今日の為替市場ポイント:原油高を受けてドルは下げ渋る可能性
26日のドル・円は、東京市場では144円34銭から143円45銭まで下落。欧米市場では143円78銭まで下げた後、144円65銭まで反発し、144円54銭で取引終了。本日27日のドル・円は主に144円台で推移か。原油高を受けてドルは下げ渋る可能性がある。
報道によると、リビアの東部トブルクを拠点とする軍事組織は8月26日、東部地域の油田を閉鎖し、生産と輸出を停止すると発表した。同国の中央銀行の総裁人事を巡り、首都トリポリの暫定政権側と対立が生じていることが背景にある。関係筋の話によると、リビア国内の油田の大半は有力軍事組織であるリビア国民軍(LNA)が支配している。石油輸出国機構(OPEC)によると、リビアの7月の石油生産は日量約118万バレル。報道によると、暫定政権とリビア国営石油会社(NOC)は、東部油田の閉鎖や生産停止を認めていないが、NOCの子会社はさまざまな抗議活動や圧力があることを理由に、今後生産を段階的に減らし、最終的に生産が完全に止まることになると伝えている。リビア国民軍と暫定政権の対立が短期間で解消される見込みはないため、リビアからの原油輸出停止で供給不足の懸念が生じることになる。中東情勢の悪化も警戒されており、原油先物(WTI)は今後一段高となる可能性がありそうだ。
《CS》
提供:フィスコ