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3930 はてな

東証G
906円
前日比
-1
-0.11%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.1 1.05
時価総額 27.8億円
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決算発表予定日

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はてな Research Memo(1):大型受託開発案件「少年ジャンプ+」アプリを提供開始。大幅な売上貢献に期待


■要約

はてな<3930>は、2001年設立のインターネットサービス企業である。国内最大級のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」やブログサービス「はてなブログ」などのコンテンツプラットフォームサービスをベースに、その技術・ノウハウを生かして、コンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービス等へと展開している。SaaS等のストック型収入が売上高の4割強(2024年7月期第2四半期累計実績)を占める。

1. 2024年7月期第2四半期累計の業績概要
2024年7月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比3.4%増の1,622百万円、営業利益が同82.5%減の17百万円と増収減益となったが、概ね順調な進捗となった。売上高は広告収入の減少を主因としてコンテンツプラットフォームサービスやコンテンツマーケティングサービスがそれぞれ減収となったものの、マンガビューア「GigaViewer(ギガビューワ)」の大型開発案件やその他運用保守サービスを中心にテクノロジーソリューションサービスが同11.7%増と好調に推移したことが増収要因となった。利益面では、積極的な人材採用による人件費の増加に加えて、データセンター(以下、DC)利用料の増加が減益要因となった。

2. 2024年7月期の業績見通し
2024年7月期の業績見通しは、売上高で前期比9.6%増の3,452百万円、営業利益で同72.3%減の48百万円と期初計画を据え置いた。売上高はコンテンツプラットフォームサービスの減収傾向が続くものの、テクノロジーソリューションサービスが好調を持続するほか、コンテンツマーケティングサービスも新規顧客の獲得や既存顧客のアップセルに注力することで下期は回復に転じる見通し。テクノロジーソリューションサービスでは、「GigaViewer」関連の売上拡大が続く見通し。既存導入先における運用料やレベニューシェア型契約(広告運用、ポイント販売等を含めたマネタイズ支援)が伸長するほか、大型案件であった(株)集英社の「少年ジャンプ+」向け「GigaViewer for Apps」も2024年3月29日付で提供開始したことを発表、レベニューシェア型の大幅な売上貢献が期待できる。利益面では、前期に引き続き人件費やDC利用料、広告運用原価、外注費・業務委託費の増加が減益要因となるが、第2四半期までは概ね計画どおりに推移しており、会社計画は達成可能な水準と弊社では見ている。

3. 成長戦略
同社は中期的にはテクノロジーソリューションサービスを成長エンジンとして、年率15%前後の売上成長を目指す。利益面でも、2025年7月期以降は増収効果により人件費やDC利用料の対売上比率低下が見込まれることから、増益基調に転じるものと予想される。テクノロジーソリューションサービスでは、Web版のマンガビューワを導入している顧客(メディア数で21件)に対して、アプリ版を導入提案していくことで事業規模の拡大を図っていく。Web版に対してアプリ版は課金額が大きいため、レベニューシェアによる収益貢献度合いも一段と大きくなることが予想される。一方、直近伸び悩んでいた「Mackerel」については、情報セキュリティ管理システム(ISMS)の国際規格及び国内規格の認証を2024年2月に取得したほか、2024年後半には「次世代Mackerelアーキテクチャー※」の正規版をリリースする予定で、2025年以降に再成長期に入る見通し。料金体系も2024年後半に見直す予定で、収益圧迫要因となっていたDC利用料の負担軽減が進むものと期待される。2025年7月期以降は、マンガビューワや「次世代Mackerel」が収益のけん引役となり、3年後に利益ベースで過去最高更新が射程圏に入るものと弊社では見ている。

※サーバーのソフトウェアの状況等を監視するためのオープンソースによる標準化規格「OpenTelemetry」に対応したサービス。従来は独自規格であったため、容易に導入できなかった企業に対して導入が進みやすくなるといった効果が期待される。「OpenTelemetry」とは、ソフトウェアのテレメトリーデータ(トレース、メトリック、ログ)を収集し、監視と分析のために遠隔地に送信するための標準化規格。


■Key Points
・2024年7月期第2四半期累計業績は増収減益となるも概ね順調に進捗
・2024年7月期業績は期初計画を据え置き、成長の源泉となるエンジニアの増強が順調に進む
・「GigaViewer」「次世代Mackerel」を成長エンジンに2025年7月期以降、利益は再拡大期に入る見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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