GセブンHD Research Memo(1):業務スーパー事業でM&Aを実施、2025年3月期は3期ぶりに最高益更新へ
■要約
G-7ホールディングス<7508>は、「オートバックス」「業務スーパー」のフランチャイジーとして国内最多店舗数を運営する子会社を有する持株会社である。従業員1人当たりの生産性、在庫回転率などを重視した店舗収益力を強みに、M&Aを積極的に活用しながら成長を続けている。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の売上高は前期比9.1%増の192,992百万円、経常利益は同7.4%増の7,318百万円と増収増益で着地した。売上高は業務スーパー事業や精肉事業の伸長に加えて、車関連事業で海外向け中古自動車販売が好調に推移したこともあって、会社計画(185,000百万円)を上回り連続で過去最高を更新した。一方、利益面では暖冬の影響による冬用タイヤの販売低迷等により車関連事業が減益となったものの、業務スーパー事業や精肉事業の増収効果に加えて、ミニスーパー「リコス」及び農産物直売所「めぐみの郷」の不採算店舗を整理した効果によってカバーし、2期ぶりの増益に転じた。なお、グループ店舗数は前期末比で11店舗増(出店24店舗、退店13店舗)の608店舗となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の売上高は前期比14.0%増の220,000百万円、経常利益は同16.1%増の8,500百万円と2ケタ増収増益を見込み、3期ぶりに最高益を更新する見通しだ。出店計画は27店舗で、好調が続いている「業務スーパー」「お肉のてらばやし」を積極出店していく。前期に減益となった車関連事業もタイヤ販売の回復により増収増益を見込む。なお、同社は業務スーパー事業のさらなる拡大に取り組むべく、首都圏で「業務スーパー」15店舗を運営する(株)ボン・サンテの全株式を2024年7月に取得し子会社化することを発表したが、2025年3月期の業績計画に織り込み済みとなっている。
3. 中期経営計画の進捗状況
2022年3月期からスタートした5ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を目標に掲げていた。2024年3月期までは出店コストや人件費の上昇などもあって計画を下回る進捗となっていたが、今後2期間でM&Aも活用しながら業務スーパー事業など好調な事業への積極投資、並びに新規事業・新業態の開発を進め、計画達成を目指す。なお、株主還元については連結配当性向30%を目安に安定かつ継続的な配当を実施する方針に変わりない。
■Key Points
・2024年3月期は業務スーパー事業がけん引し過去最高売上を更新、各利益も2期ぶりの増益に転じる
・2025年3月期は業務スーパー事業のM&A効果もあり2ケタ増収、各利益とも3期ぶりに過去最高益を更新する見通し
・M&Aも活用しながら2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を目指す
・配当性向30%を目安に9期連続増配を継続中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SO》
提供:フィスコ