貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6861 キーエンス

東証P
55,690円
前日比
-10
-0.02%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
4.12 0.99 5.41
時価総額 135,442億円

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明日の株式相場に向けて=「任天堂」関連株に静かなる炎

 きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比170円高の3万5039円と続伸。前日に続き戻りを試す展開とはなったものの、後場に入ると上値の重さが目立った。物色対象は時価総額上位の大型株に偏り、全体では値下がり銘柄数が6割強を占めた。決算発表シーズンを迎え、企業側の今期業績に対するガイダンスが非常に難しいという話には触れてきたが、きょうはファナック<6954>が今期業績予想を「未定」としたにもかかわらず、売りの砲火を浴びなかった。これはガイダンス・リスクに対して相場が耐性を備えたということを暗示しているが、きょうのところはタイミング的に全体相場の流れに助けられた面もあった。決算絡みでは、しばらく疑心暗鬼の地合いが続きそうである。

 米国株市場ではトランプ関税ショックから立ち直ったとはいえないが、とりあえずトランプ米政権を発信元とするネガティブ材料との距離感がつかめてきた感触はある。トランプ米大統領にすれば、選挙公約を遂行するという意味で自身の政策路線に迷いはないであろうが、あまりマーケットにソッポを向かれるのも困る、というのが本音と思われる。株安は支持率の低下に直結する。グローバリストからの反撃を受けないためにも権力を握り続けなければならないという焦りも感じられ、そうした心の内が直近にきて政策姿勢をやや軟化させていることに反映されている。

 リスク回避の流れがアンワインド局面に移行するということは、言い換えれば米国を基点にグローバル規模で歯車が巻き戻されることを意味しており、世界株市場は同じ時間軸でショートカバーが入る。そして為替市場ではドル独歩安のアンワインド、つまり日本側からみればドル安・円高局面からの反転となる。ただし、これはトレンドの転換とは同義ではない。売り方が作る上昇相場はかりそめであり、売り方が手仕舞えばそこで流れは止まる。

 また、株式需給やテクニカル面については東京市場固有の事情で世界と連動する要素は乏しい。日経平均3万5000円近辺は累積売買代金こそ希薄ながら、単なる心理的なフシとも言い切れない。2月下旬からの下落トレンド入りで25日移動平均線が上値抵抗ラインとしてワークしていることで、今回もその25日線との下方カイ離を解消した場面では、いったんキャッシュ化しておくのは戦略的に理に適う。個人投資家目線でも信用評価損益率の改善は顕著ながら、「信用買い残そのものが増えておらず、今回はややシラけたリバウンドとなっている」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘もある。

 こうした戻り一服場面で、個別ではややニッチなテーマで「スイッチ2関連」に着目してみたい。任天堂<7974>の新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」に対するニーズが想定超となっている。同社の古川社長が、スイッチ2の公式サイトからの抽選に、国内だけで約220万人の応募があったことを明らかにしたことから、これを好感する買いを呼び込んだ。4月24日の当選発表においては相当数の購入希望者が当選しない可能性が高く、これに漏れた人は第2回の抽選販売に自動的に進むことになるが、それでも全ての応募には応えられないという。生産体制の強化に取り組む方針も示していることで、ドル箱商品としての位置付けが改めて意識される方向にある。

 ニンテンドースイッチは製造委託先として中国を拠点に、ベトナムやマレーシアなどで製造し米国に輸出を行ってきたことから、トランプ米政権の関税政策による逆風がどの程度の風速となるのか、見極めづらいところがある。だが、目先は吹っ切れたように5日・25日・75日の3本の移動平均線が収れんする1万円トビ台でのもみ合いを上放れてきた。スイッチ2の発売日は6月5日の予定だが、それまでのニュースフローにも耳目が集まることになる。こうなると、同社と連携する企業にも投資マネーの触手が伸びるのが株式市場である。電子部品を手掛けるミネベアミツミ<6479>、ホシデン<6804>、メガチップス<6875>などの戻り足に注目しておくのも一法だ。また、スマートフォンアクセサリーでポケモン効果を取り込むHamee<3134>も穴株妙味を発揮する可能性がある。 

 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に発表される4月の都区部消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。後場取引時間中には3月の外食売上高、3月の全国百貨店売上高などが発表される。この日はIPOが1社予定されており、札幌アンビシャス市場にエレベーターコミュニケーションズ<353A>が新規上場する。海外では3月の英小売売上高、4月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)などが開示される。なお、国内主要企業の決算発表では信越化学工業<4063>、アドバンテスト<6857>、キーエンス<6861>、野村ホールディングス<8604>などが予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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