タメニー Research Memo(1):婚活・カジュアルウェディングを主力に高品質サービスを提供
■要約
タメニー<6181>は、企業理念に「よりよい人生をつくる。」、パーパス(存在意義)に「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」を掲げ、婚活事業及びカジュアルウェディング事業を中心に、周辺領域も含めて顧客が求める高品質サービスを創出・提供している。
1. 婚活・カジュアルウェディングの高い信頼性・ブランド認知度が強み
同社は、結婚相談所・オンライン結婚相談所・婚活パーティー・オンライン婚活サービスなどの婚活事業、カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュースなどのカジュアルウェディング事業を中心に、周辺領域として婚活事業者間相互会員紹介プラットフォームや結婚相談所連盟の運営、成婚後サポート・保険代理店、地方自治体向けの婚活支援システム提供や婚活支援センター運営受託なども展開している。全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、業界首位の成婚率など高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。なお2025年3月期よりセグメント区分を3セグメントに変更し、婚活事業(従来の婚活事業+旧ライフ&テック事業のテック分野)、カジュアルウェディング事業(従来どおり)、地方創生/QOL事業(従来の地方創生事業+旧ライフ&テック事業のライフ分野)とする。
2. 2024年3月期はおおむね計画水準の黒字を回復
2024年3月期の業績(非連結決算へ移行)は売上高が5,598百万円、営業利益が77百万円、経常利益が27百万円、当期純利益が3百万円だった。おおむね期初計画水準の黒字を回復した。なお2023年3月期の連結決算との比較で見ると、売上高は5百万円減少、営業利益は228百万円増加、経常利益は257百万円増加、当期純利益は240百万円増加となる。売上面は法人向け事業を譲渡したため小幅減収となったが、カジュアルウェディング事業が回復基調となったことなどにより実質的には増収だった。利益面は、広告効率化や拠点統廃合など前期までに実施した事業構造改革の成果に加え、法人向け事業の譲渡により販管費が減少したため、各利益とも黒字を回復した。なおEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は2022年3月期第2四半期以降、黒字が定着している。
3. 2025年3月期は大幅な増収増益予想、下期から収益回復が本格化
2025年3月期の業績(非連結)予想は売上高が前期比14.3%増の6,400百万円、営業利益が同158.7%増の200百万円、経常利益が同450.7%増の150百万円、当期純利益が150百万円(2024年3月期は3百万円)としている。大幅増収増益予想だ。半期別に見ると上期は広告投資などが先行するが、各種取組施策の成果などにより下期から本格的な収益回復を見込んでいる。重点施策として、婚活事業では拠点拡大などの営業体制強化、TikTokなどSNSを活用した広告の強化、各種IT/DXツールのテスト導入など、カジュアルウェディング事業ではフォトスタジオリニューアルなど既存ブランドの高品質化、新規ブランド立ち上げ、YouTubeなどSNSを活用した広告の強化などを推進するとともに、グループシナジーの向上にも努める。拠点展開においてはFCを活用するなど固定費負担の増加を抑制して収益力の向上を推進する。このように固定費負担を抑えつつ攻めの経営に転じることでグループシナジー向上も期待されることから、収益力回復が鮮明になるだろうと弊社では考えている。
4. 黒字体質が定着し攻めの経営に転換
2024年3月期に当面の目標としていた黒字体質が定着したため、新たに2025年3月期?2027年3月期を対象年度とする第二次中期経営計画を策定し、今後3年間を持続的成長に向けた基盤構築の期間と位置付けて、攻めの経営に転じる方針を打ち出した。基本方針として競争力・生産性強化、人的資本・財務資本強化、社会との共生を推進する。業績目標数値としては、2026年3月期が売上高7,300百万円、営業利益600百万円、2027年3月期が売上高7,700百万円、営業利益900百万円を掲げた。2027年3月期には営業利益率11.7%以上、自己資本比率30.0%を目指す方針だ。婚活事業では結婚相談所「パートナーエージェント」の拠点数を3年で1.5倍以上(FC含む)に増やし、新規入会者数及び在籍会員数の拡大を推進する。カジュアルウェディング事業では新ブランド立ち上げも含めて成約件数、施行件数の拡大を推進する。
5. 収益力回復が想定以上に加速する可能性に注目
同社は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により収益が大幅に悪化し、バランスシートも大きく毀損したが、黒字回復や債務超過回避に向けた経営合理化施策を優先した結果、2024年3月期に目標としていた黒字体質の定着を計画どおり達成した。この点を弊社では高く評価している。今後はバランスシート改善に向けて収益力の向上が課題となるが、第二次中期経営計画において、同社の特徴・強みを生かした攻めの経営に転じる方針を打ち出した。付加価値の高いサービスの提供、グループシナジー向上に向けた施策に加えて、固定費負担を抑えつつ展開エリア・拠点拡大を推進する方針であり、これらの施策によって収益力回復が想定以上に加速する可能性があるだろうと弊社では注目している。
■Key Points
・婚活・カジュアルウェディングを主力に高品質サービスを提供
・2024年3月期はおおむね計画水準の黒字を回復
・2025年3月期は大幅な増収増益予想、下期から収益回復が本格化
・黒字体質が定着し攻めの経営に転換
・収益力回復が想定以上に加速する可能性に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SO》
提供:フィスコ