ヒガシ21 Research Memo(2):関西発祥のユニークな総合物流企業
■会社概要
1. 会社概要
ヒガシトゥエンティワン<9029>は関西を発祥とする総合物流企業である。スローガンに「Evolution for Customers-全進で未来へ“シンカ”」を掲げ、高度な物流設計力や強固な顧客基盤を強みとして、M&Aも活用しながら基幹事業や首都圏ビジネスの拡大を推進するとともに、付加価値の高い物流サービスや、一般運送事業とは性格が異なる周辺領域・成長領域の物流サービスへ積極展開するユニークな総合物流企業である。
本社は大阪市中央区、東京本社は東京都港区にあり、事業所は大阪府茨木市(茨木総合物流グループ、関電物流グループ)、大阪市西淀川区(阪神総合物流グループ)、東京都板橋区(東京総合物流グループ)、滋賀県野洲市(京滋総合物流グループ)等に展開している。また、アマゾンジャパン向け3PL業務を行う物流センターとして、東大阪LC、門真LC、流山LC、鳴尾浜LC、北大阪LC、神戸西LCと展開し、2024年8月には、川西LCを稼働開始予定としている。
2024年3月期末の総資産は25,535百万円、純資産は12,311百万円、自己資本比率は48.2%、発行済株式数は13,264,000株(自己株式89,525株を含む)である。グループは同社、及び連結子会社8社で構成されている。連結子会社はユートランスシステム(株)、(株)イシカワコーポレーション、(株)FMサポート21、(株)トランスポート21、(株)ワールドコーポレーション、ヒガシオフィスサービス(株)、山神運輸工業(株)、及び(株)旅人である。
2. 沿革
1944年12月に大阪陸運局運送事業免許第一号会社として、大阪貨物自動車運輸(株)をはじめとする大阪市東区内の運送会社13社が統合して大阪東運送(株)を設立した。その後、経営基盤強化のため1947年11月に日本生命保険(相)が資本参加した。1985年8月にはヒガシ運送サービス(株)に、2002年2月には現在の社名である(株)ヒガシトゥエンティワンに商号変更した。また、2005年3月にジャスダック証券取引所に上場、2011年9月に東京証券取引所(以下、東証)第2部に上場、2022年4月の東証市場再編に伴い東証スタンダード市場へ移行した。
2016年以降は事業拡大に向けてM&Aを積極活用し、一般運送事業とは性格が異なる事業の拡大や将来的な持株会社への移行も視野に入れた分社化を推進している。具体的には、2016年1月にユートランスシステムを完全子会社化、2016年4月にワールドコーポレーションに出資(2020年1月に完全子会社化)、2017年7月にイシカワコーポレーションを完全子会社化、同年9月にトランスポート21を設立した。2018年4月にはビルデリバリー事業をFMサポート21に、2020年10月に事務所移転・引越事業をヒガシオフィスサービスにそれぞれ承継、2022年2月には山神運輸工業を、同年8月に旅人を完全子会社化した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