リケンNPR Research Memo(2):ピストンリングの大手メーカー
■会社概要
1. 会社概要
リケンNPR<6209>は、ピストンリングの大手メーカーであるリケンとNPRが2023年10月2日付で経営統合して設立した持株会社(共同株式移転の方法により設立)である。長年培った両社のブランドを活かしながら、統合的なガバナンスのもとでシナジーを追求し、持続的成長とさらなる企業価値向上を目指す。
2024年3月期末時点の本店所在地は東京都千代田区、本社機能所在地は東京本社(東京都千代田区)、さいたま本社(埼玉県さいたま市)である。また、総資産は218,580百万円、純資産は149,166百万円、自己資本比率は64.2%、発行済株式数は28,141,360株(自己株式3,159株を含む)、連結従業員数は7,036名(国内3,882名、海外3,154名)となっている。同社グループは持株会社である同社、事業会社のリケンとNPR、国内関係会社16社、海外関係会社19社、持分法適用関連会社5社で構成され、グローバルに生産・営業拠点を展開している。
2. 沿革
リケンは、理化学研究所 大河内研究室の海老原敬吉博士が1926年にピストンリングの製造法を発明(各国の特許を取得)し、この発明を企業化する目的で1927年に理化学興業(株)を設立、日本で初めて実用ピストンリングの製造を開始した。その後の改称、分割、合併等を経て1941年に理研工業(株)を設立、さらに戦後の再編を経て1949年に理研柏崎ピストンリング工業(株)(1950年に理研ピストンリング工業(株)に改称)、理研熊谷鋳鉄(株)(1951年に理研鋳鉄(株)に改称)として再出発(リケンの設立)した。そして1952年に東京証券取引所(以下、東証)に株式上場、1979年に商号をリケンに改称した。1960年代からは海外展開を進め、世界の主要自動車メーカーに幅広く製品を供給している。
NPRは、独力で舶用機関の技術を学んだ鈴木友訓氏が1912年に鈴木製作所を開業し、焼玉式船舶エンジンや精米機等の設計製作を開始。ピストンリングの国産化の必要性を痛感した鈴木氏は製作に尽力し、1931年にピストンリングの試作品を完成させ、日本ピストンリング製作所に改称した。1934年に株式会社化し、埼玉県川口市に工場を開設。1945年には空襲で本社社屋を焼失し、終戦で工場を一時閉鎖するも1949年に東証に株式上場。1970年代からは海外展開を強化し、世界の主要自動車メーカーに幅広く製品を供給している。
両社は、それぞれ、ピストンリング製造会社として設立されて以降、長年にわたり世界の自動車産業分野の発展に貢献してきたが、100年に一度と言われる自動車業界の変革の中で、両社に求められる様々な課題に取り組んでいくにあたり、長年培った両社のブランドを活かしながら、統合的なガバナンスのもとでシナジーを追求して行くことが、両社の持続的成長及び企業価値向上を実現する最適な選択であるという認識のもと、2023年10月2日付で経営統合して持株会社を設立し、東証プライム市場に株式上場(完全子会社となったリケンとNPRは2023年9月28日付で上場廃止)した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《AS》
提供:フィスコ