貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9264 ポエック

東証S
1,668円
前日比
+4
+0.24%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.89 4.20 23.75
時価総額 77.6億円
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ADワークスグループ Research Memo(2):収益不動産販売事業とストック型フィービジネスを両輪として展開


■事業概要

ADワークスグループ<2982>の事業セグメントは収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスの2つのセグメントに区分されている。また、連結子会社は国内5社、米国9社の計14社で構成されている。国内は収益不動産販売事業等を展開するエー・ディー・ワークス、PM業務を行う(株)エー・ディー・パートナーズ、リノベーション工事や修繕工事を行う(株)スミカワADD、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)事業やFA(ファイナンシャル・アレンジメント)事業を行う(株)エンジェル・トーチ、クラウドファンディングを活用した資金調達等を行う(株)ジュピター・ファンディングがあり、米国では収益不動産販売事業、PM事業、住宅債権への投資事業、不動産開発販売事業を行う子会社及びそれらを統括する事業統括会社で構成されている。

収益不動産販売事業とは、中古賃貸マンションやオフィスビル等を仕入れ、法的・物的コンディションを整えたうえで、リノベーションなどのバリューアップを施してから販売する事業で、同社の主力事業である。仕入物件の対象エリアは中古マンションやオフィス等の賃貸需要が旺盛な都市部を中心となる。1棟当たり10億円前後の中小規模のマンションやオフィスビルを仕入れ、バリューアップ後に事業法人や個人富裕層等に販売している。こうした物件は入居率が高く賃料収入が安定しているほか値下がりリスクも相対的に低く、投資運用対象として手掛けるのに手頃な水準となっている。また、2018年から不動産小口化商品「ARISTO」シリーズの販売を開始しており、顧客層の拡大にも取り組んでいる。ここ最近は、商業ビルを仕入れる機会も増え、取り扱う物件も大型化する傾向にあるほか、京阪神や名古屋など地方の主要都市部にもエリアを広げつつある。また、米国子会社を通じてロサンゼルスで収益不動産販売事業を行っているほか、2020年にはハワイにも子会社を新設し、賃貸不動産物件の開発販売事業に着手している。

ストック型フィービジネスは、販売用不動産を売却するまでに得られる賃料収入のほか、同社が保有・売却した物件に関するPM収入(建物の維持・管理受託、賃料・管理料徴収、テナント誘致等によるフィー)、既存顧客に対する売買サポートフィー、不動産に関する相続対策等のコンサルティング収入、受託不動産の保守・修繕工事等で構成されている。同セグメントの利益の大半を占める賃料収入は、収益不動産残高が積み上がれば連動して増えるため、同社にとって安定収益源の機能を果たしている。

そのほか、新規事業として子会社のエンジェル・トーチでCVC事業を2021年から、FA事業を2022年からそれぞれ立ち上げている。同社では、グループの成長を加速度的に進めるため、“脱”不動産事業として新規事業の育成に取り組んでおり、先進的な技術を持つベンチャー企業などへの投資を行っている(2023年12月までに合計8社に出資)。また、FA事業では、先進的なファイナンスサービスに取り組む複数のベンチャー企業に出資し、これら企業が提供するサービスや同社が自社で行ってきたライツ・オファリング※による資金調達ノウハウ等を組み合わせることで、資金調達で苦労しているスタートアップ企業や未上場企業、上場企業などを対象に最適な資本政策の提案を行う資金調達支援サービスを行っている。

※ライツ・オファリングとは、発行会社以外のすべての株主に対して、その保有する株式数に応じて新株予約権を無償で割当て、株主が当該新株予約権を行使することで資金を調達する手法。


2023年12月期の実績としては、地域新聞社<2164>に対する株式取得及び資本政策助言(ライツ・オファリング)、及びポエック<9264>に対する資本政策助言(ライツ・オファリング)の2件だが、資本政策助言の前段階まで進んでいる案件がほかに2件ある。今後、専門人材を増強しながらFA事業を育成する考えである。2千兆円とも言われている個人の金融資産のうち、現預金の占める比率が5割以上と言われており、優良な投資運用先を求めている個人投資家のニーズは大きく、これらニーズと企業の資金調達ニーズを先進的なファイナンスサービスでつなげていく。

なお、新規事業の1つとして取り組んでいたREIT事業に関しては、最近のマーケット状況等に照らして、一旦、凍結する方針を決定した。これに伴い2022年3月に合弁事業契約を締結していた(株)みらいホールディングスとのREIT組成に向けた合弁事業を解消し、併せて共同出資していた投資運用会社JMRアセットマネジメント(株)のみらいホールディングス保有分の株式(出資比率12%)も、同社がすべて取得したことを2024年2月に発表した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HH》

 提供:フィスコ

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