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9029 ヒガシトゥエンティワン

東証S
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時価総額 133億円
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ヒガシ21 Research Memo(7):2024年3月期は大幅増収増益で過去最高


■業績動向

1. 2024年3月期連結業績の概要
ヒガシトゥエンティワン<9029>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比16.7%増の40,635百万円、営業利益が同14.8%増の2,190百万円、経常利益が同14.0%増の2,309百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同18.8%増の1,506百万円だった。おおむね2023年10月27日付の上方修正予想、売上高40,000百万円、営業利益2,200百万円、経常利益2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,445百万円と同水準の大幅増収増益、過去最高業績で着地した。

売上面では全事業とも拡大した。特に倉庫事業でアマゾンジャパン向け取り引きが拡大、オフィスサービス事業で人員強化による営業活動が好調に推移したほか、その他事業で旅人が通期連結(前期は下期より連結)したことにより大幅増収となった。利益面では、成長投資や増員に伴う人件費等の増加に加えて、大型3PLセンター開設(2023年4月開設の北大阪LC、流山LC、鳴尾浜LC、及び2024年3月開設の神戸西LC)に伴う初期費用(備品・什器・倉庫消耗品等)の発生などがコストアップ要因となったものの、大幅増収効果や適正運賃の受領などで吸収した。売上総利益は前期比10.9%増加したが、売上総利益率は同1.0ポイント低下して19.1%となった。販管費は同9.5%増加したが、販管費比率は同1.0ポイント低下して13.7%となった。営業外収益では助成金収入が同19百万円減少した一方で、保険解約返戻金15百万円を計上した。この結果、営業利益率は同0.1ポイント低下して5.4%、経常利益率は同0.1ポイント低下して5.7%となった。


倉庫事業は一時的費用発生で減益だが大幅増収
2. 報告セグメント別の動向
運送事業の売上高は前期比9.0%増の22,911百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)は同19.8%増の2,800百万円と増収増益だった。前期にあった関西圏での大型オフィス移転案件の反動減があったものの、営業活動の成果により首都圏でのオフィス移転案件が拡大したなか、大手コンビニからのデジタルサイネージのキッティング業務新規受注、ビルデリバリー事業におけるメール室業務の拡大なども寄与した。倉庫事業の売上高は同33.9%増の10,693百万円、利益は同10.5%減の854百万円だった。アマゾンジャパンや大手工作機械メーカーとの取引拡大などにより大幅増収だが、大型3PLセンター開設に伴う初期費用発生の影響で減益だった。商品販売事業の売上高は同10.6%増の4,435百万円、利益は同18.6%増の225百万円だった。関西電力資材調達3PL事業の拡大により2ケタ増収増益となった。ウエルフェア事業の売上高は同9.2%増の1,066百万円、利益は同12.8%増の159百万円と増収増益だった。2023年6月に名古屋南デポを開設したことに伴い福祉用具の新規貸し出しが増加した。その他の売上高は同87.8%増の1,527百万円、利益は同174.1%増の304百万円だった。旅人の通期連結により大幅増収増益となった。


3PL事業とITサービス事業が大幅増収
3. 事業領域別の動向
オフィスサービス事業の売上高は前期比8.2%増の6,547百万円だった。首都圏でのオフィス移転案件が順調に拡大した。3PL事業の売上高は同37.2%増の10,743百万円だった。大型3PLセンターの開設などにより大幅増収だった。ITサービス事業の売上高は同45.7%増の3,563百万円だった。大手コンビニからのデジタルサイネージのキッティング業務新規受注、旅人の通期連結などにより大幅増収だった。ビルデリバリー事業の売上高は同13.6%増の2,008百万円だった。メール室業務の新規受託、既存ビルデリバリー拠点に入居するテナント企業との取引拡大などにより2ケタ増収となった。介護サービス事業の売上高は同9.2%増の1,066百万円だった。福祉用具レンタル増加により増収となった。基幹事業の売上高は同6.2%増の16,705百万円だった。大口顧客によるカタログ発送業務の受注や全体的な取扱物量増加により順調に拡大した。


財務の健全性維持、資本効率向上が進展
4. 財務の状況
財務面については、2024年3月期末の資産合計は前期末比4,308百万円増加して25,535百万円となった。主に営業未収入金及び契約資産が658百万円増加、倉庫開設に伴い機械及び装置が774百万円増加、新倉庫建設用地購入により土地が646百万円増加、新倉庫建設に伴う手付金支払等により建設仮勘定が1,350百万円増加した。負債合計は同2,867百万円増加して13,223百万円となった。主に営業未払金が358百万円増加、新規リース契約等により固定負債のリース債務が404百万円増加した。また設備投資充当等で有利子負債残高(長短借入金合計)が同1,447百万円増加して5,192百万円となった。純資産合計は利益剰余金の増加等で同1,440百万円増加して12,311百万円となった。

この結果、自己資本比率は48.2%で同3.0ポイント低下したが、業容拡大に伴う資産の増加が主因であり、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持していることなどから、財務の健全性は引き続き良好と弊社では考えている。またROE(自己資本当期純利益率)は同0.8ポイント上昇して13.0%となった。財務の健全性が維持されていることに加え、資本効率が向上していることも弊社は評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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