貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8331 千葉銀行

東証P
1,213.0円
前日比
+9.0
+0.75%
PTS
1,213.9円
09:18 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.4 0.74 2.97 11.86
時価総額 9,892億円

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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 金融政策が大転換、浮上するキャッシュリッチ・無借金企業!


「金融政策が大転換、浮上するキャッシュリッチ・無借金企業!」

●17年ぶり利上げ、歴史的な政策修正の波紋

 マイナス金利の解除。決まるまでは気を揉む日々が続いたが、決まってしまうと「あんなに大騒ぎすることでもなかった……」という思いさえする。植田日銀総裁が「マイナス金利は解除するが、緩和的な金融政策を継続する」と表明したことで、17年ぶりの金融政策の大転換も実質的な影響は少ない――こんな安心感が広がったからだ。

 株式市場はさらに楽観的であり、日経平均株価は急騰し、円相場も下落して1ドル=151円台半ばで推移している。私は株高は想定していたものの、円安は完全な想定外だったため、正直困惑させられたのだが、いまのところ東京市場は円安歓迎の構えである。トヨタ自動車 <7203> [東証P]やホンダ <7267> [東証P]、デンソー <6902> [東証P]、ブリヂストン <5108> [東証P]など円安メリットの自動車セクターのみならず、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]やりそなホールディングス <8308> [東証P]、三井住友トラスト・ホールディングス <8309> [東証P]、千葉銀行 <8331> [東証P]といった金融株も力強い動きになっている。

 半導体関連もレーザーテック <6920> [東証P]をはじめ、信越化学工業 <4063> [東証P]、三菱電機 <6503> [東証P]、オルガノ <6368> [東証P]など、多くの銘柄が上昇トレンドをキープしている。これらは基本的には市場テーマに乗っている銘柄になるが、市場テーマは次々と交代するものだ。現在は主要テーマとしてもてはやされていても、数週間から数カ月後には他のテーマが人気を集めており、すでに過去のテーマとして忘れ去られている。こんなことも珍しくはない。

 では、今後どのようなテーマが浮上するのか。マイナス金利の解除を受けて、無借金経営やキャッシュリッチが関心を集めることが考えられる。預金金利を従来の20倍に引き上げるとアピールする銀行もあり、大変化があるかのような印象を与えているが、預金者にとっては実はミクロの世界の変化だ。

 しかし、借り手側から見るとマイナス金利の解除は、いまはさほどではないにせよ、数年後にはかなりの負担になってくる。特に、負債の多い企業には重くのしかかってくることだろう。

●任天堂、信越化、リクルートなどに注目

 大企業は巨額の借り入れをしていても、大抵は預貯金+利益剰余金があるため、経営上は特に問題はない。これが基本とはいえ、利上げによる負担が重くなるのは確かであり、その負担がない方が経営の自由度は高まる。こう考えると投資対象として望ましいのは無借金、もしくはキャッシュリッチ企業ということになる。

 そこで、まず注目したいのが、任天堂 <7974> [東証P]だ。理由はシンプルだ。無借金会社だから、これになる。では、現金同等物はどれほどあるのか。1兆1945億円、利益剰余金は2兆5644億円だ。株価がいまのところ低迷中であることも、投資をするうえでは好ましい。

 無借金というわけではないが、信越化学工業 <4063> [東証P]のキャッシュリッチぶりも素晴らしい。借入金は256億円あるものの、現金同等物は1兆2473億円、利益剰余金は3兆5041億円あり、任天堂を上回るキャッシュリッチぶりだ。

 この2社に比べると規模の点ではかなり小さくなってしまうが、リクルートホールディングス <6098> [東証P]もキャッシュリッチの優等生企業になる。借入金213億円、現金同等物8773億円、利益剰余金1兆9992億円で、経営の安定性は高く、株価は緩やかな続伸が見込める。

 大手企業でありながら、昔から無借金経営で知られるファナック <6954> [東証P]を忘れてはなるまい。近年は存在感が薄らいでいる感がしないでもないが、NC装置世界首位の実績と知名度は健在。現金同等物4769億円と利益剰余金1兆5055億円は、競争優位性を保証してくれるものとなっていて心強い。

 以上はいずれも大手企業中の大手だが、実は無借金やそれに近いごくわずかな借り入れで済ましている企業も新興企業の中には多い。経営者は有利子負債の怖さを知っているのだろう。

そんな新興企業の中から1銘柄を選ぶのは、正直少々無謀ながら、敢えてM&A総研ホールディングス <9552> [東証P]を挙げたい。同社株を53.49%保有する佐上社長が最近持ち株の一部(発行済み株式数の9.50%)を売却したことで、株価は急落したものの回復に転じているため、さらなる戻りに期待だ。この会社は借入金8200万円、現金同等物74億円、利益剰余金65億円と企業規模から見たらキャッシュリッチだ。

2024年3月22日 記

株探ニュース

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