本日の注目個別銘柄:ユニチカ、ワールド、グッドコムAなど
<7747> 朝日インテック 2590.5 -89
大幅続落。ジェフリーズ証券では投資判断を「バイ」から「ホールド」に格下げ、目標株価も3400円から2600円に引き下げている。中長期の成長見通しを下方修正しており、30年6月期までの営業利益成長率はこれまでの年率15%から10%に引き下げているようだ。現状では中国依存度の高い医療機器メーカーとなっており、トランプ次期政権の政策が中国経済に打撃を与える可能性などを懸念しているもよう。
<3103> ユニチカ 194 -49
急落。繊維事業からの撤退報道が伝わって前日は大きく上昇の場面もあったが、地域経済活性化支援機構による再生支援決定発表を受けた本日は売り優勢の動きとなる。機構に対する第三者割当増資の実施や取引行への債権放棄要請などで、約870億円の金融支援を受けることになるようだ。割当増資はC種種類株式を発行するが、普通株式取得請求権などを考慮した潜在的な希薄化率は約803%となるようだ。
<7201> 日産自 358.9 -15
大幅反落で安値更新。ムーディーズ・ジャパンでは同社の発行体格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更している。格付け自体は投資適格級の下限にあたる「Baa3」を据え置き。自動車事業においてFCFと採算が悪化していることを見通し引き下げの背景としている。年間4000億円のコスト削減を目指す再建計画についても「実行リスクがある」とコメントしているもよう。
<5957> 日東精工 617 +28
大幅続伸。発行済み株式数の1.07%に当たる40万株、3億円を上限とする自己株式の取得実施を発表。取得期間は11月29日から12月23日まで。株主還元の充実と資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを取得目的としている。同社の自社株買いは23年11月から12月にかけて40万株を取得して以来となる。目先の需給面での下支え効果につながることを期待へ。
<3612> ワールド 2198 +268
急伸。三菱商事傘下の衣料品会社三菱商事ファッションを完全子会社化すると発表した。全株式を93億円で取得するようだ。三菱商事ファッションの前期売上高は919億円、純利益は22億円となっており、短期的な業容拡大が意識される形に。また、三菱商事ファッションはOEMでアパレル企業などに衣料品や雑貨、靴などの製品を供給しており、販売ルート拡大や企画提案力強化などのシナジー効果も期待される状況のようだ。
<9531> 東瓦斯 4510 +68
大幅続伸。26年3月期までに8%程度としていたROE目標だが、それを上回る水準を目指すことを明らかにしたと伝わった。累進配当方針を明確に示して増配を検討する一方で、非効率な資産を売却して成長投資に充てていく。直近では、米有力アクティビストのエリオット・マネジメントによる大量保有が明らかになり、今後の株価向上策への期待も高まっていたが、株主還元拡充方針が確認されたことを素直にポジティブ視へ。
<5727> 邦チタニウム 1036 +50
大幅続伸。航空機部品に使われるチタンに関して、「メード・イン・ジャパン」のチタンが勢いを増していると報じられている。ロシアのウクライナ侵略を受けた米ロ間の対立などによって、ロシア産がシェアを低下させているもよう。日本のスポンジチタン生産量は23年が6万トンで21年から2割増、世界シェアは18%で中国に次ぐ2位となっているようだ。今後も世界的な航空機需要拡大の恩恵が期待できるとの見方に。
<7744> ノーリツ鋼機 4480 +155
大幅続伸。前日に24年12月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の180億円から187億円、前期比30.0%増にまで引き上げ。AlphaThetaにおいて、不具合により出荷を停止していた一部製品について出荷を再開したことを反映したもよう。第3四半期決算時に168億円から180億円に上方修正した直後でもあり、続けざまの上方修正のインパクトが先行のようだ。
<6954> ファナック 3887 -48
大幅続落。一部メディア報道では、EMC不正が発覚、これまでの品質不正の中でもかなり悪質な部類などと伝えており、警戒材料視されたもよう。欧州市場向けに必須のEMC指令に適合しない製品を出荷していたようだ。ただ、会社側では4月に特別調査委員会を設置し、11月21日には試験が規格に準拠しない条件の下で実施されていた可能性があることも確認と発表。すでに対策を施した製品について出荷再開済みともしている。
<3475> グッドコムA 859 +73
大幅反発。前日に24年10月期の業績修正を発表、営業利益は従来予想の53.4億円から54.5億円に上方修正。修正幅は小幅ながら、第3四半期までの進捗が限定的だったため、素直に好感される形に。また、記念配当5円の実施に伴い、年間配当金は従来計画36円から41円に引き上げた。さらに25年10月期からの配当方針変更も発表、配当性向30%基準から35%目標に変更、株価上昇によるTSRの拡大も重視と。
《ST》
提供:フィスコ