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4055 ティアンドエスグループ

東証G
1,925円
前日比
-31
-1.58%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.7 5.99 0.42 2.06
時価総額 147億円
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本格反騰の「時は来た」、半導体復権・大化けへ「超買い場の5銘柄」 <株探トップ特集>


―米ビッグテックのAI投資に陰りなし、FRB利下げ転換で半導体株が再び動き出す―

 週末20日の東京株式市場は3連休前にもかかわらず日経平均株価は大幅続伸、一時800円を超える上昇で、3万8000円台を指呼の間に捉える場面があった。この日の後場取引終了後に植田日銀総裁の記者会見を控え、後半はさすがに伸び悩む展開とはなったものの、前の日に続く大立ち回りで500円を超える上昇で着地した。3万8000円台前半を横に走る中期トレンドの上値抵抗ライン・75日移動平均線をブレークできるかどうか、来週は要注目の場面となっていく。

●悪循環に晒されていた半導体主力セクター

 そうしたなか、動きを一変させているのがレーザーテック <6920> [東証P]やディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]といった 半導体製造装置大手だ。これまで 生成AI市場の拡大を背景に異色の上昇トレンドを構築していた半導体セクターの花形だったが、最近は行き過ぎて買われた反動が表面化、銘柄によって株価波動に跛行色はあるものの総じて深い押し目形成を余儀なくされていた。信用取引を使って買い込んだ個人投資家も多く、これが上値での戻り売り圧力を想起させ、株式需給面でも悪循環に陥った。

 米国では生成AI関連のシンボルストックでもある半導体大手エヌビディア<NVDA>の上値が重く、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も目先的には頭打ちの状況をみせたことで、同じ潮流の中で日本の半導体関連株ももがいていた。

●依然として生成AIはブライトスポット

 しかし、半導体特需の根幹をなす生成AI市場の成長性に対する疑念は次第に払拭されつつある。米ビッグテックはAI分野での主導権を掌握するために資本投下に余念がない。直近ではクラウドソリューション大手のセールスフォース<CRM>とエヌビディアが新型のAI開発で協業する方針を発表。高性能AIを開発し顧客向けに提供するほか、AI搭載のアバターも開発する。米ブラックロック<BLK>とマイクロソフト<MSFT>も連携体制で、データセンター及び電力インフラに投資するファンドを立ち上げる計画にあることが伝わっている。また、米半導体開発・設計のブロードコム<AVGO>のCEOが今月中旬、出演したテレビ番組で、生成AIの基盤となるLLM(大規模言語モデル)をよりレベルアップするために多くのコンピューターのリソースが必須であることを強調、LLMへの継続的投資を続ける蓋然性について熱弁を振るっている。

 生成AIを中心とするAI革命はまだ歴史的には初動で、今の時間軸でバブル云々を論じる段階ではない。実際にエヌビディアはAI用半導体として使われるGPUによって現在進行形で業績を飛躍的に伸ばしている。「仮に今後エヌビディアの収益拡大が鈍化傾向を示したとして、それはAI市場拡大の歴史の中に埋もれる1ページの史実に過ぎず、エヌビディアの業績イコールAI用半導体の成長シナリオという短絡的な認識は大いなる誤謬を生む」(投資顧問系アナリスト)という指摘も聞かれる。

●大局を俯瞰すると見えてくる上値余地

 今年の夏を振り返って、日米ともに半導体セクターに吹く逆風はことのほか厳しいものとなった。AIがもたらす特需に対する行き過ぎた期待の剥落という定義付けは、ある程度は当たっていたが決して正鵠を射るものではなく、事実、最近のビッグテックの経営戦略は、反省をするどころか改めてアクセルを踏み込むような状況となっている。株式需給という観点では、空売りがかなり溜まった状態にある銘柄も多く、その修正エネルギーは株価にダブルバガーやトリプルバガー化に匹敵するような浮揚力を与えるケースも考えられる。

 くしくもFRBは今週行われたFOMCで0.5%の大幅利下げを決定。半導体関連などのハイテクセクターにはいうまでもなく強力な援軍となる。ジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の言を引くわけではないが、半導体セクターは逆襲の株高に向け、まさに「時は来た」といえる場面に遭遇している可能性がある。特に中小型株には、不合理に売り叩かれたことで実態面から明らかに評価不足の株価水準に放置されている銘柄が少なくない。これは日足で近視眼的にみるのではなく、週足で俯瞰すると上値の伸びしろの大きさがよく分かる。今回のトップ特集では、そうした中から業績の様変わりが見込まれる半導体周辺の有望5銘柄を厳選リストアップした。

