貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,060円
前日比
+810
+3.64%
PTS
23,055.6円
13:07 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.2 5.96 2.48 17.40
時価総額 108,759億円
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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─半導体関連の復活が本格化するか


「半導体関連の復活が本格化するか」

●米大統領選、本格化する企業決算の行方は?

 11月の東京株式市場は、上値を試す展開が予想される。米大統領選が通過することでアク抜け感が出ることが想定されることに加え、日本の第2四半期(4-9月)決算では堅調さが確認されることが要因となる。衆院選の結果自体はネガティブだが、増税などの悪材料も出にくく、来年夏の参院選に向けて当面は中立要因となりそうだ。

 日経平均株価の予想レンジは、3万7500円~4万円程度。4万円以上では戻り待ちの売りが出る公算が大きい。

 注目スケジュールは、米国では11月1日に雇用統計、ISM製造業景況感指数、5日に大統領選挙、7日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表、13日に消費者物価指数(CPI)、15日に小売売上高、27日に個人所得・個人消費支出(PCE)などが予定されている。28日はサンクスギビングデー(感謝祭)で株式市場が休場。翌29日がどんな店も黒字になるというブラックフライデーで、年末商戦が本格化する。

 最大のポイントは、米大統領選挙の行方だ。ハリス副大統領、トランプ前大統領ともに景気刺激策、住宅促進策などを打ち出しているが、トランプ氏が勝利した場合は不規則発言によるリスクが浮上してくる可能性もある。FOMCでは0.25%の利下げが既定路線となっている。

 国内では、中旬にかけて3月期本決算企業の第2四半期(4-9月)の決算発表が本格化してくる。先に公表された日銀短観では利益見通しが上方修正されており、日経平均株価の1株利益(29日時点で2484円)が切り上がるかどうか、市場関係者の関心が高い。なお、日銀金融政策決定会合は11月には開かれず、次回は12月18日~19日の予定となっている。

 また、5日からは東京証券取引所の取引時間が延長される。大引けが現行の15時から30分間伸び、15時30分となる。ザラバの取引終了は15時25分で、新たに導入するクロージング・オークションを15時30分に実施する。寄り付きと同様の手法となり、いわゆる“ザラバ引け”が減少するほか、価格の透明性も高まる。ただ、延長しても、東証が期待する出来高増加にはつながらないとみられる。

●半導体関連を軸に、製薬の営業支援関連にも目配り

 物色では、 半導体関連の復活が本格化する可能性がある。半導体の性能の最終検査を行う装置(テスタ)で世界大手のアドバンテスト <6857> [東証P]が、10月に入って今年2月16日に付けた上場来高値を更新してきたことが背景だ。エヌビディア<NVDA>の次世代AI(人工知能)半導体「ブラックウェル」が25年1~3月にも本格投入される見通しで、後工程で性能を高めるためのHBM(広帯域メモリ)需要が伸びることが予想される。検査装置の高付加価値化を期待した動きになっている。

 後工程では切断・研削・研磨装置で世界首位のディスコ <6146> [東証P]、HBM関連の封止装置を手掛けるTOWA <6315> [東証P]、後工程材料で世界トップのレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]も注目される。なお、エヌビディアの8-10月期決算の発表は11月下旬に予定されている。

 前工程でも東京エレクトロン <8035> [東証P]が4月高値から半年以上となり、信用期日通過で需給が改善傾向となっている。ウエハー洗浄装置のSCREENホールディングス <7735> [東証P]、超純水装置大手の野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証P]、シリコンウエハーの信越化学工業 <4063> [東証P]、SUMCO <3436> [東証P]、検査用器具の日本マイクロニクス <6871> [東証P]なども出直りの機を窺う展開が想定される。

 また、ニデック <6594> [東証P]の決算ではHDDモーターの好調が確認された。パソコンの記憶媒体として主流はSSDに移行しつつあるが、AIデータセンター向けに大量の情報に対応できる点が再評価されているという。HDD関連部材などを扱うニッパツ <5991> [東証P]、ミネベアミツミ <6479> [東証P]、TDK <6762> [東証P]、Mipox <5381> [東証S]、HOYA <7741> [東証P]などにもメリットがありそうだ。

 製薬企業の営業支援をする企業の株価が、ようやく底入れの兆しを見せている。代表的な銘柄であるエムスリー <2413> [東証P]は医療従事者向けサイト「m3.com」上で、医師向けに製薬情報を提供する「MR君」を手掛けている。2020年初からのコロナ禍で製薬企業の営業を担うMR(医薬情報担当者)が病院などへの出入りを制限され、医師は「MR君」を通じて情報を得る機会が増加した。同社の株価は2019年末の3305円が21年1月には1万0675円まで一気に買い進まれた。しかし、その後は新型コロナの感染終息もあり、業績が低迷。株価は24年8月に1126.5円と下落率が9割近い暴落となった。10月に入り見直し買いが入り始めている。同業のメドピア <6095> [東証P]、ケアネット <2150> [東証P]、同様の感覚でメディカル・データ・ビジョン <3902> [東証P]などの押し目はチェックしておきたい。

 8月期本決算や2月期第2四半期決算が好調だったジンズホールディングス <3046> [東証P]、パルグループホールディングス <2726> [東証P]、東宝 <9602> [東証P]、古野電気 <6814> [東証P]なども妙味がある。

(10月30日 記/次回は12月1日配信予定)

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