貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7911 TOPPAN

東証P
4,026円
前日比
+62
+1.56%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.1 0.86 1.19 13.29
時価総額 12,831億円
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ベルシス24 Research Memo(1):「中期経営計画2025」の達成に向け、生成AI活用に取り組む


■要約

ベルシステム24ホールディングス<6183>は東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する国内コンタクトセンター大手で、傘下に子会社6社を持ち、CRM(Customer Relationship Management:顧客管理)を主たる事業として全国で事業展開している。2024年2月末現在、全国37拠点、約3万5千人の従業員、国内最大規模のCRMクラウド基盤(複数の拠点を1つの仮想コールセンターに統合。先端のクラウドテクノロジーを利用し、高信頼性とコストメリットを両立させた、クラウド型のコールセンターシステム)を擁し、伊藤忠商事<8001>、TOPPANホールディングス<7911>との資本業務提携を最大限に活用して、「中期経営計画2025」を推進し、企業価値のさらなる向上を目指している。

1. 2024年2月期の業績概要
2024年2月期の連結業績は、売上収益148,717百万円(前期比4.7%減)、営業利益11,479百万円(同23.0%減)、税引前利益11,225百万円(同20.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,545百万円(同19.1%減)と、減収減益決算となった。期初予想比では売上収益は5.3%減、営業利益も16.8%減となった。売上収益のうち、基礎業務は新規・既存業務の着実な拡大や新規連結子会社の売上収益増加により1,391.9億円(前期比4.6%増)であったが、コロナ等国策関連業務(コロナ関連業務に加えて物価高対策等の経済対策に関連した業務が対象)がワクチン関連業務の減少に伴い89.2億円(同59.7%減)と大幅に減少したことが響いた。営業利益段階では、基礎業務の増収効果はあるものの、高収益のコロナ等国策関連業務減少に伴い減益となった。親会社の所有者に帰属する当期利益も、持分法による投資損益の増加等はあったが、営業利益減少の影響から減益にとどまった。この結果、営業利益率は7.7%に低下した。一方、財務面においては、自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は38.0%に上昇した。2023年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率5.4%、自己資本比率5.7%を大きく上回り、引き続き同社の収益性や安全性は極めて高いと評価できる。減益決算ながら、1株当たりの年間配当金は60円と前期と同水準を維持し、株主重視の経営姿勢を示している。

2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の連結業績は、売上収益153,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益12,500百万円(同8.9%増)、税引前利益12,200百万円(同8.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,000百万円(同6.0%増)の増収増益を予想する。売上収益は人材不足等によるアウトソース需要の拡大やDXソリューション等の新サービスにより基礎業務が大幅に増加する一方、コロナ等国策関連業務ではコロナ関連の大規模業務はほぼ終了が見込まれることで大幅減少を予想する。営業利益は、基礎業務の増収効果に加え連結子会社の業績伸長もあって売上総利益の増加を見込み、販管費の増加を吸収して増益を予想する。親会社の所有者に帰属する当期利益も、営業利益の増加に伴い増益を見込んでいる。年間配当予想が60円に据え置かれ、配当性向は55.0%(同3.5pt減)に低下する見込みだが、今後も連結配当性向50%を基本方針として、さらには前期を下回らない配当の実現を目指す。

3. 中期経営計画
「中期経営計画2025」(2024年2月期~2026年2月期)では、最終年度の売上収益1,800億円、営業利益165億円(営業利益率9.2%)、税引後利益110億円、ROE14.4%、配当性向50%を掲げている。売上収益は年平均7.1%増、税引後利益は同11.8%増を計画する意欲的な目標である。この定量目標を実現するための重点施策として、1) 人材:総力4万人の最大活躍、2) 型化:データ活用の高度化、3) 共創:NEW BPO※1領域開拓、の3つを掲げる。同時に人的資本戦略やサステナビリティ(持続可能性)にも積極的に取り組む計画で、ESG※2投資拡大の潮流もあり、今後の成果が期待される。中期経営計画の初年度業績は計画を下回る厳しいスタートになったが、生成AI(学習データをもとに、テキストや画像など新たなデータを創出する人工知能)導入に向けた取り組みや自治体向けDXサービスの提供などにおいて成果を出しており、2年目以降の巻き返しが期待される。

※1 BPO:Business Process Outsourcing。業務プロセを外部委託すること。
※2 ESG:21ページ参照

■Key Points
・全国に事業展開するコンタクトセンター大手で、伊藤忠商事、TOPPANホールディングスとの資本業務提携を最大限に活用
・2024年2月期は、コロナ等国策関連業務の減少が響き減収減益ながら、主力の基礎業務は着実に拡大。営業利益率、自己資本比率は東証プライム市場サービス業平均を大きく上回り、収益性・安全性は極めて高い。配当を据え置き、株主還元にも十分に配慮
・2025年2月期は、基礎業務や連結子会社の貢献から増収増益を計画。連結配当性向50%を基本方針として前期並みの配当を予定
・「中期経営計画2025」は、売上収益は年平均7.1%増、税引後利益は同11.8%増を目指す意欲的な目標。計画初年度は厳しいスタートだが、生成AI導入に向けた取り組みや自治体向けDXサービスの提供などに成果

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《HH》

 提供:フィスコ

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