●際立つ業績変化と成長力、刮目の5銘柄はこれだ

【AIメカはAIサーバー向け半導体需要に刮目】

 AIメカテック <6227> [東証S]は半導体パッケージ関連装置を主力商品として手掛けており、生成AI市場の急拡大を背景としたAIサーバー向けで需要獲得が進んでいる。また、インクジェット・プリンティング・ソリューションでは、有機ELディスプレーや量子ドットディスプレーなど次世代ディスプレーの量産化プロセスで実績が高い。業績は22年6月期以降3期にわたり収益低迷を強いられ、24年6月期は営業利益段階で前の期比55%減益と落ち込んだ。しかし25年6月期は状況が一変、先端半導体向け需要の開拓で飛躍的な急回復が見込まれている。前期比6.2倍の16億2500万円予想と19年6月期に記録した過去最高利益を一気に更新する見通しだ。株価は8月初旬に年初来安値をつけた後はじりじりと水準を切り上げ、直近9月11日には大口受注発表を手掛かりにストップ高に買われ本格反騰の狼煙を上げた。75日移動平均線を足場とした大勢2段上げ局面へと移行し、3000円大台ラインを通過点とするスケールの大きい戻り相場が想定される。

【ワイエイシイはニッチな高技術で株価変貌へ】

 ワイエイシイホールディングス <6298> [東証P]は半導体製造装置や液晶製造装置などメカトロニクス分野を主戦場に、ディスプレー、産業機器、電子機器分野などに幅広く展開。レーザー技術分野ではワイエイシイビームなど有力子会社を擁し、医療・ヘルスケア関連事業でも、米バイオ企業のライナスバイオとの協業で開発した毛髪スライサーなどニッチトップの実力をいかんなく発揮する。業績は既に急成長局面に入っている。トップラインの好調な伸びを反映し、24年3月期に営業34%増益を達成したが、これに続く25年3月期は前期比60%増の32億円予想と飛躍的な伸びを見込んでいる。これは過去最高利益を記録した07年3月期に次ぐ高水準となる。時価予想PERは9倍台にとどまり水準訂正余地が大きいほか、株主還元にも抜かりなく取り組み、年間配当75円は配当利回りに換算して3.5%前後と高い。株価は9月初旬に2200円台で戻り高値を形成後下押していたが、目先切り返しムード。6月19日の年初来高値2779円奪回を視野に入れる展開へ。

【T&S・Gは先端半導体工場向けで実力発揮】

 ティアンドエスグループ <4055> [東証G]は大手メーカーを対象に生産管理システムの受託開発及び運用保守を展開する独立系のシステムインテグレーター。先端半導体工場向けの受託開発で高評価を獲得し、東芝や日立グループのほか、フラッシュメモリーのリーディングカンパニーであるキオクシアを主要顧客としていることでも知られる。また、AI分野に重点を置き、事業育成に本腰を入れAIアルゴリズムの開発などで実績を上げている。業績は18年11月期以降、目覚ましい利益成長で過去最高を更新し続けている。トップラインも20年11月期にわずかに前年実績を下回った以外は増収トレンドを維持。持ち株会社体制への移行で24年9月期は10カ月の変則決算となるが、実質的には大幅増収増益基調を確保する見通し。更に25年9月期も成長路線に陰りはない。株価は直近、8月下旬の戻り高値を払拭し1800円近辺に浮上、中期上昇トレンドへの転換が濃厚で、2000円大台ライン突破は初動に過ぎず、中勢3000円台活躍を目指す大出直り相場が見込める。

【ザインは光半導体分野が成長加速ステージに】

 ザインエレクトロニクス <6769> [東証S]はファブレス半導体の草分けで、特定用途向け半導体を自社ブランドで独自に開発している。信号伝送用などの技術で優位性を持ち、アナログとデジタルの回路を混載したミックスドシグナルLSI製品の開発を主力に、AI・IoT分野で活躍の場を広げている。傘下企業などを通じてAIサーバー事業に傾注していることも特長。AIサーバー処理のレスポンスタイム向上や消費電力削減に大きく貢献する光半導体チップセットの実現で新境地を開拓している。業績変化も目覚ましい。24年12月期はトップラインが44%増収で営業利益は10億2400万円(前期は4000万円の赤字)と変貌を見込む。更に25年12月期以降もAIサーバー関連の需要拡大を背景に2ケタ成長トレンドが続く公算が大きい。株価は9月10日にマドを開けてストップ高に買われた後、1400~1700円のゾーンでの往来を続けているが、中期的には光半導体分野での成長力を背景に株価の居どころを変え、2000円台は通過点となりそうだ。

【助川電気は半導体製造装置と核融合向けで高実績】

 助川電気工業 <7711> [東証S]は熱制御技術で強みを発揮する研究開発型メーカーで、原子力関連機器などで豊富な実績を誇るほか、研究機関向け核融合関連製品分野でも商品競争力の高さで他社と一線を画す。また、国内の半導体製造装置メーカーを顧客に高水準の需要を獲得している点もポイント。製品は主に熱と計測(ヒーターや温度計)関連の商品で、高度な技術力で業界をリードしており、今後国内でも半導体設備の新設・増設が相次ぐなか同社に吹く追い風も強まっていくことが予想される。業績は22年9月期以降、利益の伸び率が目を引く。24年9月期の営業利益は前期比34%増の7億8900万円を見込んでいる。株主還元にも前向きに取り組んでおり、今期は3期連続の増配で年32円配を計画している。株価はここにきて戻り足が鮮明だ。8月後半につけた1718円の直近高値奪回を指呼の間に捉えているが、早晩7月19日の年初来高値1927円の更新を意識する場面を迎えそうだ。2000円台は実質的な青空圏と言ってよく、意外高の可能性を内包する。

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