だ。
利益については、減収要因に加えて人件費などのコスト増加が利益率を低下させた。粗利益率は29.3%と前年同期に比べて1.6ポイント低下し(資料2参照)、経常利益は前の期に比べて3割強減益の4億4100万円と想定を1.6億円程度下回り、4期ぶりの減益だ。

今期業績は2期連続の減益見通し。需要低迷によって売上高が伸び悩む中で、開発費や人件費の増加が利益を圧迫する。
他方、建築コストの上昇が落ち着きを見せる中(資料3参照)、業界では今年末から開発が動き出すのではないかとの見方が広がっている。殊に大阪では統合型リゾート(IR)の開業を念頭に再開発が進む。同社でも引き合いが活発化している様子だ。

◆事業環境
都市部の再開発や国土強靱化に係るインフラ補強などを背景に、国内の建設投資は中長期的に堅調に推移するとみられている(資料4参照)。さらに慢性的な人手不足が課題の建設業界においては自動化・省人化、省段取りに対するニーズは根強い。中小型鋼を対象とする加工機でトップシェアを持つ同社は、需要サイクルの影響を受けながらも底堅い需要を取り込むことが期待される。

中長期的な成長に向けて取り組むのは、① 新製品開発の強化、② ICTを活用した付加価値の向上、③ 在庫コストの削減、④ 人材育成の強化、⑤ 企業価値の向上―――だ。
ICT技術の活用では、今期から来期にかけて基幹システムの刷新を計画する。ICT技術を活用し自社の経営効率化を図るほか、ICT技術を備えた製品開発の取り組みを進める。さらに今期は開発費として1億円強を予算計上しており、成長投資を活発化する計画だ。
◆業績予想と投資判断
今期は2期連続の減益見通しと厳しい状況だが、大阪IRをにらみ関西での引き合いが活発になってきたことに加え、「ものづくり補助金」の募集も再開され、受注回復に期待がもたれる状況だ。来期は増収増益が期待できそうだ。
とはいえ、なお不透明感は強く、今期が減益見通しであることも株価の上値を押さえそうだ。投資判断は「NEUTRAL」を継続する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
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