来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀金融政策決定会合、米FOMC、米雇用統計
■株式相場見通し
予想レンジ:上限38800円-下限37300円
26日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比654.27ドル高(+1.64%)の40589.34ドル、ナスダックは176.16ポイント高(+1.03%)の17357.88、S&P500は59.88ポイント高(+1.11%)の5459.10で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比510円高の38200円で取引を終えた。
日経平均は75日移動平均線を下放れたほか、週足ベースでは13週移動平均線、26週移動平均線ともに下回った。26週移動平均線割れは昨年12月以来のことで、中期的なトレンドが転換した可能性はある。6月26日以降、日経平均は上げ幅を拡大し、7月11日に史上最高値42224.02円をつけたが、11日も含め陰線が非常に目立っており投資家心理の悪化がうかがえる。6月末から7月にかけての上昇時、プライム市場の売買代金は4兆円前後と現物市場は盛り上がりに欠け、先物市場での買戻しが日経平均押し上げ役となった。7月11日は7月オプション特別清算値(SQ値)算出前だったことから、仕掛け的な先物売買が入っていたと推測する。
7月25日は日経平均が8年ぶりの大幅安となったことから、プライム市場の売買代金は5兆円台まで膨らんだが、月末の日米中銀会合など不透明感が強い地合いや円高ドル安進行などが重しとなり、押し目を狙う動きは限定的。投資家のマインドは悪化傾向にあり、なかなか買いを入れられない状況にある。
来週は7月30日-31日に日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC、結果発表は8月1日未明)が開催される。市場では、日銀会合にて国債買入減額スケジュールが発表されるほか、追加の利上げ実施も発表されるとの観測が強い。岸田政権による「早期の金利正常化」のプレッシャーを植田和男日銀総裁が真に受けるとは思わないが、日銀関係者からも利上げに関する話が出ていることで、31日の結果発表時間はランチタイムではなく、後場の取引時間中にずれ込む可能性がある。日銀会合の結果発表が遅くなればなるほど、市場では思惑的な売買が活発化することから31日は慌ただしい一日となりそうだ。FOMCは無風通過を予想する市場関係者が多いことから、31日の日銀会合結果発表と15時30分から開催される植田日銀総裁の記者会見に市場の関心が集まろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。7月30-31日開催の日本銀行金融政策決定会合では、国債買い入れ減額の具体的な計画内容が発表される予定だが、追加利上げの是非について議論されるとみられる。政府・与党からも円安抑止の観点から日銀の金融正常化が言及され、政策決定の注目度が高まっている。ただ、ドル・円相場は一時152円を下回り、ドル高円安はある程度是正されていることから、今回の政策決定会合でも政策金利の据え置きが決定される可能性が高まっている。
一方、同じ日程で行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが予想されている。FOMCの声明内容から年内2回の利下げの手がかりを得ることができれば、リスク選好的な米ドル買い・円売りは抑制されるとみられる。
■来週の注目スケジュール
7月29日(月):国債買い入れオペ、日米豪印外相会合、日米防衛相会談など
7月30日(火):日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目)、独・GDP速報値(4-6月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(4-6月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(5月)、米・JOLTS求人件数(6月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(31日まで)など
7月31日(水):小売売上高(6月)、日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、終了後決定内容発表、植田日銀総裁が会見、外国為替平衡操作の実施状況(6月27日-7月29日)、中・製造業/非製造業/総合PMI(7月)、台湾・GDP(4-6月)、米・ADP全米雇用報告(7月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(7月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見など
8月1日(木):中・財新製造業PMI(7月)、英・イングランド銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・ISM製造業景況指数(7月)など
8月2日(金):米・非農業部門雇用者数(7月)、米・失業率(7月)、米・平均時給(7月)など
《CN》
提供:フィスコ