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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6617 東光高岳

東証P
2,018円
前日比
+6
+0.30%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.1 0.55 2.48 30.15
時価総額 328億円
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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─好実態の売られすぎ銘柄に投資チャンスあり!


「好実態の売られすぎ銘柄に投資チャンスあり!」

●円安は当面続くか、その真因は国内にあらず

 日銀の金融政策が読みにくくなってきた。円安が進行し1ドル=155円台に下げたところで開催された4月の金融政策決定会合だったため、さすがに追加利上げを実施するか、もしくはそれを示唆する発言がありそうだったのだが、植田総裁は金融政策の現状維持を決めた。

 3月の会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切ったばかりであることを考えると、今月も続けて利上げするわけにいかなかったのだろう。数カ月は様子を見たいだろうからだ。

 金融市場にとって、それはもちろん円売り要因となる。実際、ドル円は156円台に入った。実は為替政策に責任を持つのは、日銀ではない。市場介入は財務大臣の専権事項であり、日銀は財務大臣の代理人として、その指示に基づいて介入の実務を遂行するとされているのだ。円安になると、われわれは「日銀がなんとかしてくれるだろう」と期待してしまうのだが、日銀にいわせると「財務大臣に言ってくれ」となろう。

 今回、日銀が円安対策をとらなかったのは、財務大臣からの指示がなかったことになる。このところ財務大臣は記者たちの質問に、「注意深く見守っている」との発言を繰り返していた。これはまだ介入するつもりがないとの意味に取れる。介入する意図があるのであれば、「為替市場に行き過ぎた動きがある場合、あらゆる選択肢を排除せず、断固たる対応をとる」と発言するだろう。

 ところが、いまのところ鈴木財務大臣は、こうした強い発言をしていない。連休中、もしくは連休の谷間でそんな発言をする機会があるかもしれないが、この原稿を書いている時点ではそれはなく、当面は円安が続くと見ておきたい。もちろん、市場介入すれば円の反発はあり得るが、残念ながらそれは長続きしないだろう。円安の真因は国内になく、米国金利の高止まりにあるからだ。

●冷静に急落銘柄を見直せば……

 為替がこんな状況にあるため、東京市場は高値波乱の日々だ。そこに日米ともに決算の発表が重なり、東京市場では日本ゼオン <4205> [東証P]や富士通ゼネラル <6755> [東証P]、野村不動産ホールディングス <3231> [東証P]のように急騰する銘柄がある一方で、信越化学工業 <4063> [東証P]や東光高岳 <6617> [東証P]、マブチモーター <6592> [東証P]、ジェイテクト <6473> [東証P]、MonotaRO <3064> [東証P]、三菱鉛筆 <7976> [東証P]など急落する銘柄も目立つ。

 なんとも乱暴な動きで、まさに「決算発表は怖い」となってしまうのだが、少し冷静になってそれら急落した銘柄を見直してみると、なにもこんなに売られなくてもよいのではないか――こう思える銘柄もある。決算や決算予想の数字がわずかに期待に届かなかったというだけで、売り崩された銘柄もある。それらはゴールデンウイーク明け辺りから次第に見直される可能性が高そうなので、今後は新規投資の対象としたい。

 注目銘柄だが、まずはアイシン <7259> [東証P]になる。トヨタ系の自動車部品メーカーであり、特に駆動力を伝えるパワートレインに強い。トヨタ車の生産・販売ともに絶好調状態にあることを考えると、26日の6.98%安は売られ過ぎだろう。少しでも反発の兆しがあれば投資しておきたい。

 筆記具メーカーの三菱鉛筆も同日7.63%の下げとなり、かなりの下落となったが、この企業は電子部品などを製造販売しているわけではなく、「uni」ブランドのボールペンを中心に筆記具を一本一本売っている。そのため、収益が急増することはないのに、市場はそれを期待しているようで、収益の伸びが期待外れだったとして株は売られた。しかし、地道なビジネスなのだから、今後はそれに気づいた投資家たちの買い直しが見込める。

 私の大好き銘柄の一つであるMonotaROも売りの対象となり、7.76%安に。工場・工事用間接各種資材のネット販売に強く、Amazonと違う商品が多数揃っているため、建設、その他軽作業などの用品購入は、MonotaROを使うという会社や個人も多いはずだ。ところが、株式市場はそんな点には関心がなかったようで売られる一方となった。これまた見直されるだろう。

 4月24日に24年3月期決算を発表、翌25日に8.0%安といきなり大きく売り込まれたのが日本高純度化学 <4973> [東証P]だ。25年3月期は3期ぶりに増収増益に転換の予想だったので、株価は上がってもおかしくなかったのだがそうはならなかった。ガイダンスは信頼できないということだったのだろう。しかし、電子部品用メッキ薬の需要は今後、縮小よりも拡大が見込めることを考えると、株価は復活方向に転じると見る。

 最後に、モリタホールディングス <6455> [東証P]を。消防車で首位、国内シェアの実に6割を占めており、消防車といえば「モリタ」といわれるほど高いブランド力を持っている。26日引け後に発表した決算では、25年3月期予想は前期に比べて売上高、利益ともに伸び率は低下した。しかし、急激に利益が増えてまた急激に減少する、こうした企業より、手堅く収益が伸びる同社のような企業の方が投資しやすいため、浅い押し目を見逃さないようにしたい。

2024年4月26日 記

★4月30日~5月6日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、"35本"配信します。ご期待ください。
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