立会外分売は成長資金確保と東証プライム市場上場に向けてのポジティブ材料
RIZAPグループ<2928>は3月7日、代表取締役社長 瀬戸健氏の同社株式の立会外分売を発表した。市場はこの株式売却を売り材料として捉えているが、この立会外分売は成長資金確保と東証プライム市場上場に向けたポジティブ材料と言えそうだ。
瀬戸氏は、立会外分売にて発行済み株式の4.99%に相当する2775万株を売却する。しかしこの売却は単なる創業経営者の資産処分として実施するのではなく、瀬戸氏はその売却資金で、昨年8月に開示された第2回新株予約権を実行する予定。本募集新株予約権の行使により、同社の資本は最大で 106 億円以上の増加となり、大幅な財務基盤の強化が実現することとなる。同社は、この資金を、財務基盤強化のための施策ならびに chocoZAP 事業の成長投資資金等の調達手法のひとつとして位置付ける方針。
東証プライム市場の上場基準は複数あるが、その一つとして流通株式比率があり、東証プライム市場の流通株式比率の条件は、35%以上となっている。この立会外分売が実施される前、同社の流通株式比率は34.6%であったため、この割合を高める必要があった。これが今回の立会外分売実施により39.5%になる見通し。また昨年8月に開示された第2回新株予約権について、今後瀬戸社長がこれを行使した場合も、流通株式比率の上昇は36.0%までとなり、プライム市場の基準をクリアできることになる。(※流通株式比率は23年9月末時点の株主数を基にした試算値)
その他プライム市場の上場基準には、株主数、時価総額、純資産額、利益の額または売上高、虚偽記載又は不適正意見等、単元株式数などがあるが、同社はこれらの基準についてはクリアしていると思われる。
他に今後同社は関連当事者取引の解消のために2023 年 8 月 14 日及び 2024 年 1 月 29 日に実施した、瀬戸健社長の資産管理会社である CBM 株式会社からの資本性劣後ローンの返済を検討し、東証プライム市場への上場を進める方針。
《FA》
提供:フィスコ