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「チャットGPT」も進化加速へ、「AI音声認識」株価変貌期待の銘柄は <株探トップ特集>


―声で動く新たなAI世界へ本格離陸、スマートハウス向けやビジネス分野導入も相次ぐ―

 私たちの生活やビジネスの質向上に貢献している技術の一つが 「AI音声認識」技術だ。特に、チャットGPTの最新機能「アドバンスドボイスモード」は、まるで人間同士が話しているかのようなスピード感での会話を可能にし、その精度と利便性はまさに革命的と呼んでもよい。日常生活からビジネスまで、AIが声を認識し、支援する世界が現実になりつつある今、改めて「AI音声認識」とその関連株にスポットライトを当ててみる。

●AI文字起こしでレベル急向上の音声認識

 AI技術の進化はめざましく、その最たるものとして認識されているのが「チャットGPT」であることは疑いようがない。特に今年9月後半から提供開始された「アドバンスドボイスモード」を実際に体験した人は、AIの凄さはもちろんのこと、その進化の速さに驚愕しただろう。この新機能は、まるで人間同士の会話さながらの自然な音声対話を可能にしている。音声入力の精度が格段に向上したことで、今後さまざまな分野での活用が期待されている。実際、従来の「タイピング」から「音声入力」へ転換したことで、仕事の生産性を劇的に向上させている。例えば、従来なら数十分から数時間、長時間の会議の場合、酷いと丸1日を要していたような人力での議事録作成も、AI文字起こしサービスを活用すれば、リアルタイムでかなりの部分を完成させることが可能となる。

 AI文字起こしサービスのカギを握るのが、いわゆる「音声認識」技術だ。一昔前までは、音声認識は精度が低く、日常やビジネスのいずれにおいても実用性に乏しいとみられていた。しかし、そこからあっという間に進化を遂げ、今やAmazonのアレクサをはじめとした音声アシスタントを取り入れて自宅をスマートハウス化している人々も多い。「アレクサ、おはよう」の合図一つで、リビングの電気がつき、カーテンが開き、エアコンの電源が入る。また、音声認識という技術自体が進化したことももちろんだが、技術に対する理解も従来から大きく進み、精度を高めるには、適切なマイク選定が重要で、そうした下準備で大きく結果が変わることもユーザーのナレッジとして徐々に認識されつつある時代になってきた。

●企業でも導入の動きが加速度的に進む

 実際、AI音声認識技術は、すでに多くの企業で加速度的に導入が進んでいる。例えば、冒頭で触れた文字起こし支援サービスがビジネスの場では最たる例だが、電話対応の自動化など、多くの既存業務の効率化に貢献している。足もとでもアドバンスト・メディア <3773> [東証G]がAI音声認識AmiVoiceを搭載した文字起こし支援アプリケーション「ScribeAssist(スクライブアシスト)」が、りそなホールディングス <8308> [東証P]のグループ企業13社で活用されていることを発表しマーケットの注目を集めた。

 また、新技術に慎重な姿勢を見せがちな地方自治体でも、同技術を用いたサービスが積極的に採用されつつある。加えて、見落とされがちだが、音声認識技術は障害を持つ人々の生活をより便利にするツールとしても注目することができる。聴覚に障害を持つ人のニーズに対応し、対話者の音声をリアルタイムで文字変換するサービスなどがある。人口減少に向かう日本は、今後今まで以上に一人ひとりが輝く社会を実現しなければならないが、AI音声認識技術はその一端を担うものといえる。

●「AI音声認識」で要マークの7銘柄

 今回のトップ特集では「AI音声認識」関連の銘柄に焦点を当てた。AI音声認識・音声解析技術を活用したサービスを展開している企業については、例えばNEC <6701> [東証P]が独自の音声認識技術を活用したDX支援サービスを提供しているほか、富士通 <6702> [東証P]は発言内容のリアルタイムなテキスト表示のほか、自動翻訳機能を備えた「LiveTalk」を提供する。また、NTT <9432> [東証P]では次世代メディア処理AI「MediaGnosis」を搭載した「SpeechRec」を展開しており、音声認識に加えて、顔画像処理やテキスト処理も実現する。このほか、個人投資家の投資対象として魅力を内包する中小型株を中心に紹介する。

◆Hmcomm <265A> [東証G]~AIを活用した音声認識サービスを展開。産業技術総合研究所(産総研)の研究成果をベースに「音」にこだわった事業を行っており、AI×音声解析技術をコアに、「AI異音検知」「AI音声認識」「AI活用コンサルティング」の三つのソリューションを提供する。自動応答・テキスト化ができる「音声認識・自然言語解析処理システム」により、業務効率化や品質向上の課題解決を支援。

◆ソースネクスト <4344> [東証P]~AI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」を提供する。2022年2月に「ポケトーク」ブランドの事業に関し、会社分割により、子会社ポケトークを設立した。今年10月には、5年ぶりの次世代機となる「ポケトーク S2」を発売。足もとでは25年3月期第2四半期において営業赤字が増えたことが嫌気されたが、「ポケトーク」の売上高については、海外向け販売が急速に伸長している。一方で、次世代機発売により、将来の期間に返品を見込む旧製品にかかわる返金負債を計上した。なお、ポケトークについては、25年中の株式上場を目指す方向に。

◆アドバンスト・メディア <3773> [東証G]~音声認識専業ベンダーであり、音声認識技術「AmiVoice」を提供する。最新のディープラーニング技術を実装し、高い認識率を誇り、自然な話し言葉の認識を実現する。また、幅広い業種の専門用語に対応する音声認識エンジンであり、カスタマイズも可能。9月にはチャットGPTと連携したProVoXT議事録エディタなど、複数の議事録ソリューションを一元化した新しいプラットフォーム「VoXT One」をリリース。

◆CAC Holdings <4725> [東証P]~システム構築や運用管理、人事BPOサービスなどITサービスを提供する独立系システム会社。23年4月にEmpath(東京都渋谷区、現社名Poetics)から音声感情認識AI「Empath」を譲り受け、音声解析AI事業の拡大を推進している。音声感情認識AIは、声に表れる状態をもとに人の感情を解析する。リアルタイムでの解析や感情解析のモデルのチューニングが可能であり、独自開発の統合AI学習環境により音響特徴からさまざまなAIモデルを比較的短期間で創出する。

◆エーアイ <4388> [東証G]~24年10月、AI音声合成のエーアイとAI音声認識のフュートレックが合併し、新生エーアイが誕生。高度なAI音声技術により、文字を入力するだけで、自然で人間的なナレーションの作成ができるAI音声合成と、AI音声認識をはじめとする豊富な音響処理技術を中心にさまざまな製品・サービスを展開する。

◆オプティム <3694> [東証P]~圧倒的な導入実績を誇るMDM(モバイルデバイス管理)・パソコン管理サービス「Optimal Biz」を提供する。10月には音声ソフトウェアの企画・開発を手掛けるボイット社(東京都渋谷区)の「フィールドボイスインカム」における端末管理プラットフォームとして「Optimal Biz」が採用された。フィールドボイスインカムは、AIにより音声認識技術や音声合成技術を有し、現場のコミュニケーションを効率化する。

◆PKSHA Technology <3993> [東証P]~自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開する。「PKSHA Enterprise AI」で蓄積した知見・データを「PKSHA ReSearch」に活用、二つの事業の循環を生むことで、更なる研究・製品品質の向上を図る。また、PKSHA Communicationが提供する「PKSHA Speech Insight」は、パソコンにアプリをインストールするだけで簡単に導入ができ、会話をリアルタイムで自動テキスト化する。

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