SI Research Memo(5):2024年2月期はERP事業が好調に推移し、売上高は2期ぶりに過去最高を更新
■業績動向
1. 2024年2月期の業績概要
システムインテグレータ<3826>の2024年2月期の業績は、売上高で前期比7.8%増の4,835百万円、営業利益で同19.3%減の328百万円、経常利益で同19.3%減の336百万円、当期純利益で同237.2%増の944百万円となった。
売上高はE-Commerce事業の減収分を、ERP事業やObject Browser事業の増収でカバーして2期ぶりに過去最高を更新した。売上総利益率はE-Commerce事業やAI事業における案件数不足によりエンジニアの稼働率が低下したこと(前期比0.8ポイント低下の60.6%)、並びに売上構成比の変化(ERP事業が68.1%と同6.7ポイント上昇)により前期の35.1%から33.7%に低下したものの、金額ベースでは同3.3%増の1,628百万円と増益を確保した。一方で、販管費が人件費※の増加(同75百万円増)や研究開発費の増加(同23百万円増)、子会社の新設並びに株式売却などに関連した諸費用の計上を主因として同11.1%増の1,300百万円となったことで、営業利益及び経常利益は減益となった。事業セグメント別では、E-Commerce事業とAI事業の減益及び損失拡大をERP事業とObject Browser事業の増益でカバーしたものの、一般管理費が116百万円増加したことが減益要因となった。ただ、特別利益としてDGコマースの株式売却益868百万円、投資有価証券売却益88百万円を計上したことにより、当期純利益は5期ぶりに過去最高益を更新した(2019年2月期:578百万円)。なお、期末の従業員数は前期末比17名減の216名となったが、このうち32名はE-Commerce事業の分社化によるエンジニアの転籍によるものであり、実質ベースでは15名増とおおむね計画通りの増員となった。
※人件費のなかに、採用費や教育費を含む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SO》
提供:フィスコ