リケンNPR Research Memo(9):株主資本コストを上回るROEの実現を目指す
■成長戦略
2. 第一次中期経営計画(2024年度~2026年度)
リケンNPR<6209>は2024年2月に、第一次中期経営計画(2024年度?2026年度)を策定した。中期経営方針を1. 経営統合によるシナジー創出、2. 事業ポートフォリオ改革、3. サステナビリティ経営の強化・成長基盤の整備とした。また、数値目標として、最終年度である2027年3月期の売上高1,800億円、経常利益率9%以上、ROE8%以上を掲げた。なお、「2030Vision」の目標値として、2031年3月期の数値目標を売上高2,000億円、経常利益率12%以上、ROE10%以上としている。
中期定量目標としては、事業統合(2026年4月に完全統合予定)を含めた事業ポートフォリオ改革・シナジー創出・バランスシート最適化に取り組み、株主資本コストを上回るROEの実現を目指す。経営統合シナジーとしては、売上面では相互のブランド力や販売ネットワークの活用、製品ラインナップの充実などによる既存事業のシェア拡大、技術提案型営業体制の確立や水素/代替燃料対応等による多彩なソリューション提供、新製品の創出・事業化が挙げられる。コストシナジーとしては2027年3月期に年間30億円の効果(事業部門では、共同購買による調達コスト削減、ロジスティクス拠点集約、国内外拠点の生産最適化などによる製造コスト削減により14億円。管理部門ではコーポレート機能統合、ITインフラ統合、その他販管費削減により16億円)を計画している。また、中期戦略の着実な遂行やIR活動の充実化を通じた株主資本コストの低減も推進する。キャッシュアロケーションとしては、3年間で創出するキャッシュ630億円(営業キャッシュ・フロー600億円+政策保有株式等の資産売却30億円)を、さらなる成長と株主還元に向けて適切に配分する。具体的には、キャッシュアウトとして株主還元に200億円、設備投資・M&A等の成長投資に400億円、研究開発に従来水準から30億円増加を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《AS》
提供:フィスコ