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4956 コニシ

東証P
1,332円
前日比
-21
-1.55%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.1 1.05 2.48 1.52
時価総額 938億円
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コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー。産業用はじめ幅広い製品群を提供


■事業概要

1. 主要な事業セグメント
コニシ<4956>は、「ボンド」「化成品」「工事事業」の3セグメント及びその他で事業を展開している。2024年3月期の売上高比率は、ボンド53.9%、化成品29.6%、工事事業16.4%、その他0.1%となっている。営業利益(全社消去前)の比率ではボンドが64.2%、化成品が12.8%、工事事業が21.8%、その他1.2%となっている。化成品の利益の比率が低いのは、同事業が仕入販売を行う商社事業であるのに対して、ボンド及び工事事業は自社で製造・販売・エンジニアリング等を行っているためである。2024年3月期は本社ビルの取得に伴う賃貸収入の増加によって「その他」の比率が増加している。

(1) ボンド
ボンドでは、主に一般家庭用、住宅・建材用、産業資材用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープ等の製造・販売を国内外で行っている。アイテム数は「ボンド」のブランドが付く商品だけで3,000以上のアイテムに上り、業界での品揃えは国内で群を抜いている。また、子会社サンライズでは主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造・販売している。もう1つの子会社ウォールボンド工業(株)は壁紙用接着剤の製造・販売を行っている。

(2) 化成品
化成品では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売を行っており、主たる業務は商社的な事業である。最近では自社製品の開発推進や取り扱い商材の拡大などを行い、商社の持つルートの強みを生かした施策に取り組んでいる。

(3) 工事事業
子会社のボンドエンジニアリング(株)、コニシ工営(株)、近畿鉄筋コンクリート(株)、角丸建設(株)、中信建設(株)で手掛ける工事請負事業である。工事請負事業は、主に官公庁、鉄道会社、道路公団等から発注された道路、鉄道、トンネル、橋梁などの補修・改修・補強工事を請負うものである。同社の場合は接着剤メーカーとしてのノウハウや経験を生かした補修・改修・補強工事を専門で行っているのが特色だ。

(4) その他
その他は不動産賃貸業である。以前は売上高・利益ともに微少であったが、本社ビルの取得に伴い収入・利益とも増加した。

2. 市場シェアと競合企業
主力製品である合成接着剤においては生産量ベースでの市場シェアは10%強の水準と推計され、ここ数年はわずかながら上昇トレンドにある。また、金額ベースのシェアにおいては12~13%(建設用シーリング材を除く)と、数量・金額ともに国内市場でトップと推定される。

主な競合企業は、一般家庭用ではセメダイン(株)、住関連用では主にアイカ工業<4206>、(株)オーシカなどである。建設シーリング材ではサンスター技研(株)、シーカ・ハマタイト(株)などと競合する。建設・土木用では、接着剤ではショーボンドマテリアル(株)(旧 ショーボンド化学(株))との競合となるが、実際の工事現場では子会社のボンドエンジニアリングがショーボンド建設(株)と競合する格好となっている。また、工場生産用ではレゾナック・ホールディングス<4004>、ヘンケルジャパン(株)やオーシカ等が競合大手である。また、エレクトロニクス製品の生産用ではセメダインや(株)スリーボンドと競合するが、両面テープまで広げると日東電工<6988>やスリーエムジャパン(株)が競合企業として挙げられる。

3. 特色、強み
同社の特色、強みを要約すると以下のようになる。

(1) ブランド力
同社の最大の強みは「ボンド」の持つ圧倒的なブランド力である。一般家庭向けの「ボンド木工用」から建築用、産業用の「ボンド」まで、老若男女を問わず誰もが「ボンド」の名を知っている。

(2) 製品ラインナップと販売網
製品ラインナップが豊富なことも同社の特色である。幅広い製品ラインナップを揃えているため、需要先も土木、建設、住宅、自動車、電機など多岐にわたっている。そのため、業績は特定の業種や製品に左右されにくく、企業としての収益基盤は安定している。これも同社の強みである。

(3) 接着剤専業としての強み
前述のように、セメダインを除いた多くの競合企業は接着剤の専門メーカーではなく、化学品メーカーが多い。言い換えれば、競合企業にとって接着剤は本業ではなく1つの事業でしかない。これに比べて同社は接着剤専業メーカーであるため、顧客からの信頼は厚い。これも同社の特色であり、強みと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《AS》

 提供:フィスコ

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