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米ハイテク株安から利食い売りが優勢に【クロージング】


31日の日経平均は4日ぶりに反落。196.14円安の39081.25円(出来高概算21億9000万株)で取引を終えた。前日までの3日間で1300円超上昇したほか、前日の米国市場でハイテク株が売られたことから、東京市場でもハイテク株中心に利益確定売りが先行して始まった。前場終了後に判明した日銀の金融政策決定会合の結果は想定通り、金融政策の現状維持を決めたものの、展望リポートが想定していたほどハト派的でなかったため、日経平均は後場中盤にかけて38832.21円まで水準を切り下げた。その後は、植田和男日銀総裁の記者会見などを見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がり、総じて39000円台でもみ合っていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、金属製品、海運、陸運、非鉄金属など21業種が上昇。一方、電気機器、パルプ紙、卸売、輸送用機器など12業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、信越化<4063>、フジクラ<5803>、大塚HD<4578>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、京セラ<6971>、TDK<6762>が軟調だった。

前日の米国市場は、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズの決算が失望感を誘いハイテク株を中心に売られた。SOX指数が3%を超える下落率となったことから、東京市場でも半導体関連株を中心に値を消す銘柄が増えた。一方、市場予想を上回る好決算や大規模な自社株買いを発表したアドバンテスが連日で上場来高値を更新し、1銘柄で日経平均を約145円支えていた。

日銀会合では、大方の想定通り金融政策の現状維持が決まったが、取引終了後に予定される植田総裁の記者会見でどのような見解を示すのかに感心があるようだ。9月会合時に述べた「政策判断には時間的余裕がある」との見解を繰り返せば、利上げ観測の後退からドル円相場は円安に大きく振れる可能性があり注目されるだろう。また、米国では、9月の個人消費支出(PCE)物価統計などの経済指標が発表される。インフレの強さが示され、米国の利下げ観測を大きく後退させるものになるのかも確認したい。

《CS》

 提供:フィスコ

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