ハイテク株への資金シフトが意識される/オープニングコメント
22日の日本株市場は、弱含む場面もあろうが、底堅さが意識されやすい相場展開になりそうだ。21日の米国市場はNYダウが344ドル安、ナスダックは50ポイント高だった。9月の米景気先行指数の予想以上の悪化が嫌気されたほか、米長期金利が7月下旬以来の高水準を付けるなか、利益確定の売りが優勢となった。一方で、半導体のエヌビディアや携帯端末のアップルが買われ、ナスダックはプラス圏を回復。シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円高の39025円。円相場は1ドル150円60銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小じっかりで始まりそうだ。NYダウの下落は重荷になるだろうが、エヌビディアが4%を超える上昇で最高値を更新しており、アドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角には支援材料になりそうだ。また、米長期金利が上昇するなか、日米金利差を狙った動きなどが意識されやすいほか、為替市場では円相場が1ドル=150円後半で推移していることから、輸出関連などへの物色が意識されやすい。
一方で、昨日はメガバンクの弱い値動きが目立っていたほか、三菱重<7011>など政策期待で買われていた銘柄の下げが目立っていた。衆院選が迫るなか、政治リスクを警戒した持ち高調整の動きがあったと考えられる。この流れが継続するようだと、ハイテク株への資金シフトに向かわせやすい。ディスコ<6146>の決算反応によってセンチメントも改善傾向にあるため、低迷が続いているハイテク株へは、決算を前に買い戻す動きなども意識されてきそうである。
日経平均株価は、足もとで39000円を挟んでの膠着が続いている。日経225先物はナイトセッションで一時38750円まで売られる場面もあり、先物主導での短期的な売り仕掛けの動きは入りやすいと考えられる。ただし、決算発表が本格化してくるほか、衆院選を前に積極的な売買は手控えられるため、短期的に売られる局面においては、その後のリバウンドを想定した押し目狙いのスタンスに向かわせよう。その他では、決算に絡んだところでは昨夕に決算を発表した南陽<7417>、ケア21<2373>、コーエーテクモ<3635>などが注目されそうだ。
《AK》
提供:フィスコ