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176A レジル

東証G
1,743円
前日比
-176
-9.17%
PTS
1,743円
22:33 12/11
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.8 3.81 2.07
時価総額 325億円
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明日の株式相場に向けて=渇望される米利下げと恐怖のアノマリー

 きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比113円高の3万7552円と続伸。日経平均は高かったものの、ショート筋の買い戻しが一巡すると実需の買いが続かず戻りの勢いは弱い。取引開始直後に380円ほど上昇したが、ほぼ寄り天状態で下値を切り下げ、マイナス圏に沈む場面もあった。相変わらず半導体関連が冴えない。売買代金で圧倒的首位の座をキープしたレーザーテック<6920>が、断崖チャートを形成し連日の年初来安値に叩かれているというのもある種異様な光景である。

 前日の欧州株市場はイタリアを除きほぼ全面高、米国株市場でもようやくハイテク株が買い戻される展開となり、ナスダック総合株価指数が7日ぶりに反発した。これに円安が加わり東京市場にとっても流れは悪くなかったが、強かったのはスタート直後だけで、後は例によって慣性の法則で坂道を転がるように軟化した。売り一巡後に日経平均は再び上昇に転じたとはいえ、終始覇気の感じられない地合いだった。

 米国に続き日本でも企業の決算発表が本格化するなか、全体観として市場関係者は一様に日米揃って好調な決算内容を予想する。だが、逆に期待のハードルが高いことがリスクとして意識され、ちょっと手が出しにくいというのが投資家の本音といえる。また、今の株式市場には何か需給面で芳しくない事情を暗示するような上値の重さがある。「ヘッジファンドの売り仕掛けといった投機性の強い戦略的売買ではなく、過剰に組み入れ過ぎたファンドのロングポジション調整が相次ぎ、束になることで増幅されたような、合成の誤謬的な売り圧力」(中堅証券ストラテジスト)という見方もある。

 一体、今のリスクオフの正体は何か。米国の政策金利が5.25~5.5%と高止まりする中で、米国経済の強さが七不思議のように取り沙汰されているが、マーケットはその経済の強さが実はイミテーションではないかという疑念を持ち始めているのではないか。世界株市場を牽引してきた米国株が危機的な下げに遭遇するとすれば、強すぎるはずの経済が、急転直下で冷え込むような場面が想定された時。長短金利の逆転現象(米10年債利回りと2年債利回りの逆イールド)が長く続いているが、もしこの金利差が急速に縮小する動きをみせたら、その時は投資家も身構えなければならない。

 一部報道では米国債の逆イールドは3月下旬時点で過去最長を更新したもようで、それまでは1978年オイルショック時に記録した624営業日が最長だったという。なお、市場関係者は「リーマン・ショックがあった2008年にも540日にわたる逆イールドが生じている」(ネット証券アナリスト)と指摘する。この逆転現象が修正されるとすれば、FRBによる利下げ開始が挙げられる。今はその時期の後ずれ観測が相場の重荷となっているが、利下げによる逆イールド解消はリセッションが始まる直前に実現するケースが多い。利下げが経済の実勢悪のスピードに追いつかないためだ。そして、過去のケースから逆イールドはその期間が長いほど景気の谷も深く、株価の下振れ余地もそれに連動する。今はまだモラトリアムな時間帯にあるが、米利下げに対する渇望は、実はその瞬間が近づくほどに相場がリスクオフモードに傾くという皮肉な結末となる可能性もある。

 きょうの東京市場に目を向けると、プライム市場の覇気のなさはともかく、グロース市場の弱さが気になるところ。グロース市場指数、グロース250指数ともに水準的には大底圏で拾い場を示唆しているように見えるが、売買代金の少なさが投資マインドの低迷を如実に物語る。短期スタンスで臨むなら唯一の例外エリアが直近IPOのリバウンドで、人工知能(AI)関連の新星トライアルホールディングス<141A>や、サイバー防衛の精鋭カウリス<153A>などに着目してみるのも一法だ。

 あすのスケジュールでは、3月の企業向けサービス価格指数が朝方取引開始前に開示される。また、環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」の運用を開始する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にレジル<176A>が新規上場する。また、ファナック<6954>の3月期通期決算やキヤノン<7751>の1~3月期決算が発表される。海外では、インドネシア中銀が政策金利を発表するほか、4月の独Ifo企業景況感指数、3月の米耐久財受注額などにマーケットの視線が集まる。主要企業の決算発表ではメタ・プラットフォームズ<META>、IBM<IBM>、ボーイング<BA>などが予定されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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