後場に注目すべき3つのポイント~引き続きエヌビディア決算待ちで売買手控え
20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、引き続きエヌビディア決算待ちで売買手控え
・ドル・円は伸び悩み、米金利に追随
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位は東京海上<8766>
■日経平均は反落、引き続きエヌビディア決算待ちで売買手控え
日経平均は反落。前日比172.08円安(-0.45%)の38242.35円(出来高概算8億3000万株)で前場の取引を終えている。
19日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は120.66ドル安の43268.94ドル、ナスダックは195.66ポイント高の18987.47で取引を終了した。ウクライナ・ロシア戦争の深刻化懸念に売りが加速し、寄り付き後、大幅安。低調な住宅着工件数を受けて成長懸念も浮上しダウは続落し終日軟調に推移した。一方、ナスダックは半導体エヌビディアの決算への期待や長期金利の低下で上昇に転じ、終盤にかけ上げ幅を拡大し、まちまちで終了。
米国市場が高安まちまちだったことから、東京市場は小動きで取引を開始した。日経平均は前日終値水準でスタートした後は、下げ幅をやや広げる場面も見られたが、売り一巡後は下げ渋る展開となった。引き続き今晩のエヌビディア決算発表を前に様子見姿勢は強まっており、積極的な売買は手控えられ、プライム市場の売買代金は2兆円台に届かなかった。
日経平均採用銘柄では、通期予想を上方修正したものの、政策株式売却益を除いたベースでの利益は実質下方修正だったことから東京海上<8766>が大幅安となったほか、MS&AD<8725>、T&Dホールディングス<8795>も売られた。このほか、京王電鉄<9008>、日産自<7201>、マツダ<7261>、スクリーンHD<7735>、バンナムHD<7832>などが下落した。
一方、好業績のほか配当予想の上方修正や期待以上の自社株買い発表でSOMPO<8630>が買われて上場来高値を更新。また、創業家が今年度中に買収が完了すると報じられたことで7&iHD<3382>が買われ年初来高値を更新したほか、KADOKAWA<9468>の買収協議に入ったと報じられたソニーグループ<6758>も上昇。このほか、コニカミノルタ<4902>、ニデック<6594>、IHI<7013>、日本製鋼所<5631>などが買われた。
業種別では、保険、鉱業、空運、銀行、その他金融などが下落した一方、小売、繊維、電気・ガス、サービス、その他製品などが上昇した。
ランチタイムの為替は1ドル154円後半で推移しているが、為替も方向感に乏しく、株式市場への影響は限定的となっている。後場の東京市場も米エヌビディア決算発表待ちで積極的な売買は手控えられよう。ソニーグループや7&iHD、KADOKAWAなど既に材料が出ている銘柄にのみ関心が向かい、日経平均は38300円水準でのもみ合いを想定する。
■ドル・円は伸び悩み、米金利に追随
20日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。早朝に154円52銭まで下落後は154円99銭まで値を上げる場面があった。ただ、米10年債利回りの上昇は一服し、節目付近の売りに押される展開に。ドルは上値の重さが嫌気され、正午にかけて失速した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は154円52銭から154円99銭、ユーロ・円は163円77銭から164円29銭、ユーロ・ドルは1.0594ドルから1.0609ドル。
■後場のチェック銘柄
・クオリプス<4894>、セルシード<7776>など、3銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位は東京海上<8766>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・10月貿易収支:-4612億円(予想:-3919億円、9月:-2941億円)
【要人発言】
・報道
「プーチン氏、最新の核ドクトリンで核兵器使用の拡大を承認」
「ロシア大統領府、ウクライナが西側ミサイル使用なら核で対抗も」
「ウクライナ、ロシア領内にATACMS使用で初の攻撃」
<国内>
特になし
<海外>
・16:00 英・10月消費者物価指数(前年比予想+2.2%、9月:+1.7%)
・16:00 英・10月生産者物価指数・産出(前年比予想:-1.1%、9月:-0.7%)
《CS》
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