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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月16日版

日経平均は3万6902円が戻り高値になり、3万1156円目指す公算か
1. NYダウは週明け後に上値を抑えられる公算
  NYダウは9月13日に価格が上昇したことで、3日につけた(9月のそれまでの最高値)4万1489ドルを超えています。
  9月1日、 8日の本コラムでは、「 日経平均株価は9月が下げやすい時期のため、弱気の展開になる場合、月初から下げる傾向がある」と紹介しました。
 NYダウも同様、9月は押し目をつけて上昇を開始することの多い10月を前に、その時点での下値の限界を模索する動きになりやすい時期になっています。
 NYダウの月足が陰線引けした年は、1990年から2023年までの34年間で19回あります。
 9月の月足が陰線引けしている年は、だいたい(19回中、11回が)9月10日の前に(上旬に)9月の最高値をつけて価格が下げています。
 以前に紹介した日経平均株価の場合、月初から価格が下げる場合、そのまま下げの流れを継続する格好になることが多いのですが、NYダウの場合、月初に価格が(比較的大きく)下げても、本年のように値を戻して月初の高値を超える動きになることがあります。
 9月の月足が陰線引けした年で、月初から下げの流れを作った後、値を戻して、10日以降に9月の最高値をつけた年は、1990年、1994年、2002年、2014年の4回あります。
 これらの年は月初の高値を超えた後、すぐに上値を抑えられて下降を開始しています。
 昨年9月は、9月1日の高値3万4979ドルが9月の最高値となって、下降の流れを作っています。14日に3万4977ドルまで値を戻しますが、9月の最高値を更新できずに下降を開始しています。
 月初に数日、比較的値幅の伴った下げを経過した後、上昇を開始して9月の月足が陽線引けした年は、2007年があります。
 2007年は押し目をつけた後、すぐに上昇を開始しますが、9月末の時点で7月につけた年間の最高値を超える動きになっていません。
 9月は価格が上昇するか否かにかかわらず、積極的に年間の最高値を更新する動きになりにくい傾向があります。
 本年はすでに年間の最高値付近に位置しているので、2007年のように押し目をつけた後、一本調子に上昇する動きになる展開を考えにくいといえます。
 以上のことを考慮すると、NYダウは週明け後、8月30日の高値4万1585ドル前後で強く上値を抑えられる動きとなって、その後、月末へ向けて下値を試す流れになると考えられます。
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