兵機海運---24年3月期は経常利益以下が増益、期末の配当の増配を発表
兵機海運<9362>は13日、2024年3月期決算を発表した。売上高が前期比20.3%減の146.36億円、営業利益が同7.2%減の5.19億円、経常利益が同10.9%増の6.78億円、当期純利益が同16.8%増の5.12億円となった。
海運事業について、内航事業の売上高は69.30億円、営業利益は3.08億円となった。当期の鋼材及び原材料スクラップの鉄鋼輸送は、前年同期比で4.5%減の輸送量となり、伸び悩んだ。また、船舶燃料油の高止まり、船員確保のための労務環境改善に係る費用や船団維持に欠かせない傭船費用の引上げ、新船建造費用やドック費用の高騰など、年々運航コストの増加が続いている。外航事業の売上高は12.93億円、営業利益は1.01億円となった。運航サービスを提供していた極東ロシア向けの航路は、経済制裁により顧客の輸出入貿易が中長期的に再開出来ないため、当航路に投入していた自社船を売船し、船舶維持管理コストの改善を図った。中国、台湾、韓国など他の航路については、顧客のニーズに合った運航サービスを提供し、収益の確保に努めた。
港運・倉庫事業について、港運事業の売上高は48.19億円、営業利益は1.01億円となった。日本の主要な貿易国である中国の景気が減速した影響と円安影響で輸入貨物の取扱いは伸び悩んだが、輸出をメインとする主要顧客の取扱いは安定して推移した。また、海上コンテナ輸送料金などの価格改定や新規顧客の獲得のため、他のセグメントとの共同セールスを行い、営業利益の確保に努めた。倉庫事業の売上高は15.92億円、営業利益は0.08億円となった。輸出入コンテナ貨物の作業を主とする神戸、大阪の一般倉庫は、中国景気後退の影響を受け、前期比較で取扱いコンテナ本数及び関連する梱包などの付帯作業が減少した。また、前期堅調であった姫路倉庫の鋼材取扱いも減少した。更には、兵庫埠頭物流センターでの危険品の取扱いも、競合他社が危険品倉庫を新設し始め、受注競争が始まり伸び悩んだ。
2025年3月期通期の業績予想については、売上高が前期比4.3%減の140.00億円、営業利益が同7.7%増の5.60億円、経常利益が同11.6%減の6.00億円、当期純利益が同18.0%減の4.20億円を見込んでいる。
また、同日、2024年3月期の期末配当金について、1株当たり配当金を前回発表予想から18.00円増配の130.00円とすることを発表した。これにより通期での配当は130.00円(前期比15.00円増)となる。
《SI》
提供:フィスコ