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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8914 エリアリンク

東証S
2,127円
前日比
+61
+2.95%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.5 2.07 2.02 30.23
時価総額 551億円
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エリアリンク Research Memo(1):ストックビジネスへの構造改革が完了し出店を加速。ストレージ事業が急拡大


■要約

エリアリンク<8914>は、「ハローストレージ」のブランドで知られるストレージ業界のトップ企業である。ストレージを通じて人々の豊かな暮らしに貢献するとともに、顧客から継続的な収益を得るストックビジネスによる成長加速を目指している。少人数経営を維持しながら、安定収益を生むストレージ運用を事業の柱としており、景気変動にかかわらず利益成長を続けることで、業界の一層の発展をリードする考えだ。コア事業であるストレージ事業に加え、土地権利整備事業及びその他運用サービス事業を展開し、ESG経営の推進により社会課題を解決することにも注力している。2020年5月に東京証券取引所(以下、東証)2部に上場し、2022年4月の同市場区分見直しに伴いスタンダード市場へ移行した。

1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期の業績は、売上高22,463百万円(前期比7.6%増)、営業利益4,155百万円(同11.1%増)、経常利益4,058百万円(同8.0%増)、当期純利益2,821百万円(同2.1%減)と、売上高・各利益ともに期初予想を上回って着地した。当期純利益のみが減益となったのは、前期に計上した法人税等還付額や投資有価証券清算益などが剥落したためだ。セグメント別では、主力のストレージ運用が出店数の増加にもかかわらず高稼働率を維持するなど好調に推移したことで、ストレージ事業は増収増益となり、同社の好業績をけん引した。土地権利整備事業は売上は順調に推移したものの、一部評価減により減益となった。また、その他運用サービス事業は、一部物件の解約等により増収減益となった。これらの結果、自己資本比率は50.4%(前期末は50.5%)と同社が目標とする50%を維持し、高い安全性を確保している。また、ROA(総資産経常利益率)8.5%、ROE(自己資本当期純利益率)11.7%と、高い収益性も維持している。以上から、普通配当67.0円、上場20周年記念配当10.0円、合計77.0円(同8.0円増)への増配を実施し、配当性向は34.6%と目安の30%を超えて、株主還元にも前向きである。

2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の業績については、中期経営計画に基づき、売上高24,400百万円(前期比8.6%増)、営業利益4,650百万円(同11.9%増)、経常利益4,520百万円(同11.4%増)、当期純利益3,080百万円(同9.2%増)を予想している。主力のストレージ事業は引き続き増収増益の予想で、ストレージ運用では全国への出店を加速することで、さらなる成長を計画している。経営の軸足をストレージ事業にシフトするため、土地権利整備事業は事業規模の縮小により、減収減益の予想である。また、その他運用サービス事業では、増収減益の予想である。これらのことから、前期と同額の77.0円の普通配当を計画し、配当性向は31.7%と引き続き目安とする30%の達成を予定している。経営環境が想定以上に悪化しなければ、計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。

3. 中期経営計画
ストレージ事業を中心とする成長戦略に切り替えるために「中期経営計画22-24」を1年で中断し、2023年2月に「中期経営計画23-25」を発表した。経営目標として、最終年度の2025年12月期に売上高28,100百万円(2022年12月期比34.6%増)、営業利益5,500百万円(同47.0%増)、経常利益5,350百万円(同42.4%増)を掲げた。ストックビジネスへの構造改革が完了したことで、中期経営計画では新規出店を加速させることで売上高を伸ばし市場シェアを拡大するとともに、利益率の改善も着実に進める。非常に意欲的な経営目標であるが、計画初年度の2023年12月期業績は計画を上回った。国内のストレージ市場は大きな成長余地が見込まれることから、実現可能な数値であると弊社では見ている。なお、同社は業界のリーディングカンパニーとして、利益追求と同時にESG経営も積極的に推進している。近年、機関投資家を中心にESGに配慮した企業に投資する傾向が強まっていることからも、今後の取り組みに期待したい。

■Key Points
・ストレージ業界のトップ企業。ストックビジネスのストレージ事業を軸に、長期的な利益成長を目指す
・2023年12月期は、主力のストレージ運用が好調で、売上高・利益ともに期初予想を上回って着地。記念配当を含め増配を実施
・2024年12月期は、ストレージ事業の急拡大・急成長による増収増益と、前期と同額の配当を計画
・中期経営計画に基づき、ストレージ運用を柱に、利益成長を重視した経営を推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《AS》

 提供:フィスコ

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